文学部史学科・岩下哲典教授が大河ドラマの時代考証を担当することになりました

東洋大学人間科学総合研究所所長で文学部史学科の岩下哲典教授が、2027年1月から放送予定の大河ドラマ「逆賊の幕臣」(NHK)において、時代考証を担当することになりました。

大河ドラマ第66作となる本作品は、“勝海舟のライバル”と言われた幕臣・小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただまさ)をとりあげるようです。日本初の遣米使節となって新時代の文明を体感し、新しい国のかたちをデザインした小栗。江戸幕府の有能な官僚だが、明治新政府に「逆賊」とされ歴史の闇に葬られた忘れられた歴史の“敗者”。そうした幕臣の知られざる活躍を描いた内容です。(NHK公式サイトより要約)

【関連サイト】
NHK公式サイト:2027年 大河ドラマ「逆賊の幕臣」主人公・小栗忠順役は松坂桃李さん!
NHK公式サイト:2027年 大河ドラマ「逆賊の幕臣」新たな出演者発表 第2弾!

岩下哲典教授のコメント

東洋大学文学部史学科岩下哲典教授

大河ドラマは、幼少期から見ていました。
記憶にあるのは、加藤剛主演で、平将門の生涯を描いた「風と雲と虹と」や市川染五郎主演のルソン助左衛門の「黄金の日々」あたりです。もちろん、両作品の間の「花神」(中村梅之助主演・大村益次郎)も実に面白かったです。
ただ、史学科の学生になってからは、ドラマや小説から少し遠ざかっていました。史料を読むとき、作家の想像力にひかれてしまうのはよくないと先輩に言われたからです。しかし、25年くらい前に「浦安歴史の会」という、大河ドラマの関連本を読む読書会の講師を依頼され、まるまる20年間、ほぼ毎年毎週大河ドラマを見続けました。特に自分の研究対象である、近世・近代史(幕末維新史)を取り上げた大河は、けっこう厳しい目で見ていたと思います。
今回、2027年1月から放映の松坂桃李主演、小栗上野介の悲劇を描く「逆賊の幕臣」の時代考証のお話をいただき、はじめはずいぶん迷いました。自分がかかわることになる大河ドラマが、他の方がたから厳しい目で見られることに耐えられるかどうか。このまま、視聴者側にいた方が良いのではないかと。
しかし、今まで、なんだか痒いとこに手が届かない、そんな思いをしていたので、制作者側に立ったら、もしかしたら違う景色が見えるかもしれない、そう思い、飛び込むことにしました。放映まではなかなか長丁場ですし、お話しできないこともあるようです。できるだけ健康に留意して、皆様の記憶に残る、良い番組作りに少しでも貢献できたらと思っています。2027年1月からの放送を是非ご覧ください。
そうして時代考証で得た知見を教育・研究に活かしていければと思います。

岩下哲典教授 プロフィール(東洋大学公式サイト)

 

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