Q.大学院に進学しようと思ったきっかけは?
A.学部3年生の時に、先生と『サーヴィトリー物語』の読書会をすることになったのが大きな転機でした。読書会が始まったことで、頻繁に共同研究室に辞書を借りに行くようになり、TAをしている院生の先輩との関わりが増えたことも、進学を考えるきっかけになりました。
『サーヴィトリー物語』には「白分の空において月が満ちるように」という一節があります。今思えばよくある表現なのですが、当時の私はとても衝撃を受けた記憶があります。読書会の風景は今でもよく思い出して励みにしていますし、この出来事がサンスクリット語を読む楽しさの原体験だったと思います。
Q.東洋大学を選んだ理由や選ぶにあたって重視した点があれば教えてください。
A.内部進学者は入学金が不要だったので、東洋大学を選びました。また、学部3年生以上は大学院の先行履修制度を利用できるので、大学院の授業を事前に受講して授業内容や雰囲気を知ることができたのも決め手になりました。
Q.入学してから感じた本学大学院の魅力や研究室の仲間とのエピソードなどがあれば教えてください。
A.インド哲学仏教学専攻は、様々な分野や言語を扱う先生と学生が在籍しているところが魅力です。特に私は、学部時代には仏教学を詳しく学んだことがなかったので、自分の研究のための勉強だけでは得られない、新たな学びや刺激を受けることも多いです。
Q.大学院生活の中で辛かったことや研究する中で大変だったことはありますか?
A.授業の予習と自分の研究のバランスを取ることが1番大変です。授業の多くが輪読形式のため、予習には時間がかかります。それと並行して自分の研究のためにも文献を読む時間が必要なので、メリハリをつけるのが難しいです。
研究内容によっては、サンスクリット語、パーリ語、チベット語、漢文など、複数言語の授業を並行して受講することになるので、より時間の使い方は難しくなると思います。
Q.執筆している論文の内容や受けている授業について教えてください。
A.古代インドの叙事詩とプラーナ文献について研究しています。私が受講している授業のほとんどはサンスクリット語の輪読形式で進みます。授業内容は、哲学、叙事詩、文学、仏教文献など様々です。また、他の仏教系大学の授業を履修することができるので、提携先の大学院でも授業を受講しています。
Q.指導教員とのエピソードなどがあれば教えてください。
A.研究指導として、指導教員の先生とは修士論文に必要な文献を読んでいます。サンスクリット語以外に、英語の先行研究を読む場合もあります。指導教員が決まってすぐに、英語がとても苦手なことを申告していたからか、研究指導以外でも英語クイズが突然出題されることがあります。今のところほとんど回答に失敗していますが、めげずに頑張っています。
Q.大学院での学びを通して今後目指したい姿や将来進みたい道などがあれば教えてください。
A.サンスクリット語に出会ってから、「2000年も昔からある物語を今でも読むことができるのは、実はとてもすごいことなんじゃないか?」と思い、図書館司書資格の勉強を頑張っていました。大学院に入ってからは、様々な文献を読む中で言葉を通して古代インドの人々の思想に触れる面白さを、より鮮明に感じています。読む人がいる限り、言葉や文化は生き続けることができるので、インド文学に限らず、今あるものを後世に残すことに携わることが夢です。
Q.研究活動をしている日の1日のスケジュールは?
A.
09:30 起床
10:40 授業
12:30 昼食
13:00 チューター業務
14:00 予習
17:00 勉強会
18:30 夕食
19:00 予習
22:30 帰宅
Q.大学院生としての1週間のスケジュールは?
A.
月曜 講義の受講、チューター業務、勉強会
火曜 講義の受講
水曜 講義の聴講
木曜 講義の受講 (他大学院含む)
金曜 研究指導を受ける
土曜 アルバイト
日曜 チューター業務、アルバイト
Q.本学大学院を目指している受験生へメッセージをお願いします。
A.大学院への進学は、ある人にとっては当然のことで、またある人にとっては考えもしないことだと思います。私は長らく後者でしたが、運良く自分が好きなことを続けられる環境に出会えました。研究に対する熱意だけでは乗り越えられないことも沢山ありますが、チャンスが揃った時には思い切って挑戦してみると、新しい世界が広がるはずです。本専攻に進学した際には、一緒に頑張りましょう。
プロフィール
東洋大学文学部第2部東洋思想文化学科 卒業
掲載されている内容は2024年6月現在のものです。
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