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学校長あいさつ

地球規模で思考のできる人を育てる

哲学館・東洋大学を創立した井上円了先生は、「諸学の基礎は哲学にあり」として、「哲学は知りたいという気持ちであり、それを究めていくことが真理に至ることであり、哲学は結論ではなく出発点である」としました。その著書『純正哲学講義』の中で哲学から得られることは、「思想を精密にする 情操を高尚にする 道理的想像力を増進する 志望を遠大にする 精神を安定する」の5つにまとめられました。また、円了先生は最初の欧米視察で「海外のことは日本にいて想像するだけではなく、実際に見て体験しないとわからない」として、「体感」の必要性を実感され、現実世界を活きたテキストとして学び、生きた学問とする「活書活学」を提唱されました。

本校は、東洋大学の附属高校として1964年にこの地に創立され、「独立自活」「知徳兼全」の精神を培うことを目指してきました。中学校は高校創立50周年を機に併設されました。高校創立60年を超えて新たな伝統をつくっていきます。

これから本校では「探究」と「ウェルビーイング」をコンセプトに教育活動を展開していきます。円了先生の考えを踏まえて、哲学教育を出発点に探究していく姿勢を育て、そのことを通じて情操を高尚にして、創造力を高め、精密な思想を構築して未来を展望する人材を育てていきます。

さらに、将来を見通したキャリア形成のために、文理融合の課題解決型STEAM教育や、アントレプレナー教育の展開を進めます。また、ICT、AIなどデジタル技術を活用して、学びや真理に迫る姿勢の育成のための取組、解決の手段を考えていきます。このためには、附属校の特性を生かして東洋大学各学部との連携教育を強化するだけでなく、つくばの研究機関やJICAとの連携からサイエンス教育を充実させていきます。

地球的課題への対応として、本校では様々な場面での読解力を育成することを重視しています。「読解力」という文字をひらくと、「読み解く力」になります。本校での学びや体験活動の中から「時代を読み解く力」、「社会を読み解く力」、「世界を読み解く力」を育てていきます。そして、「読み解く力」を身に付け、SDGsへの対応として「地球規模で思考できる真の国際人の育成」を大きな目標にしていきます。

グローバル教育の取組では、文化の多様性の尊重、外国人等他者への敬意と、共生社会の中で積極的に社会的役割を果たせる人間となることを目指しています。そのために、ネイティブスピーカーによる英語の授業、オールイングリッシュソーンの設置など日常生活の中で英会話を行う環境の整備をしています。また、選択制の海外修学旅行の他、オーストラリア、シンガポール、フィリピン、カナダ、イギリス等でのホームステイを含む語学研修を実施し、研修先の大学での英語によるプレゼンテーションの実施、校内での英語落語の発表会、国内外のディベート大会やプレゼンテーションフォーラムへの参加など、「活書活学」の観点から体験を通して、豊かな国際感覚の醸成を進めています。第二外国語等として中国語やフランス語も学ぶことができます。

施設面では、全てのクラスにWi-Fi環境を整備するとともに、Chromebookなどを活用して、効率的・効果的な学習を展開し、ICTスキルも磨いています。運動施設では、400mの公認トラックを有する人工芝グラウンドの他、硬式野球グラウンド、テニスコートなどを整備し、快適な環境下で授業や部活動を行っています。

中学校・高等学校の新入生全員が参加して交流を行う新入生HR合宿を始め、中・高の生徒が一体となって実施するスポーツフェスティバル、創造祭(文化祭)など学校全体で取り組む特別活動も充実しています。私たちは、生徒の皆さんの充実した学校生活と希望進路の実現を全力でサポートしていきます。新たな歩みを始める東洋大学附属牛久中学校・高等学校で、生徒一人一人のウェルビーイングを実現させていきます。

略歴

1959年 東京生まれ、早稲田大学教育学部社会科地理歴史専修卒(専門は日本史)

1985年 入都。都立神津高校、都立足立西高校、都立両国高校を経て東京都教育委員会指導主事。都立小石川高校副校長等を経て、足立区立第一中学校長、都立大森高校長、都立杉並高校長、都立足立西高校長を務める。この間、東京都公立高等学校長協会会長、東京都歴史教育研究会会長等を歴任。

2023年 東洋大学附属牛久中学校・高等学校校長に就任。

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東洋大学附属牛久中学校・高等学校
校長 金澤 利明

校長MESSSAGE

始業式・終業式・修了式・全校集会・各式典等で校長から生徒に向けて伝えたメッセージの要旨を掲載しています。ぜひご覧ください。

<2025年度>

1学期始業式(2025年4月8日)
中学校第11回・高等学校第62回入学式(2025年4月9日)

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