About Toyo University 能登半島ボランティア活動

令和6年能登半島地震復興支援 本学の取り組み
能登半島復興支援ボランティア

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震で被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。
本学は地震発生直後から私たちに何かできることはないかと模索し続け、1月より、各キャンパスで募金活動を実施。
被災地での受け入れが可能になった3月から、東洋大学ボランティア支援室を中心にボランティア活動を継続してきました。
能登半島の一日も早い復興を願い、今後もできる限りの支援を継続してまいります。

夏季ボランティア活動の様子(石川県輪島市)

夏季能登半島地震 ボランティア活動レポート

8月4日から9月3日に「夏季能登半島地震ボランティア」を石川県輪島市、珠洲市、羽咋郡志賀町周辺で実施し、110名を超える学生と教職員が参加しました。
全20クールにわたる活動機会を設け、参加者は5 つのエリア(コース)に分かれて、現地のボランティア団体のご協力を得ながらボランティア活動に取り組みました。被災地の方々から感謝のお言葉をいただく場面もあった一方で、復興するまでの道のりはまだ非常に長いと痛感する瞬間も多くありました。次に、学生たちが参加した各コースにおける活動内容と学生の声を紹介します。

珠洲 コース
活動内容

能登半島の先端に位置する珠洲市のボランティアセンターを拠点に、家財の撤去や畳の運び出し・張り替えや交換、災害ゴミの分別・運搬を行いました。また、輪島市のキリコ会館周辺で開かれたフリーマーケットを手伝い、地域の方との交流の中で現地の生の声を聞くことができました。

参加学生の声

活動で知り合った74 歳の大工の方は、昨年脳梗塞を患い後遺症が残る中、今回の地震を経験されました。住まいが倒壊した中でも「自分のやりたいことを生き甲斐にすれば、前を向いて生きていける」と新しいお家をご自身で建て始めていました。心が砕けそうな状況でも乗り越えようとする強い言葉が胸に響きました。現地での活動を通じて、現地で暮らす方々の温かさや強さに触れることができました。(長谷部 紳/総合情報学部 総合情報学科3年)

志賀・富来学童 コース
活動内容

羽咋郡志賀町の2ヶ所の放課後児童学童クラブで学童保育を実施し、室内で子どもたちと遊びました。また、輪島市の重蔵神社で祭りの際に使用された神輿の片付けや草刈りをしたほか、大規模火災が発生した輪島朝市を見学し、現地の方々が求めるニーズを知ることができました。

参加学生の声

学童に来ている小学生の中には仮設住宅に住んでいる子もいて「あと2年で出ていかなきゃいけない」と話してくれました。幼い子どもですら過酷な環境と向き合わなければいけない状況が、東京で平然と暮らしていた私には衝撃的でした。どうにかこの子たちが笑顔で過ごせるようにと、強く願いながら現地で活動を続けました。現在当たり前にある環境を大切にして、日々を過ごしていきたいと感じました。(佐々木 瑚乃美/福祉社会デザイン学部 社会福祉学科1年)

輪島河井町 重蔵神社 コース
活動内容

輪島市河井町の重蔵神社で敷地の草刈り、支援物資で届いた衣類やお米の仕分け作業、被災住宅の片付けを行いました。また、能登復興祈願キリコ大祭の準備(お神輿、キリコの組み立て)をし、祭りにも参加させていただきました。

参加学生の声

地震発生時には生死に関わるつらい判断を強いられることもあったという現地の方のお話にとても衝撃を受け、多くの方に聞いてもらうべきだと感じました。(馬場 栞/社会学部社会心理学科1年)
高さ10mほどのビルが根本から倒れている光景を目の当たりにして恐ろしくなりました。支援の需要と供給のミスマッチなど、実際に行ってみないとわからないことにも気づきました。(井上 旭/情報連携学部 情報連携学科4年)

輪島門前シャンティ
国際ボランティア会 コース
活動内容

阿岸仮設住宅集会所ではサロン活動で秋の飾りづくりやゲームなどを行い、総持寺の見学、本郷公民館での片付け・木材の撤去を実施しました。ゲストハウス黒島では片付けや修理に加え、TikTokを使用したプロモーション活動を支援するほか、富山ムスリムセンターとの炊き出しも行いました。

参加学生の声

サロン活動で、地域の方々と交流して皆さんに笑顔になっていただけました。撤去作業などの物理的支援だけでなく、心のケアも大切なボランティアであると感じました。(渡辺 武紘/国際観光学部 国際観光学科3年)
輪島市はご近所付き合いが深く、震災時に助け合いをされていたと聞き、つながりの大切さを感じるとともに、見ず知らずの人々が生活する大都市圏での災害時の問題や課題を考えさせられました。(塩澤 尚/国際学部国際地域学科2年)

輪島ボランティアセンター コース
活動内容

がれきや資材の運搬が中心で、輪島漆芸技術研修所では家具や裏手土砂の運び出し、被災者のご自宅で畳や剥がれ落ちた土壁の撤去作業、大沢町では膨大な数の災害ゴミの分別・清掃作業などを行いました。

参加学生の声

災害に対する意識に変化が生まれ、当事者意識を持つようになりました。ボランティアにできることはわずかではありますが、機会があればまた参加したいと思います。(鈴木 里和/福祉社会デザイン学部 社会福祉学科1年)
私たち学生がどこまで助けになれるのか不安がありましたが、被災者の方々は「学生さんが来てくれることに感謝しかない」と心からおっしゃってくださいました。私自身の生きる意義にもなる経験でした。(平塚奏美/国際学部 国際地域学科3年)

夏季能登半島地震ボランティア活動報告会を実施

9月28日、白山キャンパス スカイホールにて、夏季のボランティア活動に参加した学生による活動報告会を実施しました。報告会は2部制で行われ、第1部では金沢大学 川澄厚志准教授に能登の被災状況や復興に対する考察をご講演いただきました。その後、参加した代表学生からの活動報告があり、実体験として被災地を見た率直な気持ちや、被災地の方との触れ合いの中で得た想いなどを共有しました。続いて、ボランティア活動にご協力いただいた現地の活動団体の方々からのメッセージがあり、リモート通話にて現地の最新状況などを伝えていただきました。復興最中の9月に発生した集中豪雨災害による土砂崩れや河川の氾濫により甚大な被害を受けた現在の能登の姿に、大きな衝撃を受けました。第2 部では学生が主体で「東洋大学生が考える能登の創造的復興」をテーマにディスカッションを行い、どうすればより良いボランティア活動と復興支援ができるか真剣な議論が交わされました。