〔産学連携〕学生チームが資生堂開放特許を用いた化粧品を開発しました

国際学部北脇秀敏教授研究室、生命科学部三浦健准教授研究室に所属する学生有志による、SDGsに関連した大学公認の学生団体「TOYO SDGs Students Project ~SUGOMORI BOISEN Project~」は、学生の視点から考える化粧品を企画し、株式会社シーエスラボ*と開発・生産を進め、2022年3月に試作品としてハンドセラム「BOISEN」を開発しました。

この試作品の開発・生産にあたっては、環境関連技術におけるイノベーションと普及を促進するための国際的な枠組みである「WIPO GREEN」のデータベースに掲載された株式会社資生堂(以下、資生堂という。)の特許のライセンスを受けて実現したもので、2022年度も製品のさらなる向上を目指して開発を進めていくことにしています。

*株式会社シーエスラボは、板倉キャンパス近傍の群馬県館林市に本工場を構える化粧品OEM企業です。

資生堂に開発を報告しました

2022年3月9日、ライセンス提供元の資生堂へ、開発チームがこれまでの取り組みを報告するとともに、試作品を贈呈しました。
資生堂から、一連の取り組みに対し高い評価をいただき、「次のフェーズでもぜひ頑張ってほしい」とのコメントがありました。

資生堂への報告会
左から、資生堂技術知財部 木村部長、開発チーム(中村さん、北脇教授)

開発チーム「TOYO SDGs Students Project ~SUGOMORI BOISEN Project~」のコメント

私は本活動を通して「作りたい物と売れる物はイコールではない」と製品の企画を行う際に学びました。それからは「どんな狙いがあってこの製品が完成したのか」という視点が増え、化粧品のCMや店舗の製品を今までとは違う目線で見られるようになりました。日常の中から「これは製品に活かせるかもしれない」というアイデアを発見する機会も増えたので、自分の中に新しいアンテナが立ったと感じます。貴重な経験ができ、自分の成長にもつながったので良かったです。(中村聡太さん/生命科学部4年)

高校生の時から化粧品や美容に興味があり、将来的にも人々に美を提供する仕事がしたいと思っていたため、大学生という身でこのような貴重な体験をさせていただけるなんて夢のような話でした。商品企画自体、初体験だったため苦戦することが多く、どうしたら手に取ってもらえるか、他商品と差をつけるにはどうすべきか、試行錯誤を繰り返し、なんとか試作品を完成させることが出来ました。私達が普段使用する商品も多くの方々の苦労や想いがいかに詰まったものかということを生産者の立場になり、初めて知ることが出来ました。私達が作った商品を手に取った方の喜ぶ姿を想像し、多くの人々の求める美しさを実現するためのサポートが出来る楽しさを学びました。(相澤真帆さん/国際学部4年)

ハンドセラム「BOISEN」について

2021年度開発品
今回試作開発したハンドセラム「BOISEN」

試作開発にあたって、新型コロナウイルス感染予防のため、手洗いや手指消毒の徹底が求められています。その影響により手荒れに悩む人が多くなっているといいます。同時に、外出を控え自宅で過ごす時間が増えることにより、「美」に関する意識が高くなり「巣ごもりエステ」という言葉も流行しました。学生チームはこの点に注目し、「普段のケアよりもワンランク上のハンドケア製品」を企画しました。コロナ禍の状況において、生活のなかにちょっとした「ご褒美」を用意するとともに、日常にスペシャルケアを取り入れることにより、手だけでなく生活にも潤いを与える機会として製品を提案しました。

名前の由来

「BOISEN」はBeauty/Original/Immediately/SDGs/Environment/Naturalという環境と美容に関するキーワードから構成されています。現在、地球温暖化による環境問題が地球全体の課題として取り上げられていることは言うまでもありません。資生堂のライセンスを活用しながらSDGsの目標達成のために私たちができる身近なことは何か?を考えた結果、環境にやさしい化粧品を製作することになりました。また、生命科学部三浦研究室で研究している群馬県館林市の名産品「ボイセンベリー(boysenberry)」から抽出したエキスも使用することになったことからこの名前にちなみ、ボイセン(BOISEN/ローマ字表記)としました。

SDGsへの貢献

  • 製造工程におけるエネルギー、原料の削減を目指しました。
  • ボトルキャップにアルミキャップを採用しました。
  • 再生PETを使用したラベルを採用しました。
  • フィルム材質の使用量を減らすためにクラフト紙を使用したチャック袋を採用しました。
  • 群馬県館林市の名産品「ボイセンベリー」を使用することで地域活性化、魅力発信に繋がります。

SDGs11

ハンドセラム「BOISEN」の効果・特徴

ボイセンベリーには美容成分が多く含まれていることが確認されています。このボイセンベリーから抽出したエキスとともに、保湿効果のある「ヒアルロン酸」「エラスチン」、皮膚コンディショニング成分である「ローヤルゼリーエキス」「サクラエキス」「ツボクサ葉エキス」を加えました。
また、コロナ禍によるデスクワーク・リモートワークが増えており、使用後の「ベタつき感」を軽減するために粘度を低くし、広がりやすいテクスチャにすることで時間が経過してもしっかりと潤いが残るような工夫をしました。

SDGsの目標

  • 07.エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 11.住み続けられるまちづくりを
  • 12.つくる責任、つかう責任
  • 13.気候変動に具体的な対策を
  • 15.陸の豊かさも守ろう
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

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