先導的留学生スカラー 第1期生
ダン ノック フェン チさん
国際学研究科 グローバル・イノベーション学専攻 修士課程
ガンボルド ナムーンさん
国際観光学研究科 国際観光学専攻 博士前期課程
ホン ジョンヨン(洪 政延)さん
理工学研究科 建築学専攻 博士前期課程
シドコフ マクシムさん
総合情報学研究科 総合情報学専攻 博士前期課程
※東洋大学大学院先導的留学生スカラシップは、優秀な外国人留学生を博士前期または修士課程段階から戦略的に獲得し、本学大学院のグローバル化を推進することを目的として 2023 年度に創設された制度です。本制度では、認定された学生に対し、研究を中心とした在学中の諸活動を支援しております。
Q1.大学院に進学しようと思ったきっかけは?
ダン
東洋大学大学院は環境や先生が良く、アクセスが便利、授業科目もたくさんあった事から選びました。大学院に行こうと思ったのは、みなさんが親切で環境も素晴らしく、ここでもっと学びたいと思ったからです。実は、学部を卒業してからイタリアに2、3ヶ月ほど行ったのですが、日本の方がいいなと思い、戻ってきました。
ガンボルド
出身はモンゴルですが、大学は台湾の大学に進みました。卒業後はモンゴルで働いていましたが、新型コロナが収まった頃、日本の観光業界の成長を見て、日本に行きたいと思いました。そこで英語で学べる大学院を探したところ、東洋大学の国際観光学研究科があり、奨学金の制度があることからも、東洋大学に行く事を決めました。
ホン
私は学部の時から東洋大学におり、その頃から建物の構造を勉強したいと思っていました。しかし研究室では1年半くらいしか研究ができないため、少し早めに教授に連絡を取り、早期配属という形で2年生の終わりには研究室に入りました。しかし、それでも研究期間が短いと思い、大学院に進むことにしました。
マクシム
大学院進学を選んだのは、専門知識を深めると同時に、大好きな研究に専念できる環境があると考えたからです。特に日本という国にずっと惹かれていた私にとって、日本で学ぶことは、他では得られないような貴重な機会となると思ったからです。
Q2.研究について伺えますか?
ダン
ベトナムにおける政治の不正行為を是正するための研究をしています。母国のベトナムでは政治汚職が多く、若者たちが政治家として働きたくないと言っています。そこで汚職に反対するキャンペーンなどを行い、若い人たちに政治に興味を持ってもらい、いずれは政治家にもなってほしいと思っています。研究を志したのは、大学1年生の時、ベトナムで経済や政治のルールが大きく変わった事がきっかけです。
ガンボルド
私の研究のテーマはコミュニティ・ベースド・ツーリズム(CBT)という、持続可能な観光の形です。私はモンゴル出身ですが、大学院に入る前、モンゴルに観光で来てくれる外国人が増えました。そこで日本で学び、成果をモンゴルに持ち帰ろうと思ったところ、この観光タイプ(CBT)が一番近いテーマだったのです。ゼミの先生と相談し、似ている環境を2ヶ所選んで、比較研究をすることになりました。1つはモンゴルのゴビ砂漠、もう1つは富山県の上市町というところです。どちらも山が多く、仏教の文化があります。2年生の時には、上市町の役場で働ける2週間のインターンシップがあったので、参加しました。そこでは地域おこしチームに入り、観光協会の人たちと上市町の魅力を高める提案を行いました。
※日本エコツーリズム協会会報誌にて紹介されました。
ホン
日本の伝統的な木造建築物の構造について研究しています。中でも社寺建築の柱の上に設けられている「斗栱(ときょう)」という組み物がテーマです。日本の社寺建築は屋根が重く、地震が来た時に動きやすいのが特徴です。そこで斗栱はいわば「ダンパー」のような役割を果たし、揺れを吸収・軽減する重要な構造です。斗栱は複数の木材を段々に組み合わせているため、地震が来た時に木材同士がずれていきます。そこで、私は木材の表面摩擦に着目し、その特性に関する研究をしました。
修士課程では、お寺から300年前の斗栱をお借りすることができました。現物を見ると木材同士に隙間があることが分かりました。この隙間が構造の動きにどのような影響を与えるのかに着目し、1ミリ、2ミリ、3ミリと隙間を変えた挙動を検証しています。また、木材の代わりに3Dプリンタで新しい材料を出力し、本物の木材に近い出力条件を探りながら研究を進めています。
マクシム
私の研究は、「XIゲーム」と呼ばれている新しい研究分野の入門的な位置付けにあたるものです。X I(拡張知能)は、人工知能(AI)と対比して捉えられる概念で、AIが人間の作業を代替することを目的とするのに対し、XIは人間の成長や能力の向上を支援することを目指しています。
私はこのXIの考え方をビデオゲームに応用し、その可能性を探っています。具体的には、プレーヤーの創造性を引き出し、ゲームへの理解を深めることができるゲームのあり方について研究しています。この研究を通じて、プレーヤーと開発者の双方の成長を促す新しいビデオゲーム設計の手法の確立に貢献したいと考えています。
Q3.先導的スカラーとして、どんな貢献をしてきましたか?
ダン
横江先生のクラスで、大学院1年生の相談を行いました。留学生にもわかるよう、やさしい日本語で文章を書いたり、日本語の資料を準備したりしました。また、2024年に白山キャンパスで行われた、社会政治学会にスタッフとして参加し、イベントや書類の準備を行いました。
ガンボルド
私はTAとして活動し、担当教員の授業で毎週3時間ほど、クラス運営のサポートを行なってきました。そのほかにも、白山キャンパスの留学生同士が交流するイベントへの参加や、キャンパスの近くにある高校を訪問し、母国モンゴルの料理や文化について紹介する活動も行いました。また、母校の高校が主催したイベントにオンラインで参加し、日本の大学への進学を希望する生徒に向けて、私の留学体験を説明しました。
ホン
「建築の形態とちから」という、構造力学を1から学ぶ授業でTAを務めました。たくさんの問題を解く授業なので、巡回しながら学生からの質問に対応したり、授業後に相談に乗ったり、採点業務などを行なったりしました。建築学科の新入生向けの茶話会や、オープンキャンパスのスタッフもしています。昨年は建築学科のあるフィリピンの大学から東洋大学への見学依頼があり、日本の建築学科における研究の進め方などについて通訳を担当しました。その際に、現地の学生と意見交換を行い、コミュニケーションを図りました。
マクシム
TAとしていろいろな先生のお手伝いをし、学部生の指導にも携わってきました。英語学習サポートルームで学生のスキルアップのために英語学習を支えたり、国際交流イベントやボランティアに参加したりと、活動しています。一部の授業ではゲストスピーカーとして呼んでいただくなど、多方面から大学の活性化に寄与しました。
Q4.東洋大学の大学院で良かったことや、在学生へのアドバイスを。
ダン
できるだけ早くスタートし、将来を探し始める事です。何の仕事をしたいのか?どのような場所に行きたいのか?先輩や先生からアドバイスを貰い、環境やロケーションを調べ、多くの人と話し、彼らの経験を学んでください。東洋大学のグローバル・イノベーション学専攻には沢山の教員がいて、外国人の先生も多く、授業も充実しています。この部門に関する勉強なら何でもできるでしょう。先生たちは多くの経験や、将来の仕事における重要な知識を持っています。良い大学院でした。
ガンボルド
「なぜ大学院に進みたいのか?」を自分の中でしっかり考えた上で、この道を選んでほしいと思います。何をするのかが分からないから大学院で決めようとする人もいますが、情熱がなければ授業を受けても楽しくありません。色々な道がある中でこの道を選んだ理由をしっかり考えることが大事です。
東洋の大学院ではアカデミックの先生だけでなく、JTBなど大きな旅行会社で働いていた先生もいるので、両方から学ぶことができます。授業だけではなく、先生たちの経験から色んなアドバイスをもらえた事が、とても勉強になりました。
ホン
自分から行動しましょう。とりあえずやってみることです。私も最初は分からない事や不安がありました。しかし積極的に先生や周囲の人と相談し、常に新しいことに挑戦する姿勢を持って行動しました。そこから学びや出会いもたくさん生まれたので、ぜひやってほしいと思います。
東洋大学は他の大学と比べても外国人への支援がしっかりしています。私も学部の時は学費の免除を受けていました。それ以外の制度も沢山あるので、大学院に興味がある人には良い機会だと思います。
マクシム
東洋大学の大学院で学べて良かった点は、経験豊かな教授陣から直接指導を受けられ、素晴らしい研究設備や資料を活用できたことです。教授陣の柔軟でオープンな考え方や、協力的な学問の場があったおかげで、知識面だけでなく専門家としても成長することができました。
在学生へのアドバイスとしては、大学からのリソースや支援制度を最大限に活用し、教員や仲間とのつながりを大切に築いていくことをおすすめします。
掲載されている内容は2026年3月現在のものです。
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