Q.大学院に進学しようと思った動機や経緯についてご記入ください。
A.大学院進学は大学入学当初から頭の片隅にはありました。もともと生物が好きで生命科学部に入学しました。大学の授業で微生物学の基礎・応用を学び、微生物について研究してみたいと思うようになりました。その中でも、特に極限環境微生物について興味を持ちました。研究室配属後、学会に参加したり、自身の研究を進めたりしていく中で、極限環境微生物についてより深く知り、自身の研究をさらに発展していきたいと考え、大学院進学を決めました。
Q.大学院進学にあたり、誰かに相談しましたか。また、周囲の反応はどのようでしたか。
A.博士前期課程への進学は、特に誰かに相談することなく決めました。大学院進学する友人も多く、一緒に頑張ろうという感じでした。 博士後期課程への進学は、かなり迷っていたので指導教員だけでなく、家族や友人にたくさん相談しました。進学費用などのお金や卒業後の進路など色々心配なことも多かったですが、後悔したくないと思い、博士後期課程に進学することを決めました。親や友人からも応援していただきました。
Q.東洋大学を選んだ理由や選ぶにあたって重視した点があればご記入ください。
A.大学院進学を東洋大学に選んだ理由は、自分の研究を続けていきたいと思ったことと、自分の研究に関しての指導教員として鳴海先生が最適だと思ったからです。大学院を選ぶ上で大事なのは、自分がやりたい研究がそこで行われていることだと思います。自分のやりたい研究をしっかり理解し、進学するべき大学院を決めることが重要だと思います。
Q.入学してから感じた本大学院の魅力や研究室の仲間とのエピソードなどをご記入ください。
A.東洋大学は研究設備が非常に整っていると思います。また、学会発表や研究費などの支援も豊富で、研究活動だけでなく、アウトリーチ活動も盛んに行うことができます。
Q.研究の大変さなどについてご記入ください。
A.大学院生活の中で大変なことはたくさんあります。丸一日実験に費やす日は集中力を維持するのは大変です。実験の予定を立てる時、どうしても土日も実験しなければいけない時もあります。毎回実験が上手くいくわけでもありません。解決に向けて調べたり、考えたりするのは大変ですが、解決できたときは達成感もあります。
Q.研究が煮詰まったときは気分転換にどんなことをしていますか。
A.研究が煮詰まった時は散歩をするようにしています。ずっと座ったままだったり、デスクで作業してばかりだと、頭も働かないので気分転換に体を動かすようにしています。散歩は景色を見ながら歩くので、頭の中がスッキリします。
Q.学位論文の内容や受講している授業についてご記入ください。
A.私の研究は極限環境微生物の中でも放射線に耐性を持つ微生物(放射線抵抗生細菌)の研究をしています。私は放射線抵抗生細菌デイノコッカス属が持つ特有のタンパク質であるPprIの機能を完全解明に向けて研究しています。PprIがどのようにして活性化状態になるのかまだ詳細はわかっていません。活性化状態になる条件の詳細がわかれば、放射線耐性についてより理解が深まります。
Q.研究する中での指導教員とのエピソードなどがあればご記入ください。
A.指導教員の先生とは頻繁に研究のディスカッションを行っています。凄まじい知識量と経験値をもとに多くのことを学ばせていただいてます。
Q.大学院での学びを通して今後目指したい姿や将来進みたい道などがありましたらご記入ください。
A.大学院で得た研究力を活かせるような仕事をしていきたいと思っています。研究を続けていきたいです。それと同時に、中高生の理科教育に貢献できる活動もしていきたいと考えています。
Q.研究活動をしている日の1日のスケジュールの例をお教えください。
A.
8時 起床
10時 実験開始
13時 学食で昼食
14時 実験再会
18時 実験終了、指導教員とのディスカッション
20時 次の実験計画をたてる
Q.大学院生としての1週間のスケジュールの例をお教えください。
A.
月曜日 研究、文献調査
火曜日 研究
水曜日 研究
木曜日 研究、TA
金曜日 ゼミで進捗報告、後輩の論文指導、TA
土曜日 研究
日曜日 研究
Q.こだわりポイントなどがありましたらお教えください。
①普段研究をしている机について
モニターを置いて作業しやすくしています。メタルラックを設置してモニター上にノートや参考書を置けるようにしています。
②普段の研究の様子
微生物培養するために、寒天培地に希釈した培養液をスポットしている様子です。適切な温度で培養後、生育具合を確認します。
Q.大学院進学を検討するにあたり、どのような不安や懸念点がありましたか。
大学院進学での1番の不安は生活費の問題でした。博士前期課程の時は親の仕送りとバイト代と奨学金で暮らしていました。博士後期課程からは親に負担をかけるわけにはいかなかったので様々な奨学金に応募しました。学生という身分から、収入源がないのは非常に不安でした。研究生活もより一層忙しくなることから、バイトに割ける時間も少なくなってしまいました。幸いにも東洋大学のSPRINGスカラシップに採択していただき、生活費を支援してもらいながら研究をしています。
Q.学費の工面はどのようにしましたか。
学費は採択された奨学金から出しています。
Q.東洋大学大学院を目指している受験生へメッセージをお願いします。
A.大学院は、大学の時とは違い、自分が持っている知的好奇心を存分に活かし、研究を進めることができる場だと思います。研究をする上で、自身が持つ好奇心ほど味方になるものはありません。知りたいと思うことを研究しましょう。辛いことも多いですが、結果が出た時は辛さなんて忘れてしまいます。大学院で得られる経験はとても貴重で、今後の人生の大きな糧になると思います。ぜひ大学院で研究してみてください。
掲載されている内容は取材時のものです。
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