理工学研究科 応用化学専攻の森本実咲さん、佐々木俊輔さん(井坂研究室)および都市環境デザイン専攻の兼目隼和さんの計3名が、日本水処理生物学会第61回大会において『ベストプレゼンテーション賞』を受賞しました。

日本水処理生物学会第61回大会(川越大会)が2025年11月14日から3日間、東洋大学川越キャンパスで開催され、研究発表が行われました。推薦を受けた学生23名による発表が行われ7名がベストプレゼンテーション賞を受賞しました。
日本水処理生物学会では、学生の研究に対する意識の向上と発展に期待し、ベストプレゼンテーション賞を設けております。
理工学研究科 応用化学専攻 森本実咲さん (井坂研究室)
『発表題目:低pH条件下で連続培養した硝化系における硝化特性と微生物叢の評価』
発表内容:
窒素成分による水質汚染は、湖沼や内湾等において、アオコや赤潮の異常発生の一因となっており、汚染源であるアンモニア排水の適切な処理が必要です。
従来、アンモニアを亜硝酸に酸化するアンモニア酸化細菌と、亜硝酸を硝酸に酸化する亜硝酸酸化細菌の2つの細菌(反応)が必要とされていました。
近年、アンモニアを硝酸まで、1つの細菌で酸化できるコマモックス細菌が発見され、その活用方法が検討されています。しかしながら、安定的な培養方法が確立されていませんでした。

<受賞者の森本実咲さん>
今回、特定のpH条件で、長期間に渡り連続培養することで、このコマモックス細菌の集積培養に成功し、排水処理へ活用するための重要な知見を報告しました。
理工学研究科 応用化学専攻 佐々木 俊輔さん (井坂研究室)

<受賞者の佐々木俊輔さん>
『発表題目:Cu(Ⅱ), Ni(Ⅱ)制限が一槽型アナモックスプロセスへ及ぼす影響』
発表内容:
窒素排水の処理では、アンモニアを酸化するために多大な曝気動力(電力)を利用しており、曝気量を削減した省エネルギー型の排水処理方法の開発求められています。
近年、窒素処理に関わる消費エネルギーを半減できる“アナモックス細菌を利用した排水処理技術”の開発が進められています。このアナモックス細菌を安定的に利用するためには、アナモックス細菌が必要とする微量金属を供給する必要があります。
本研究では、排水中に含まれる銅(Cu)やニッケル(Ni)濃度が不足すると、処理性能にどのような影響を与えるか、評価したもので、特にCuが不足すると処理性能が大幅に低下することを明らかにしました。
理工学研究科 都市環境デザイン専攻 兼目隼和さん (山崎研究室)
発表タイトル:
環境中に放出される浄化槽処理後排水に残存する溶存態GHGs排出量の精緻化と削減技術の開発

<授賞式の兼目隼和さん>