About Toyo University 〔文学部〕教員養成に対する理念及び認定課程設置の趣旨等

文学部哲学科

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(地理歴史)
  • 高等学校教諭一種免許状(公民)

哲学科は社会的教養の涵養を学科における教育の基本理念に置いており、卒業生が中学校・高等学校の教員として活躍する基本的な資質の育成に力を入れています。また基本的な思考力に加え、多言語教育の成果に基づきながら、文化・文学・芸術・宗教などから広い視野で物事を考え、現代日本を取り巻く多様な諸問題を社会的な基礎教養と合理的な思考力で読み解き、教授することができるような教員を理想的な教員像としています。

哲学科の教育は、中学校の社会科の教員として活動するにふさわしい、一般的な教養力と広い見識の育成のみならず、とりわけ混迷する社会問題に対して、価値や尊厳の受容・他者への配慮という、現代社会で必要とされる事柄について十二分に配慮しています。思想に関する教育の他にも、広く歴史、地理を学ぶと同時に、政治学や社会学といった今を生き抜く社会人としての基礎教養を習得し、完成されたジェネラリストとして教員の任に耐え、活躍できるようカリキュラムを配置しています。

哲学科の教育では、高等学校の教員としてふさわしい専門性にも配慮し、公民の教員として不可欠な社会制度の成り立ちを思想史的に学ぶことができます。加えて、政治学と社会学を学ぶことで、社会システムを総合的に理解し、教授できるような体制を整えています。
哲学科の多言語教育、並びに種々の思想・文化についての教育は、地理歴史の教員としての基礎修養を磨くことに資し、その他の教科科目に置かれた日本史および人文地理学などの学習を通じて、教員としてふさわしい学力を育成できるように配慮しています。

 

文学部第1・2部東洋思想文化学科仏教思想コース

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(地理歴史)
  • 高等学校教諭一種免許状(公民)

東洋思想文化学科は、学祖井上円了の大学設立の精神を承け継ぎ、人間存在に対する深い理解を持ち、また、「アジアの一員としての日本」という自覚に立って世界の人々と協調して未来を切り開こうとする姿勢に富む有為な人材を育成することを目標としています。カリキュラムの力点は豊かな国際感覚の涵養と東洋と日本の文化的伝統の理解に置いており、本学科の卒業生が教員として次代を担う若者の育成に当たり、日本の進むべき新しい道を切り開くことを望んでいます。

本学科仏教思想コースでは、「中学校教諭一種免許状(社会)」、「高等学校教諭一種免許状(地理歴史)」、「高等学校教諭一種免許状(公民)」を取得する課程を置き、仏教を中心とするアジアの思想・文化を多面的に学ぶ科目群を提供しています。上記免許状取得のための「教科に関する科目」がそれらに含まれており、本学科の卒業生が中等教育に従事することには他学科出身者にない独自の意義があるといえるのです。本コースでは、アジア諸地域の風土と歴史と多様な価値観や文化、思想・宗教を深く学び、教師となって中学生高校生に新たな見方・考え方を身につけさせ、良識ある公民としての能力や態度を育むことができるようカリキュラムを組んでいます。本コースでは、青年期を迎える生徒の自己形成と思索を助けるため、教育の現場において、人間の尊重と科学的な探究の精神を育むことができる教員の養成を目指しています。

文学部第1・2部日本文学文化学科

  • 中学校教諭一種免許状(国語)
  • 高等学校教諭一種免許状(国語)
  • 高等学校教諭一種免許状(書道)

日本文学文化学科では、日本・日本人を知り、伝統的な学問・日本文化を継承し、新しい時代を切り拓く人材育成を教育目的に掲げ、その一環として中学校の国語教員、高等学校の国語教員および書道教員の養成を行っています。

本学科の中一種免(国語)・高一種免(国語)の教職課程では、グローバル化が進む現代において、国際社会の一員たる日本人を育てる国語教員として、日本文学文化を専門的かつ幅広く教育することのできる教員の養成を目指しています。学位授与のための学科カリキュラムのうち、日本文学文化概説、日本語概説、文学史、古典文法、現代文法、日本語史、各種の特講、日本の古典籍などの多くの専門科目を教職課程の科目として配置し、免許状取得のための教職課程プログラムとして体系的に編成しています。

同じく本学科の高一種免(書道)の教職課程では、「書」を通じて、中学・高等学校の生徒に日本文化の精髄と文字に対する鋭敏な感性、書の技術を教育できる書道教員の養成を目指しています。カリキュラムは、日本文学文化概説、中国の古典、日本の古典籍等の学科の専門科目を教職課程の科目として配置するほかに、書道Ⅰ~Ⅳ、書論などの書道専門科目を配置し、免許状取得のための教職課程プログラムとして体系的に編成しています。

文学部英米文学科

  • 中学校教諭一種免許状(英語)
  • 高等学校教諭一種免許状(英語)

本学科では英文学、米文学、英語学の三分野を中心に英語の基礎力を身につけ、その英語力を使って、人間の行動・感性・思考を多面的に分析できる人材を育成することを狙いとしています。1・2年次にしっかりとした英語力の土台を築かせ、3・4年次にはそれまでに学んだ英語を通して文学作品の研究や英語という言語の分析に取り組ませ、4年間で英文法・英語学・英米文学といった多面的な知識を修得できるように学科のカリキュラムを編成しています。これらの知識は、英語科教員として必ず身につけるべき知識です。

さらに、学位授与までの4年間を通じて、受動的ではなく能動的に英語学習に取り組む姿勢を身につけさせ、外国語学習には集中力と継続性が不可欠であることを認識させます。この、外国語学習に対する“積極的姿勢”および“強い意志”は、立場が教師に変わったとしてもやはり必須と言えます。本学科が提供する学位プログラム(教科に関する科目を含む)を履修・修得させることで、英語を教えるにあたって必要な高い英語運用力と言語・文化に関する専門的知識を備えた、児童・生徒の「生きる力」を育成できる信頼のおける教員を輩出できると考えています。

また、現行の学習指導要領(外国語)では、「外国語を通じて、言語や文化に対する理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、情報や考えなどを的確に伝えたりするコミュニケーション能力を養う」(高校編)ことが目標として掲げられていますが、本学科が提示するポリシーの中にこれに通ずるものがあります。例えば、『英語で表現された文物に親しむことで、「人間」「自己」「言葉」とは何かを追求する人材を育成する』、『人の世のあるべき姿を探りつつ批判精神を備えた人間に成長させる』、『ことばや言語に対する理解を深めさせ、自分の意見や思考を正確に表現できる能力を伸ばす』がそうです。これらのポリシーに基づく指導を受け4年間の課程を無事に修めた者は、その間に得た経験と知識を活かして教育実践を行うことができるはずです。

本学科が提供する専門科目は、学位プログラムと教職課程のどちらの体系性にも通じる科目です。専門の学芸(英語学・英米文学)に精通し、幅広い教養(言語をとりまく文化的側面)と総合的な判断力を備えた豊かな人間性を持つ人材を輩出することができると確信しています。 

文学部史学科

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(地理歴史)
  • 高等学校教諭一種免許状(公民)

史学科は科学的・実証的な歴史研究の研鑽を通じて、過去の人類の歴史から現在を理解し、未来に生きる知恵を汲み取ることができる人材の養成を目標としています。また、あわせて政治・経済・社会や思想・文化・芸術なども学び、人間社会のあるべき姿に向けて自律的・主体的に活動する人材の育成を目指しています。本学科では、歴史の学修を基礎にして、国際的な視野に立ちながら、歴史、地理の理解や公民の知識を通じて人間社会を多面的に洞察できるような教員を養成します。

史学科が用意する教育課程は、日本・東洋・西洋の様々な時代の歴史の学修を中心にしながら、関連して哲学や社会科学など多様な領域を学ぶものであり、「中学校教諭一種免許状(社会)」、「高等学校教諭一種免許状(地理歴史)」、「高等学校教諭一種免許状(公民)」を取得する課程と整合しています。また、これらの免許状の取得を希望する学生も多く、課程を設置する意義や必要性があります。史学科のカリキュラムは、多様な史料や原典を正確に読み解き、それをもとに論理的かつ創造的な思考を構築していく能力を養成するよう構成されており、「日本史」「外国史」のほか、関連して「地理学」「人文地理学」「自然地理学」「地誌」および「法律学・政治学」「社会学・経済学」「哲学・倫理学・宗教学・心理学」などの分野においても、学習指導要領に即した「教科に関する科目」を卒業単位として認定しています。したがって、本学科のカリキュラムと、「中学校教諭一種免許状(社会)」、「高等学校教諭一種免許状(地理歴史)」、「高等学校教諭一種免許状(公民)」の取得に必要な科目群及び学習指導要領との間には、相互に深い関係性(相当性)があります。

文学部第1部教育学科人間発達専攻
文学部第2部教育学科

  • 中学校教諭一種免許状(社会)
  • 高等学校教諭一種免許状(地理歴史)
  • 高等学校教諭一種免許状(公民)

本学は明治20年、「哲学館」創学以来、教育に関する学術的・実践的探究とともに中等学校教員の養成に大きな足跡を残してきました。これは、社会の改良をめざし、その中核を担う教育家(教員)の養成を重視した学祖井上円了の教育理念を具体化するものでありました。以来、この理念の下、教員養成に力を注いできています。

教育学科においても、学校教育の直面する諸問題を学術的・実践的に検討し、これに対処する力量を備えた教員の養成を行っています。そのため、つねに教員としての自己を見つめ直し、つねに成長し続けるための基礎的な資質・能力の育成に力を注いでいます。
社会状況や社会構造の急激な変化を背景に、教育の重要性が指摘され、質の高い教育を求める声が高まりを見せています。それらに応えられるような豊かな人間性と高度の専門性を備えた教員の養成を目的としています。

文学部教育学科初等教育専攻

  • 小学校教諭一種免許状

上記、中・高一種免許状と同じ理念の下、教員養成を行っています。小学校教諭一種免許状取得課程では、特に学校を地域資源の一つととらえ、保護者や地域住民あるいは関係諸機関との間の密接な信頼関係のもとで、地域における社会的責任を明確に果たすことを重視しています。教育学科初等教育専攻においては、その設置当初から独自の「往還型教育システム」を実施してきており、地域の教育委員会等教育行政機関や小学校等実践現場と連携した教育体制を採るとともに、初等中等教育段階の学校現場で実践経験もある専任教員が学生たちの指導にあたり、高い「授業力」を備えた教員の養成を行っています。

文学部教育学科人間発達専攻

  • 特別支援学校教諭一種免許状

上記、中高の一種免許状取得課程に加え、特別支援学校教諭一種免許状取得を可能とする課程を設置しています。確かな授業力を基盤に授業を展開し、次世代を育成することのできる高度の資質能力をもった教員の養成を行うことはもとより、障害のある児童生徒や学習を進める上で特別な教育的ニーズのある児童生徒の様々な課題の解決に向けて、優れた実践力を発揮することのできる高度な資質能力をもった教員を養成します。このことは、社会的要請でもあり、本専攻が重視する理念でもあります。

文学部国際文化コミュニケーション学科

  • 中学校教諭一種免許状(英語)
  • 高等学校教諭一種免許状(英語)

グローバル化時代の国際社会において異なる文化間のコミュニケーションを推進するには、世界共通語としての英語を基礎としながら英語以外の言語の素養も有すること、 日本及び世界の言語・文化に対する教養を身につけること、多文化間の共生を図りながらコミュニケーションを推進し、多角的視野で自らを発信することが必要です。そのため、国際文化コミュニケーション学科は、複数の外国語および自文化を含む他文化についての学修を通じ、高度な言語運用能力と多角的視座に立った文化理解力を養い、「真のコミュニケーション力」と「流されない自分」というものに裏打ちされた、国際感覚豊かな人材を養成することをめざしています。

本学科のカリキュラムで提供される専門科目には、語学力だけでなく論理的・批判的思考力、問題解決能力、課題探求心、協働力、リーダーシップなどの能力を培う基礎科目、多言語・多文化間のコミュニケーション能力を養う言語コミュニケーション科目、世界の多様な文化について学ぶ国際文化科目、英語の教職課程を含む社会・キャリア・資格科目があります。これらの科目を学修することで、英語力だけでなく、多様化する世界において確固たる自己を持ちながら他言語・異文化を持つ人々と協働する力を持ち、さらにその力を生徒の中に育てることができるような教員養成が可能になると考えます。