【著作紹介】EUの規範とパワー

[2021年7月更新]

EUの規範とパワー

著者:市川 顕(国際地域学部グローバル・イノベーション学科 教授) 【共編著】
出版社:中央経済社
出版年:2021年3月発行
ISBN:9784502374012
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内容:
難民危機、英国のEU離脱など実在的危機が顕著になっているEUの今を多様な視点から究明。

執筆箇所:
第5章 EUエネルギー同盟の政治過程における気候変動規範の強靭性と脆弱性 pp.87-106

 

教員メッセージ

EUの政治と政策を読み解くのは簡単ではありません。EUは欧州委員会を中心に、時にリアリズムの論理で、時にリベラリズムの論理で、そして時にコンストラクティビズムの論理で動くことがあります。
本書では、EUが行使するパワーの側面と、EUが提唱し誘導する規範の側面に焦点を当て、各分野の第一人者の執筆陣に「EUの規範とパワー」について読み解いていただきました。
コロナ禍にあって、EUはその復興に際して、デジタル改革とグリーン・リカバリー(環境産業の発展とパリ協定の達成)を掲げています。
これは、パワーの側面から見るとどのように理解でき、規範の側面から見るとどのように理解できるのでしょうか。
本書を紐解くことで、EUに関心のある本学学生の皆様のEU理解が進むことを期待しています。

[著者] 市川 顕(イチカワ アキラ)

市川顕先生

21世紀は環境の世紀といわれます。そして、持続可能な社会の構築は、現在の政治・経済・社会体制にとって大きな挑戦となっています。
そこで求められていることは、
(1)世代を超えた公平の達成
(2)自然環境をコストとして内部化した市場経済の達成
(3)自然に権利を与える法体系の達成
(4)グローバルから個人にいたるまでの多層にわたる環境改善への挑戦
(5)国際機関、国家から個人にいたるまでの多様なアクターの協働の達成
(6)他部門政策における環境配慮の統合の達成
でしょう。
私の研究活動においては、多層・多様なアクターによる持続可能な社会の構築に向けた環境ガバナンスを鍵概念として、アクター間、多層間、学問分野間のコミュニケーションの態様を示し、持続可能な社会に向けた取り組みを把握することを目標としています。

関連リンク

東洋大学研究者情報データベース(市川顕教授)
グローバル・イノベーション学科 市川顕 准教授のコメントがフィナンシャル・タイムズに掲載されました
GIC Discussion Paper