学校長メッセージ(受験生向け)
受験生への校長メッセージ
- 2025年度入試 10月号
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みなさんは、京セラやKDDI、日本航空(JAL)というまったく分野・業態の違う3つの企業を経営し、それぞれ日本を代表するトップ企業に成長・再生させた経営の神様、稲盛和夫さんをご存知でしょうか?稲盛さんはサッカー元日本代表のラモス瑠偉氏への重大な接待に吉野家有楽町店を選び、まずそれぞれに「並・ツユだく」を食べ、その後「牛皿」1皿を追加して2人でシェアしたのだそうです。「牛皿」の肉を1つずつ食べていくと最後の一切れが残った時に、稲盛さんはラモス氏さんへ「どうぞどうぞ、召し上がってください」と勧めたそうです。
このように接待にも使われる吉野家。
高校を出た後ミュージシャンを目指しながら吉野家のアルバイトを始め、ここからスタートして後に社長・会長にもなられた方がいます。安部修仁さんです。その方の名言です。「勝つまでやる。だから勝つ。」
勝つと決めて、最後までやり続ければ、負けることはありません。なぜ負けるのでしょうか。勝ちがすぐそこまで来ているのに気づかず、その辛さに堪え兼ねて、途中で諦めてしまうからです。もう1つは、ハナから諦めて挑戦せずに逃げてしまうからです。だからこそ「勝つまでやる」と決めてしまうことが重要な足掛かりとなります。
あなたに「必ず勝てる」という信念があれば、どこまでも努力をし続けるので絶対に負けません。嘘だと思ったらぜひ、やってみてください。「勝つまでやり続けること」、これが必ず勝つ方法です。今日から、いや今から実践して見ましょう。
- 2025年度入試 9月号
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みなさんは「三遊亭兼便」という落語家をご存知ですか?その方は、師匠の三遊亭兼好さんなどとの落語会を前に不安を抱え、母親にLINEを送ったそうです。そのお母さんの返信内容をご紹介します。
「努力して結果が出ると自信になる。努力せず結果が出るとおごりになる。努力せず結果も出ないと後悔が残る。努力して結果が出ないとしても経験が残る」
「努力をしてその日を迎えたんだったら、何も残らないことはないから行っといで。」
実は、三遊亭兼便さんとは、南海キャンディーズの山里亮太さんの落語家としての名前です。ですのでこの返信は、山里亮太さんのお母さんの言葉です。小学校時代の荒れ狂う山ちゃんを優しく見守った、お母さん。この母にして、この子ありと思いました。
山里亮太さんは、努力の天才と言われています。上岡龍太郎さんを目指して、ゴールから逆算して行動していたり、池上彰さんに弟子入りしたり、その努力の功績を決して見せないようにしたと言われています。山里さんは、すべて「狙って」行動しています。「面白さ」の定義を「ただ単に自分が話したい面白いこと」ではなく、「自分が客席にいたとして、その自分が見て笑うものをやること」と知っています。まさしく「努力の天才」です。
相方のしずちゃんが、ボクシングでオリンピックを目指していたときのエピソードです。「無茶苦茶ストイックにやるんですよ。その時に僕じゃない人に言ったセリフを聞いたんですよ。『山ちゃんが言った “死ぬほど努力する必要がある” っていうのは今わかった。自分のペースなんてものはない。努力って本当にしなきゃダメだったんだ』って。『申し訳ない』って言ったらしいんですよ。今までの事ことを」と語ったそうです。ともに頂点を目指したときに、初めて本当に理解し合あえたコンビなんですね。
- 2025年度入試 8月号
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この4月、私は始業式で反面教師の話をしました。
その中のお一人に、中学校の3年間ずっと担任をしてくださった先生がいらっしゃいます。その先生は社会科の先生で、私は地理的分野、歴史的分野、公民的分野を全てその先生から教わりました。先生は定期考査の度に、その科目のトップを発表されていました。中3のある時「このクラスのトップは、社会科が嫌いで苦手な男だ。お前らはそんな奴にトップを取られて悔しくないのか?しかも民本主義を唱えた吉野作造を、『もったいない』で有名な『大日本どケチ教』の吉本晴彦と間違える大馬鹿者だ。」と言われ、恥をかかされたこともあります。今回は、その先生が口癖のように仰っていた言葉をご紹介します。正直、私たちはこの言葉の度にお互い顔を見合わせクスクスと小声で笑っていました。でも今この歳になってようやく、この言葉の凄さがわかりました。
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり 」
これは米沢藩9代藩主の上杉鷹山の言葉です。10歳で米沢藩8代藩主重定の娘幸姫の婿養子となり、17歳で家督を相続します。と言っても借金だらけの藩で、どうしようも無い状況でした。重役から米沢藩の体面に関わると強い反対を受けましたが、鷹山は率先して節約を実行しました。江戸藩邸での藩主の生活費をおよそ7分の2とし、食事は一汁一菜、普段着は木綿、奥女中も50人から9人に減らしたそうです。その結果、今の200億円相当の借金を完済したそうです。このことから、できそうでないこともその気になればできるという意味でよく使われます。
みなさんは10歳、17歳の上杉鷹山に勝てますか?
200億円の借金と今の勉強、どちらが大変ですか?
私なら、楽な勉強を選びます。 - 2025年度入試 7月号
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私は大学生時代の4年間だけですが、水泳部に所属していました。高校時代、年配の先生から「おはよう!」と声を掛けられてもなかなか返事を返すことができなかった私が、たった4年間の部活動で学び取ったことが挨拶の大切さです。合宿の練習メニューで1600m個人メドレーを含む10000mを泳いだ日、私は生まれて初めて、お腹が空いているのに気持ちが悪くて食べられないということを経験しました。水泳は相手が他人ではなく、常に自分です。自分との闘いに勝てた人だけが、その御褒美(ごほうび)にBest Timeを出すことができるのです。
今から5年半ほど前の2月、水泳の池江璃花子選手は自らの病気を明らかにしました。その時はあたかも悲劇のヒロインのような記事内容でしたが、そのメッセージの中にはひときわ輝く言葉が含まれていました。
「神様は乗り越えられない試練は与えない。」
その後の治療に関する凄まじい闘いと、その闘いの中でも勝ち取ってきた記録は、みなさんもご存知の通りです。かつて4日間で10レースを泳ぎ切り、5冠制覇を果たしてきた池江さん。私はたかが1食を食べられないことでしたが、池江さんは3日間食べられない日もあったそうです。私の何倍も何十倍も何百倍、いや何万倍も闘い続けてこられた方の、言葉は重いです。
失礼ながらみなさんの勉強の量は、池江さんの何分の1でしょうか?それでも池江さんは乗り越えました。勉強をすればするほど、伸びない時期がくるかもしれません。でも、それは神様があなたに与えた試練の一つです。その試練は幾つも襲い掛かってくるかもしれません。その度にへこんでいたら取れるものも逃げていきます。折角の「試練」です。いっそのこと、楽しんでチャレンジしてみませんか?
- 2025年度入試 6月号
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「宝島」や「ジキル博士とハイド氏」などで知られる小説家ロバート・ルイス・スティーブンソン氏は、イギリスのスコットランドに生まれました。生涯を結核と闘いながらも多作で、長編、短編、随筆、評論、旅行記、韻文など多分野に優れた作品を残しています。
そんな彼が残した言葉です。「毎日をその日の収穫高で判断せず、蒔いた種で判断しなさい。」
"Don't judge each day by the harvest you reap but by the seeds that you plant."
よく不作だとか不漁だとかという言葉を聞きます。天候や潮の流れ、災害など我々の身の回りには、いろいろなアクシデントが起こります。
収穫高をテストの点数に、種を普段の勉強に置き換えてみてください。つまり、これって一喜一憂するなと言ってくれているような気がします。自分的には完璧にやっていると思っても、良い結果が出ない時などは誰もがへこんでしまいます。逆に良い結果が出たからといって、遊んでしまえば元の木阿弥(もとのもくあみ)です。テストで一番大事なのは、1回の点数ではありません。その間違えた内容を、二度と間違えなければ、終着駅は100点です。あなたは今日から、どれだけ沢山の種を蒔けますか?
- 2025年度入試 5月号
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今から40年ぐらい前に徹夜をした友人と、大塚駅前の吉野家へ入ったことがあります。店の中には私たち以外にも十数人ぐらいのお客さんがいました。「早い、うまい、安い」と書かれた看板どおり直ぐに温かい牛丼が出てきました。紅生姜を乗せて、口へかき込んだ記憶があります。今では松屋やすき家もありますが、私にとっては老舗の味として忘れられません。そんな吉野家は、実は東洋大学京北中学高等学校(当時は京北尋常中学校)と同じ年にスタートしています。
吉野家の歴代の社長の中で、BSE問題でアメリカ産牛肉は輸入が禁止されて同業他社はオーストラリア産などで牛丼販売を続けた時に、「牧草で育てるオーストラリア産牛にしたら、別のテイストの牛丼になる」とアメリカ産牛肉にこだわり、国内の既存在庫が尽きた2004年2月11日から牛丼の発売を停止したのが安部修仁さんです。安部さんは、東証1部上場企業で正規採用ではなく、パートタイマーやアルバイトから叩き上げで、社長に就任した人物としても有名です。
そんな安部修仁さんの言葉です。「勝つまでやる。だから勝つ。」
諦めなければ可能性がなくなることは、絶対にありません。とことんまで、やっていくしかありません。先は誰にも見えません。だから見えてくるまでやり続けていくのだと思います。自分自身で限界を決めない、不安や心配はどこまで行ってもついてきます。やればやるほど、不安や心配はつきまとってきます。しかし、どれだけ時間が掛かったとしても、いつかは必ずゴールへたどり着きます。夢は見えてくるまで追い続け、実現するものです。実現するまでやり続けた安部さんらしい言葉です。みなさんは、まだ入り口です。出口が見えないように思っているかもしれませんが、ひたすら歩き続ければ、必ず出口が見えてきます。出口のないトンネルなんて、絶対にありませんから。
- 2025年度入試 4月号
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ホームページをご覧いただいているみなさん、こんにちは。
校長の 星野 純一郎 です。
今年度も、目標に向けて日夜頑張っておられる受験生のみなさんへ、エールを送る気持ちを込めてこの「受験生への校長メッセージ」をお届けしていきます。
「努力は、嘘をつかない。」これは読売ジャイアンツの投手であった 桑田 真澄 さんの言葉です。
しかしこれに楯突くかのように言った人がいます。もう8年ぐらい前になるでしょうか?フィギュアスケート男子シングルの2大会連続金メダリスト 羽生 結弦 選手が、リオ五輪終了後のテレビ番組で、「努力はウソをつく、でも無駄にはならない。努力がウソをつかないんだったら、やっぱり練習量を1番している人が毎回、毎回、優勝できるでしょう。オリンピックでも…。どんなに努力している人でも、勝てない時は勝てないんだなと思った。逆に本当に若い選手が勢いで取っちゃうってことも。そういう意味で、努力っていうものはウソをつく。努力の正解を見つけることが大切。」と答えた時に、私はビックリしました。
さてこれから1年間、努力は嘘をつくか、つかないか、あなたが正解を見つけてください。そして1年後に正解を教えてください。みなさんの努力の結果を楽しみにしています。
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