Research 東洋学研究所

About

古典の沃野と現代の視座
東洋における諸領域の古典的研究および現代の視座から
東洋文化の本質を解明します。

人間科学総合研究所

概要

理念
東洋学研究所は、本学学祖井上円了博士の「諸学の基礎は哲学にあり」との建学の精神に則り、近代思想・欧米思想の研究との密接な連関の上に立脚しながら、東洋思想の特質を深く研究し、その特質を発揚することによって広く現代の世界文化への積極的貢献をなし得る機構を本学に確立したいとの明確な理念・目的の許に昭和33年設立された、本学の大きな特色となっている研究機関である。爾来40年余を経過し、本研究所に所属する研究者は、各自の専門とする東洋の思想・言語・歴史・美術・文化等の諸研究分野において、それぞれが斯界の水準を常にリードする数多くの研究成果をあげ、本学の東洋学研究の成果を高めてきた。これは本学の教育面においても有効に発揮され、優秀な学徒が求めて本学の東洋研究の諸学科に学び競う、よき伝統が今日なお保持されている。
沿革

1958(昭和33)年6月8日

東洋学研究所設立

1959~1966 年

大学祭を記念して「宗教討論会」を実施し、学外から安津素彦、北森嘉蔵、佐木秋夫、柳田謙十郎、斎藤栄三郎、結城令聞、松本徳明、佐古純一郎、W・P・ウッダート、赤岩栄、中山理々、大野信三、平井直房、小口偉一、柳川啓一などの諸先生を招き、学問の公開を心がけた。

主な討論会のテーマは、

  • 1959年 第1回 「霊魂はあるか・ないか」
  • 1960年 第2回 「宗教と教育」
  • 1961年 第3回 「宗教と平和」
  • 1962年 第4回 「浄土をどう考えるか」
  • 1963年 第5回 「宗教は現代の危機を救いうるか」
  • 1964年 第6回 「国家の近代化と宗教」
  • 1965年 第7回 「宗教は戦争を解決しうるか」
  • 1966年 第8回 「宗教と愛国心」

1961、1964年

欧文紀要Toyo University Asian Studies No. 1, No. 2を発行し、国外の大学、研究機関、ならびに研究者に送付した。主な送付先の研究者は、エジャートン、ラーダー、シュナイダー、ドゥミエヴィユ、フィリオザ、トウッチ、ラモット、ハイラー、グンデルト、フラウワルナー、ラダクリシュナン、N・ダット、ゴーカレー、マララセーケーラーの諸師である。

1961年

1961年より3カ年にわたり、文部省の科学研究費による総合研究「大乗菩薩道の研究」に着手、その成果として、『大乗菩薩道の研究』(平楽寺書店、1968年)を刊行した。

1964年~1965年

文部省より助成金を得て「東洋思想における人間観」をテーマにした研究を行った。この成果は、1965年創刊の和文紀要『東洋学研究』に発表されることになった。

1966年

仏教を中心とした「日本思想交渉史」の研究に着手、その総合研究に対して文部省より助成金を得た。

1976年

1976年4月1日付で改正された研究所規約にもとづき、インド部門、中国部門、日本部門、中央アジア部門の四部門に、それぞれ部門主任をおいて、部門別のゼ ミナールを開摧。その上で、インド、中央アジア、中国、日本を通じて、東洋の思想、宗教、文学、言語等、文化万般に関する研究を、学部、学科の枠内では果たし得ないところの学際的視野をもって総合研究を行うに至る。

それとともに、すでに本研究所所歳のスタイン敦煌コレクションマイクロフィルムのコピー化と、さらにペリオ敦煌コレクション、北京大学図書館所蔵の敦煌文書等の蒐集を企画。とくにペリオコレクションの敦煌文書の蒐集には長年月にわたるたゆまざる努力が重ねられ、その蒐集された文献は1991年4月、『東洋学研究』第25号「敦煌文献目録・スタイン、ペリオ蒐集(漢文文献編)」として公にされた。さらに引き続き1992年には『東洋学研究』第28号「敦煌文献目録 スタイン・ペリオ蒐集 (漢文文献編索引 上巻)」、1993年には『東洋学研究』第29号「敦煌文献目録スタイン・ペリオ蒐集 (漢文文献編索引 下巻)」を刊行した。

1978年

1978年より総合研究「アジアにおける宗教文化に関する総合研究」に着手、その成果を1994年3月刊行の『東洋学研究』31号「総合研究 アジアにおける宗教と文化」に集大成した。上記論文集は単行本として、国書刊行会を通じて広く書店に流布されている。

1990年~1994年

インド・中央アジア・韓国・日本等における民間伝承、民間習俗の調査研究を行い、1992年には、中国河北省より民俗学者を招いて中国民俗学学術講演会を開催、1994年には、中国における仏教および敦煌学の現状について、中国の仏教学・敦煌学の研究者を招いて学術公開講演会を開催した。

  • 1992年7月
    「蘭陵王的伝説及其研究」 李文珊 氏
    「耿村民間故事及其調査」 路継舜 氏
  • 1994年1月
    「仏教學研究在中国」 湛 如 氏
    「中國的敦煌學」 馬 徳 氏

1994年4月~2004年3月

  • 東西宗教文化の比較研究
  • 日本宗教文化の総合的研究

の2テーマのもとに共同研究を施行。

2000年4月~2003年3月

日本私立学校振興・共済事業団の学術研究振興資金による共同研究
「東洋思想における心身観」を遂行。

2004年4月~2007年3月

日本私立学校振興・共済事業団の学術研究振興資金による共同研究
「日本における死への準備教育―死の実存的把握をめざして―」を遂行。

2004年4月~2007年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト
「明治期における近代化と〈東洋的なもの〉」
「東洋思想における個と共同体の関係の探求」を遂行。

2007年4月~2010年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト
「死の物語研究―文学、哲学、ライフヒストリー、ナラティヴ・アプローチ―」
「東洋における聖地信仰の研究:ヒンドゥー教と仏教における聖地巡礼成立の要件」を遂行。

2007年7月~2010年3月

東洋大学学術研究推進センター研究プロジェクト
「東洋における聖地信仰の研究 ーヒンドゥー教と仏教における聖地巡礼成立ー」を遂行。

2007年7月~2008年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト(単年度のプロジェクト)
「現代における老年期の位置づけと生きがいに関する研究―文学・哲学・宗教・社会学からのアプローチ―」を遂行。

2008年7月~2009年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト(単年度のプロジェクト)
「現代老年期の意識像―死後観と苦の克服―」を遂行。

2009年4月~2012年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト
「日本の老年期における死と孤独」を遂行。

2010年4月~2013年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト
「日本における葬送儀礼―異界と現世をめぐる文学・芸能・思想・社会・比較文化の研究―」を遂行。

2011年4月~2014年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト
「東アジアにおける仏教の受容と変容―智の解釈をめぐって―」を遂行。

2012年4月~2013年3月

東洋大学学術研究推進センター研究所プロジェクト
「現代日本における命 ―死の受容を通じての命の考察―」を遂行。

2013年4月~2016年3月

研究所プロジェクト
「仏教思想に見る日本・中国・韓国の共通性と差異」を遂行。

2013年4月~2016年3月

研究所プロジェクト
「日本における先祖観の研究―古来の先祖観とその変容―」を遂行。

2013年4月~2016年3月

研究所プロジェクト
「インドの死生観の研究―聖典・聖地・都市構造にみるインドの死生観―」を遂行。

2014年4月~2017年3月

井上円了記念研究助成:研究所プロジェクト
「日本、モンゴル、インド、中国における共生的精神文化の諸相」を遂行。

2015年4月~2017年3月

井上円了記念研究助成:大型研究特別支援助成研究
「世界の諸地域における仏教の哲学的社会学的研究」を遂行。

2015年4月~2018年3月

井上円了記念研究助成:研究所プロジェクト
「般若経の教理・儀礼・実践の総合的研究」を遂行。

2017年4月~2019年3月

井上円了記念研究助成:大型研究特別支援助成研究
「日本文化の背景となる仏教文化の研究」を遂行。

2017年4月~2020年3月

井上円了記念研究助成:研究所プロジェクト
「東アジアにおける仏教思想の成立と展開、並びにその意義の解明」を遂行。

2019年4月~2021年3月

井上円了記念研究助成:研究所プロジェクト
「初期大乗仏教の成立と展開―テクスト・言葉・思想―」を遂行。

2021年4月~

井上円了記念研究助成:研究所プロジェクト
「西洋思想の受容と日本思想の展開 ーキリシタン時代と明治期以降ー」を遂行中。(3年計画)

2021年4月~

井上円了記念研究助成:研究所プロジェクト
「外国人研究者との連携による東アジア仏教の歴史と思想の解明」を遂行中。(3年計画)

活動内容

紀要

残部に余裕のある号につきましては、頒布いたしたく存じます。

※紀要をご希望の方は、下記メールにてご連絡ください。送料につきましては、冊数によります。

問い合わせ先:東洋大学東洋学研究所(toyogaku@toyo.jp)