Q. 進学しようと思った動機・経緯は?
宮崎市役所建築指導課では、福祉のまちづくり条例を10年以上担当していました。さらに、学術的向上をめざしてこの大学院へ入学しました。しかし、1年後に資産税課へ異動し、退職までの3年間は、残業が多く、思うように勉学の時間が取れなかったために、退職後は学業に専念しました。
Q. 大学・大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことは?
仕事以外は、できるだけ研究に時間をとるようにしました。しかし、研究に時間をかけるだけではだめで、私の場合、重要でないことに時間をかけすぎたことが大きな反省点です。
Q.なぜこの大学・大学院を選んだのですか?
バリアフリーやユニバーサルデザインの権威である高橋儀平先生に憧れ、もっと深く学びたいと思ったこと、そしてこの研究において博士号を目指したいと思ったからです。
Q. 大学・大学院での学びを通して得たものは?
いつもアンケートやヒアリングでの回答を鵜呑みにするため、その真意や根拠を正すことを教授に何度も指摘されました。今後、研究者として同様の失敗は繰り返さないよう心構えをしています。
Q.現在の研究テーマについて教えてください。
全国自治体(都道府県・基礎自治体)の建築物のバリアフリー化の実効性を高める研究であり、そのために全国の自治体に対して建築物のバリアフリー化の現状や自治体の考え等を聞くために、都道府県と基礎自治体にアンケート調査やヒアリング調査を行いました。アンケート調査票やヒアリング調査票は、主にメールで教授と相談の上、教授名と私の名前で依頼文を出しました。そして、これらの結果をもとに内容を分析して、査読論文を書き、また、建築学会や福祉のまちづくり学会での論文発表を行い、そして、博士論文の基礎資料としました。これらの論文作成には、教授の指導を受けています。しかし、自宅が、宮崎市のため教授との打ち合わせはメールでのやり取りが多く、教授の指導内容の真意を理解していない面があり、もう少し教授に面接して指導を受ければ良かったと今更ながら反省しています。
Q. 将来への展望は?
現在、日本福祉のまちづくり学会九州沖縄支部長と宮崎県建築士会福祉まちづくり部会長をしています。今後、本学での学位取得を生かして、多くの建築士に福祉のまちづくりを理解してもらい、地域の障害当事者等と結び付ける活動をしていこうと考えており、2018年秋に高橋儀平教授をお招きしてのフォーラムを宮崎市で開催する予定です。
Q. 1週間のスケジュールは?
(資産税課在職中、繁忙期12月~4月の1週間)
月~日 8:30~21:00仕事、帰宅後23:00~2:00 勉強
(資産税課在職中、繁忙期以外)
月~金 8:30~17:15 帰宅後21:00~1:00 勉強 土日、10:00~24:00 勉強
Q. 働きながら大学院への進学を検討している方へのアドバイスをお願いします。
私の場合、3年間は職場が資産税課で研究内容は建築物のバリアフリー化だったので、自宅に帰ってからが研究の時間でした。アドバイスとしては、毎日可能な限り研究の時間を持つこと、目標達成まで、あきらめないことです。
Q. 修了までの経験を踏まえて最後に一言お願いします。
何とか博士論文が書けるよう、様々な先生方からアドバイスをいただきました。とくに、論文主査の高橋儀平教授には、毎回、重要でないことに時間をかけて論文作成をしてくる私に、辛抱強く指導していただき、何とか博士論文が作成できました。ご教示いただいた先生方、そして、この勉学の環境を作っていただいた本学に心から感謝申し上げます。
(経歴)
- 1979年に長崎総合科学大学建築学科を卒業、宮崎市役所に入庁し(建築指導課・下水道課・区画整理課・健康福祉課・住宅課・資産税課)建築技師として職務にあたる。2017年定年退職。
- 2013年に福祉社会デザイン研究科人間環境デザイン専攻博士後期課程へ入学、2018年9月修了。
※福祉社会デザイン研究科は2018年4月 ライフデザイン学研究科へ改組されました
掲載されている内容は2018年10月現在のものです。
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