学校長メッセージ(受験生向け)

受験生への校長メッセージ    20210317-_3170059

2025年度入試 7月号

私は大学生時代の4年間だけですが、水泳部に所属していました。高校時代、年配の先生から「おはよう!」と声を掛けられてもなかなか返事を返すことができなかった私が、たった4年間の部活動で学び取ったことが挨拶の大切さです。合宿の練習メニューで1600m個人メドレーを含む10000mを泳いだ日、私は生まれて初めて、お腹が空いているのに気持ちが悪くて食べられないということを経験しました。水泳は相手が他人ではなく、常に自分です。自分との闘いに勝てた人だけが、その御褒美(ごほうび)にBest Timeを出すことができるのです。

 

今から5年半ほど前の2月、水泳の池江璃花子選手は自らの病気を明らかにしました。その時はあたかも悲劇のヒロインのような記事内容でしたが、そのメッセージの中にはひときわ輝く言葉が含まれていました。

 

  「神様は乗り越えられない試練は与えない。」

 

その後の治療に関する凄まじい闘いと、その闘いの中でも勝ち取ってきた記録は、みなさんもご存知の通りです。かつて4日間で10レースを泳ぎ切り、5冠制覇を果たしてきた池江さん。私はたかが1食を食べられないことでしたが、池江さんは3日間食べられない日もあったそうです。私の何倍も何十倍も何百倍、いや何万倍も闘い続けてこられた方の、言葉は重いです。
失礼ながらみなさんの勉強の量は、池江さんの何分の1でしょうか?それでも池江さんは乗り越えました。勉強をすればするほど、伸びない時期がくるかもしれません。でも、それは神様があなたに与えた試練の一つです。その試練は幾つも襲い掛かってくるかもしれません。その度にへこんでいたら取れるものも逃げていきます。

折角の「試練」です。いっそのこと、楽しんでチャレンジしてみませんか?

2025年度入試 6月号

「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」などで知られる小説家ロバート・ルイス・スティーブンソン氏は、イギリスのスコットランドに生まれました。生涯を結核と闘いながらも多作で、長編、短編、随筆、評論、旅行記、韻文など多分野に優れた作品を残しています。
そんな彼が残した言葉です。

「毎日をその日の収穫高で判断せず、蒔いた種で判断しなさい。」

"Don't judge each day by the harvest you reap but by the seeds that you plant."

よく不作だとか不漁だとかという言葉を聞きます。天候や潮の流れ、災害など我々の身の回りには、いろいろなアクシデントが起こります。
収穫高をテストの点数に、種を普段の勉強に置き換えてみてください。つまり、これって一喜一憂するなと言ってくれているような気がします。自分的には完璧にやっていると思っても、良い結果が出ない時などは誰もがへこんでしまいます。逆に良い結果が出たからといって、遊んでしまえば元の木阿弥(もとのもくあみ)です。テストで一番大事なのは、1回の点数ではありません。その間違えた内容を、二度と間違えなければ、終着駅は100点です。

あなたは今日から、どれだけ沢山の種を蒔けますか?

2025年度入試 5月号

今から40年ぐらい前に徹夜をした友人と、大塚駅前の吉野家へ入ったことがあります。店の中には私たち以外にも十数人ぐらいのお客さんがいました。「早い、うまい、安い」と書かれた看板どおり直ぐに温かい牛丼が出てきました。紅生姜を乗せて、口へかき込んだ記憶があります。今では松屋やすき家もありますが、私にとっては老舗の味として忘れられません。そんな吉野家は、実は東洋大学京北中学高等学校(当時は京北尋常中学校)と同じ年にスタートしています。

 

吉野家の歴代の社長の中で、BSE問題でアメリカ産牛肉は輸入が禁止されて同業他社はオーストラリア産などで牛丼販売を続けた時に、「牧草で育てるオーストラリア産牛にしたら、別のテイストの牛丼になる」とアメリカ産牛肉にこだわり、国内の既存在庫が尽きた2004年2月11日から牛丼の発売を停止したのが安部修仁さんです。安部さんは、東証1部上場企業で正規採用ではなく、パートタイマーやアルバイトから叩き上げで、社長に就任した人物としても有名です。
そんな安部修仁さんの言葉です。

 

「勝つまでやる。だから勝つ。」

 

諦めなければ可能性がなくなることは、絶対にありません。とことんまで、やっていくしかありません。先は誰にも見えません。だから見えてくるまでやり続けていくのだと思います。自分自身で限界を決めない、不安や心配はどこまで行ってもついてきます。やればやるほど、不安や心配はつきまとってきます。しかし、どれだけ時間が掛かったとしても、いつかは必ずゴールへたどり着きます。夢は見えてくるまで追い続け、実現するものです。実現するまでやり続けた安部さんらしい言葉です。みなさんは、まだ入り口です。出口が見えないように思っているかもしれませんが、ひたすら歩き続ければ、必ず出口が見えてきます。出口のないトンネルなんて、絶対にありませんから。

2025年度入試 4月号

ホームページをご覧いただいているみなさん、こんにちは。

校長の 星野 純一郎 です。

今年度も、目標に向けて日夜頑張っておられる受験生のみなさんへ、エールを送る気持ちを込めてこの「受験生への校長メッセージ」をお届けしていきます。

 

 

「努力は、嘘をつかない。」これは読売ジャイアンツの投手であった 桑田 真澄 さんの言葉です。

 

しかしこれに楯突くかのように言った人がいます。もう8年ぐらい前になるでしょうか?フィギュアスケート男子シングルの2大会連続金メダリスト 羽生 結弦 選手が、リオ五輪終了後のテレビ番組で、「努力はウソをつく、でも無駄にはならない。努力がウソをつかないんだったら、やっぱり練習量を1番している人が毎回、毎回、優勝できるでしょう。オリンピックでも…。どんなに努力している人でも、勝てない時は勝てないんだなと思った。逆に本当に若い選手が勢いで取っちゃうってことも。そういう意味で、努力っていうものはウソをつく。努力の正解を見つけることが大切。」と答えた時に、私はビックリしました。

 

さてこれから1年間、努力は嘘をつくか、つかないか、あなたが正解を見つけてください。そして1年後に正解を教えてください。みなさんの努力の結果を楽しみにしています