井上円了記念博物館の一般見学を実施しました

 

 

 2022年6月24日(金)、7月1日(金)、7月8日(金)、7月15日(金)、7月27日(水)に午前の部(11:00~12:30)と午後の部(14:30~16:00)の計10回にて、井上円了記念博物館の一般公開を実施しました。新型コロナウイルスの感染防止のため、一般の方が自由に入構できない状況ですが、期間と人数を限定して一般見学会を募集し、41名の参加がありました。

 見学会は、博物館の北田学芸員によるスライドトーク(約60分)を井上円了哲学センター事務室内にて行なった後、井上円了記念博物館に移動し、展示物を見学しながらのギャラリートーク(約30分)を行ないました。こうした博物館トークイベントは初めての試みでしたが、参加者の皆さんは説明に熱心に耳を傾け、学芸員に質問や館内の貴重な展示物を写真撮影するなど、大変ご好評をいただきました。

 

<参加者からの主なご感想(一部抜粋)>

・新型コロナウイルスの影響で一般公開されていなかったので、参加できて良かったです。井上円了氏の生い立ちや性格、大学創設までの流れを知り、使っていたものなどが見れて、とても有意義な時間になりました!当時(明治時代)で世界一周旅行を3回もしていることに驚きました。個人的にすごいと思ったのは、囲碁や将棋を元にしたオリジナルのゲームを発案していたことです。北田健二学芸員も仰っていましたが、とてもユーモアあふれる人だったんだと実感しました。また機会があれば見学に行きたいと思います。

・井上円了の存在を最近知り哲学者である事以外の知識がなかったのですが、今回の座学形式で一連のヒストリーをご説明頂いた内容が彼の人柄や能力、抱いている志など細やかに表現されたトークで人物像が非常にイメージしやすく、今回を機に魅力的な人物を新たに知るきっかけとなりました。その後に実物の展示品を見学する流れもより知識を深めるものとなりました。特に私も妖怪が好きなので、親近感がわきました。

・非常に細かく説明して頂いて井上円了さんへの愛が伝わり得した気分になった。1時間程度にまとめた方が良いかもしれない。展示物入れ替え時にはまた訪問したい。有難うございました。

・今回は、学芸員から説明があったので、深く知ることができました。肖像画が岡田三郎助、四聖人が橋本雅邦と知り、驚きました。ぜひ、公開してください。トーク内容も盛り沢山でよかった。

・予備知識が「東洋大学の創立者」「妖怪の研究者」のみで名古屋から参加させていただきました。正直、自分みたいなものが参加しても大丈夫かな?場違いかな?と少々心配しながらの参加でした。実際に参加してみると説明は、難しい専門用語などもなく、とてもわかりやすかったです。また、展示室では大変貴重な資料を見ることができたのも良い思い出になりました。展示物も分かり易くパネルと時系列で説明がしてあったので、よかったです。

・恥ずかしながら井上円了先生の事全く何一つ知らなかったです。とても優秀でお茶目な方だったのですね。大好きになりました。東洋大の学生達に入学してすぐに北田さんが講義してくれたら自分の大学にもっと誇りを持つ事ができるのではないでしょうか?遠い昔過ぎて忘れてしまったけど私達の時代に井上円了先生について話してもらう機会ってあったのでしょうか?若くて興味なかったから覚えてないのかな?井上円了先生への愛が止まらないって感じの北田さんの熱いトーク面白かったです。中野区にある公園?とか井上円了先生を偲ぶ場所ツアーみたいなのを北田さんの解説付きで企画してくれたら是非参加したい(笑)。展示内容については博物館等と比べると規模は小さいですが井上円了先生のお人柄のわかるポイントを掴んだ展示だと思います。

・ウクライナのセルゲイ・コルスンスキー大使が記念博物館を訪問されたことを氏の公式アカウントで拝見し、一般公開の再開を心待ちにしていた次第です。北田健二先生の熱心なスライド講義、豊富な資料、写真撮影や質疑応答など、予想を遥かに超えて充実した内容で、大変素晴らしいひとときを過ごさせていただきました。この場をお借りして、大変丁寧に接してくださいました学芸員の皆様に心より感謝申し上げます。特に心に残ったのは、ざっと表面的に文献を眺めただけでは分からなかったであろう円了先生の為人の部分でしょうか。「若かりし頃に記した漢詩や文は、いずれ立身出世した際に後世の人々の目に留まる。それを見越して書いたものではないか」といった洞察や、「いくら資料をあたっても絵はおろか落書き一つ発見できない」といった指摘は、長く専門に研究されている方ならではの活きた知見に溢れており、雨の中足を運んだ甲斐があったとしみじみ感じ入りました。ロビー展示は無駄なくスッキリまとまっていて、一般の人々に興味を持ってもらいたいという熱意を感じます。また常設展の収蔵品の素晴らしさはもちろんですが、餓鬼とお団子を組み合わせた立体的なディスプレイなど、来場者に対する細かな気配りとサービスにも好感を持ちました。総じてスタッフの皆様の「いかにせば円了先生の面白さが伝わるか」という熱意に溢れていて、なによりその探究心と熱気が心地良かったです。いかにして衆生を救わんかと悩まれた親鸞上人。いかにして人々の意識を近代化するかと智慧を搾られた円了先生。その流れを受けて、今現在も東洋大学の皆さまが彼らに負けぬ熱量で人々に働きかけていらっしゃる。そのことが、今回の見学会を通じてとてもよく理解できたように思います。

 

"

SHARE