教員からのメッセージ

TOYO PERSON
Q.教員としてご自身の専門分野を踏まえ、「研究者として研究」することの意味とは?

主に保健体育科の教授・学習指導に関する研究により、保健体育科教員養成やよりよい体育授業実践の在り方に貢献できる知見を提出することに意味を見出しています。具体的には、各学校段階の保健体育教員の方々と授業実践に関する課題を共有し、ともに研究させていただくこと、および、その成果を保健体育科教員養成の授業、特に教科教育法の授業にフィードバックし、授業内容を改善することにより、保健体育科教員養成・現職教員の支援に貢献したいと思っています。

Q.教員としてご自身が、研究者になった経緯をご紹介ください。

小学校の教員になろうと思い教育学部に進学しましたが、教育実習に行き「体育授業」の意義や目的などを考えたこともないことに気づき、少なくとも自分なりの指導感・教育感がなければ「授業」はできないと感じ、大学院に進学することにしました。そこで「授業研究」の意義や楽しさに惹きつけられ、研究者になろうと思いました。

Q.教員としてご自身のご専門分野について、現在までにどんなテーマを研究されているのかご紹介ください。

体育授業研究には様々なアプローチがありますが、教員養成段階では計画的教員養成に向けて行動科学的アプローチによる教授・学習指導に関して研究しています。また、よりよい体育授業実践に向けては質的研究により「授業実践」を記述し、「実践知」を蓄積することを課題にしています。

Q.研究者として、つらかったことや、嬉しかったことは?

「研究のための研究」と表現されることがありますが、現場の先生方の課題や授業実践と研究の乖離を感じ、自身の研究に意義を見いだせなくなったときは悩みました。それは、現在でも時々感じることがあります。一方で、現職の先生方との共同研究で子どもたちの変化・成長に貢献できたと感じられたときは、やりがいを感じました。

Q.大学院で学ぶことの魅力とは?

これまで自身が「当然」のことと考えていたことを問い直し、多くの議論を経て再構成していく過程を経験できること。

Q.大学院で学びを考えている受験生にメッセージを一言。

大学院での「問い」を通じて、自身の「学び」につなげてください。

プロフィール

氏名:平野 智之(ひらの ともゆき)
経歴:
1990年 埼玉大学教育学部卒業
1993年 筑波大学大学院体育研究科修了
専門:体育科教育学
著書:
体育授業を観察評価する(2003)

掲載されている内容は2018年10月時点のものです。