先輩からのメッセージ2024

TOYO PERSON

Q.大学院に進学しようと思った動機や経緯についてご記入ください。
A.大学での学びは、それまでの学習経験とは大きく異なっていました。純粋に学問の楽しさや知的好奇心を満たせるものであり、この点が自分に適していると感じます。この経験が、大学院進学を決意するきっかけとなりました。また、学びを深める過程で、「将来、どのように社会に貢献できるだろうか」という問いを自分に投げかけました。その結果、研究という道が選択肢として上がってきたと感じます。
研究の魅力は、未知の領域に挑戦し、社会の発展に寄与できる可能性にあります。この点に私は強く惹かれました。大学院での研究生活は、専門知識を深めるだけでなく、思考力や問題解決能力を磨く機会となりました。さらに、人間的な成長も実感でき、社会人としての基盤を築く上で極めて貴重な経験となりました。

Q.大学院進学にあたり、誰かに相談しましたか。また、周囲の反応はどのようでしたか。
大学院進学を決意するにあたり、最も身近な存在である家族には相談しました。進学を考えた当初から、博士課程までチャレンジしたいという想いがあったので、それによる経済面や生活面の相談は特にじっくりと話し合いました。
家族との対話を通じて、正直様々な反応がありました。励ましの言葉をくれる一方で、長期的な学究生活や将来の不確実性について懸念を示す考えもありました。特に、博士課程進学のタイミングでは、自分の考えと周りの意見をよく整理して決断しました。
しかし、これらの時間をかけたからこそ、支持してくれる人のためにも頑張りたいと考え、決意をより強固にする機会となったと今では感じています。

Q.東洋大学を選んだ理由や選ぶにあたって重視した点があればご記入ください。

伊藤さん1枚目

東洋大学大学院進学の最大の理由は、人とのつながりでした。他大学へ進学するという選択肢も検討しましたが、研究を進める上で重要な環境面、特に所属している研究科や専攻に対する満足度が非常に高く、これを上回る人間関係や環境を新たに構築するのは難しいと判断し、本学の大学院への進学を決断しました。

Q.入学してから感じた本大学院の魅力や研究室の仲間とのエピソードなどをご記入ください。
A.先輩、同期、後輩たちと平日・休日関係なく日夜共にする中で、実験の話をしたり、ご飯を一緒に食べたり、時には飲み会や合宿などで息抜きをしたり、そういう毎日切磋琢磨できる時間が魅力であり、楽しいと感じています。
ラボに入った当時のことを考えると、先輩方は自分たちがラボに馴染みやすいような雰囲気をたくさん作ってくれていたのだと感じます。
今は自分が、ラボに入ってくる後輩たちが研究活動を通して成長したり楽しんだりできればいいなと考えています。

Q.研究の大変さなどについてご記入ください。
A.研究において最も大変な経験の一つは、新しいテーマを立ち上げる時です。
新規テーマに取り組む際は、自分に欠けている経験と知識が茫漠と広がっていることを痛感します。特に、この状況でアカデミックな新規性に向き合うことは非常に困難で、大きな苦労を感じます。現在でも、これは全く1人でできることではなく、先生の発想や計画に頼ってようやく進みます。ここから、指導教員の重要性と卓越した能力を強く実感します。だからこそ自分は、コミュニケーションをとって研究を進めることが、大学院生に必要なことなのではないかと感じています。

Q.研究が煮詰まったときは気分転換にどんなことをしていますか。
A.ロードバイクに乗るか料理をすることが気分転換になります。
ロードバイクは長い時間1人で漕ぎ続けていると、頭の中を空っぽにすることができ、すごく自分と向き合う時間になると感じます。そうすると、頭の中が整理されたりして気分が安定します。料理は食事のため以外でも、夜中に急に作りたくなって料理しています。完成するまでのワクワク感や自分なりのテンポ感が楽しいんだと思います。

Q.学位論文の内容や受講している授業についてご記入ください。

伊藤さん2枚目

A.IoT化やスマートウォッチをはじめとしたウエアラブル技術の進展を背景に、ケーブルやバッテリーを用いない非侵襲的なウエアラブルバイオセンサの開発を目指しています。現在は、汗中に含まれる幾つかのイオンを選択的に検出ができるデバイスの開発に取り組んでいます。この技術は、医療やスポーツ分野での応用が期待され、日常的な健康管理による予防医療やアスリートサポートへの応用が見込まれます。将来的には、イオンだけでなくヒトの体液中の様々なバイオマーカーを無意識下で測定できるようになることが期待されます。

Q.研究する中での指導教員とのエピソードなどがあればご記入ください。
A.指導教員である合田先生とは時々サイクリングに行きます。
合田先生は馬力が段違いですごく速いので、いつも前を走って先導してくれています。その中でも、途中途中で後ろを走る自分のペースを気にしてくれるのがありがたいです。その姿勢は普段の研究指導も似ているかもです笑。後ろからプレッシャーを与えるのではなく、サポートしつつもついて来れるかを見ているような?
また、100 kmくらいのライドが多いので、途中でご飯を食べたり、綺麗な景色や各地の気になるスポットに寄るなどをしていて、こういう時間の中で、それぞれの人となりを感じることができるのが好きですね。

Q.大学院での学びを通して今後目指したい姿や将来進みたい道などがありましたらご記入ください。
A.大学院では、医療に関わる複数の研究テーマを経験できましたので、医療機器メーカーの研究開発職として今後は取り組んでいきたいと思います。また、将来的には研究開発に留まらず、幅広く社会に貢献していきたいと考えていますので、経営やマネジメントの分野にも関わっていけたらいいなと考えています。

Q.研究活動をしている日の1日のスケジュールの例をお教えください。
A.
ゼミがある日のスケジュール
  8時 起床
10時 〜12時 ゼミ
12時 研究室のメンバーで昼食(学食)
13時 実験準備
14〜17時 実験
17〜19時 解析
20時 帰宅

伊藤さん3枚目

Q.大学院生としての1週間のスケジュールの例をお教えください。
A.
月曜日 実験準備
火曜日 実験(測定日)
水曜日 解析
木曜日 実験準備
金曜日 ゼミ&測定
土曜日 実験解析
日曜日 趣味の日

Q.学費の工面はどのようにしましたか。
A.生活費はありがたいことに、JSTのSPRING事業に採択いただいたこともあり博士後期課程からは自分自身でなんとかやれています。

Q.東洋大学大学院を目指している受験生へメッセージをお願いします。
A.大学院は自主性と積極性がより求められる場所だと感じますが、目的を持ち、それに向けて努力する学生にとっては、間違いなく成長の機会が豊富にある貴重な期間です。苦労も多くあるかと思いますが、何よりも日々の研究を楽しんで欲しいです。資料作成や研究室内の分担作業など様々な業務もあり、研究の理想と現実に苦しさを感じる日もあるかと思いますが、そういう時こそ大学院に進学した目的や研究から得られる喜びに目を向けて頑張って欲しいです。大学院での経験は、あなたにとって必ず価値のあるものになるはずです。

掲載されている内容は取材時のものです。

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