2024年1月19日(金)、ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア特命全権大使およびダヴィド・ゴギナシュヴィリ在日ジョージア大使館専門分析員をお招きし、井上円了ホールで講演会を開催しました。本講演会は、ジョージアのトビリシ自由大学と国際交流協定を締結したことを記念して企画されたもので、学内外から約180名が聴講されました。
講演会前半はレジャバ大使より、自己紹介および外交官という仕事についてユーモアを交えながらお話しいただきました。「大使という仕事のいいところは、好きな分野に携わることができること」と語る大使の仕事は多岐にわたり、国賓対応やウクライナ支持などの政治的な発信から、キウイフルーツの輸入の貿易の支援などの経済活動、日本企業とのコラボレーションやご著書の出版まで幅広くご活動なさっています。
幼少期より日本での生活が長かった大使は、多感な中学・高校時代にご自身のアイデンティティについて深く考えるようになり、自分は何者なのか探りたいと高校2年でジョージアへ赴き、暮らす中で改めてご自身のジョージア人としてのアイデンティティを確信されたそうです。
大使からの「何でもどうぞ」というサービス精神旺盛な質疑応答では、学内外問わず手が挙がり、「ジョージアで日本の調味料が受け容れられるかどうかの研究をしているが、日本の調味料についてどう思うか」との質問には、「醤油は多くの国で大ヒットした万能調味料でありながら、日本的なもの。ジョージアワインと和食は同時期にユネスコ無形文化遺産に登録されていることもあるし、相性のよい組み合わせだと思う。」と述べられました。
後半はゴギナシュヴィリ分析員より、豊富な写真やデータを参照しながら産出資源やGDP、特に発祥の地とされるワインをはじめとする食文化やスポーツなど、様々な観点でジョージアの魅力を紹介されました。
ゴギナシュヴィリ氏は、日本とジョージアの関係史の研究を進める中、100年前の日本の外交資料で「ジョルジア」との記載を発見したそうで、グルジアと呼ばれる前の国名にまつわる秘話も伺うことができました。
講演後は、ジョージアに興味のある参加者からのバラエティーに富んだ質問にも1つ1つ真摯にご対応くださり、「多文化共生のために大事なことは?」との質問に対して「恐怖心が人を変えてしまうので、怖がらないことです。」とおっしゃっていたのが印象的でした。