本校ホームページをご覧いただいているみなさん、こんにちは。
校長の星野純一郎と申します。
今年度も、より大きな目標に向けて日夜頑張っておられる受験生のみなさんへ、立派な桜が咲くようにという願いを込めて、この「受験生への校長メッセージ」をお届けしていきます。
桜の花に限らず、満開になった花は、見ている者にとっても大きな力になります。
しかし、花はいつも咲き誇っているわけではありません。その季節に応じて綺麗な色とともに、実も提供してくれることがあります。
今から四半世紀前のシドニーオリンピックで日本女子陸上界初の金メダルをとったQちゃんこと、高橋尚子さんの座右の銘です。高橋さんがまだ無名だった頃、高校陸上部の中澤正仁監督から贈られた言葉をご紹介します。
「何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。」
私も大学生の頃、水泳をやっていて記録が止まってしまった経験があります。練習を始めた頃は、面白いように毎日ベストタイムを更新していました。しかし、ある時ピタッと止まる。合宿直後は、特に顕著でした。もう練習しても伸びないのか?そんな不安に駆られた時があります。
そんな時、私は基本に戻りました。手の掻き、足の動き、呼吸の仕方、姿勢、すべてを基本のスタイルへ戻しました。そして迎えた大会当日。ついにベストタイムを更新することができました。
花や緑は、春や夏だけのためにあるのではありません。寒い冬を越えたからこそ、花や実が結ばれていくのです。スランプがあるからこそ、強くなれる。厳しい冬を乗り越えたからこそ、春が来る。
勉強も同じです。伸びなかったら、基本へ立ち戻ってみてください。きっと新しい、生まれ変わった、あなたが見えてくるはずです。
そして1年後あなたは、Qちゃんと同じ言葉を言うでしょう
「短く、楽しい42.195kmでした!」