2023年度秋学期 井上円了と哲学堂公園をめぐるスタディツアー/ガイドツアー報告

井上円了と哲学堂公園をめぐるスタディツアー/ガイドツアー報告

本学の創立者井上円了は晩年の13 年をかけて、当時和田山と言われていた土地に「哲学堂」を創設しました。これが現在の中野区立哲学堂公園であり、哲学をテーマにした世界で唯一の公園で、「国の名勝」にも指定されています。
 井上円了哲学センターでは、本学学生への自校教育支援の一環として、哲学堂公園を題材に円了先生の思想と行動とを体感的に学ぶことのできる機会としてスタディツアーを年4回(春学期2日間、秋学期2日間)開催しています。また、人数を限定し、哲学堂公園をより深く学びたい学生向けのミニ講義・ガイド付きツアーも実施しています。
このツアーは普段は公開されていない中野区有形文化財の古建築物(四聖堂、六賢台、絶対城、宇宙館、無尽蔵)の内部が一般公開される期間に実施しており、今回も多くの学生が井上円了や公園に関心をもって参加しました。

スタディツアーは、公園内を自由に散策する形式のため、ガイドブックを無償配付し、本学メディアコミュニケーション学科の映像制作課外活動「白山インターネットTVステーション(HiTS)」プロジェクトで作成した「哲学堂七十七場紹介」の映像ガイダンスの活用を促しました。
ガイドツアーは、哲学堂公園のパーククラブの方による公園ガイド(1時間)や、当センター研究員によるミニ講義+公園ガイド(2時間)を実施し、公園が創設された経緯やユーモアあふれる建造物について、詳しい説明が行われました。
このツアーをきっかけにして、井上円了の思想や人物そのものについての関心が高まり、新たな発見や気づきに繋がっていることが参加者アンケートからも伝わってきました。今後も自校教育につながる重要なツールとしてスタディツアーとガイドツアーを実施していく予定です。

日程

2023年10月7日(土)/14日(土) 11:00〜15:00

参加者数

合計86名〔38名(10/7)/48名(10/14)〕

参加者アンケート(抜粋)

■授業中では分からないような歴史や、建造物に込められた意味などを詳しく知ることが出来て、とてもいい時間になりました。
■自分で回るよりも解説が入ることでより理解して哲学堂を回ることが出来ました。また井上円了の知らない点についても知れたので学びになりました。
■公園や建物の様々なところに工夫や遊び心が散りばめられていてとても面白かった。当初は自由散策の予定だったが、これらの点はガイドツアーでなければ分からなかったと思うので参加して良かった。
■建物や景観の命名が哲学と結びついており、園内に入ると哲学的な雰囲気に包まれます。東洋大学の創始者である哲学者、井上元了先生は、繁華街の中で哲学とともに生きる場所を与えてくれました。
■井上円了にまつわる様々な建築物などがあり、実際に見に行くことでより円了がどのような影響を与え、どのような物を遺したのかを理解することが出来た。入学してから今までは円了について話を聞く機会はあったけれど、実際に円了に関するものに触れることで更に円了への学びを深められた。また、公園自体はとても自然が多く、鳥のさえずりも聞こえてきてとても居心地の良さを感じた。
■想像していた以上に、歴史的な建物が多く、井上円了が日本に与える影響がどれだけ大きかったかを実感しました。
■前回は1人で来ましたが友人に誘われもう一度来ました。1人で来た時よりも話しながら園内を回るのは楽しく、1人で考えることはもちろん他者と意見を交換し考えることもまた哲学の方法であるかと思いました。大変良い時間を過ごすことができました。
■長谷川先生の解説で、七十七箇所それぞれを興味深く見学でき、楽しかったです。何も知らずに行っても、魅力は味わえなかったと思います。ここを知らずに卒業してしまうのは、もったいないことだと思いました。
■円了先生が考える哲学についてより一層理解することができたが、一度だけ回っただけでは先生が考える哲学を完ぺきに理解することができないと思い、このツアーの後に何回も散策する必要があると思った。

哲学堂公園ツアーの様子

円了2

円了3

円了1

円了4

SHARE