江戸時代に建設された歴史的木造建築の柱の上に設けられた「斗栱(ときょう)」が、私の研究テーマ。斗栱は、地震が発生したときに柱や梁にかかる力を分散させ、建物の構造を守る役割を果たします。経年変化や使用する木材の摩擦係数の違いなどを重点的に調査中です。普段は入ることができない社寺建築の改修現場を見学させていただくなど、貴重な経験もさせてもらっています。また、研究を進めていく中で行った摩擦試験では、結果の信憑性を高めるため2つの方法で試験を行い、2つの結果が一致したとき達成感を感じました。
生命医工学科と機械工学科と連携し、建築学科の機材では対応できない調査に協力いただいたこともありました。他学科の方に自分の研究を説明したことで、相手の立場から物事を考えられるようになり、先入観に捉われずに相手の意見を受け入れられるようにもなりました。異学科間の連携は、互いの研究成果を高め合い、創造的な結果を生み出すことにつながるという可能性を感じています。
掲載されている内容は2023年9月現在のものです。