生命科学研究科には自分の「目標」を達成できる環境がある

TOYO PERSON
Q. 大学院へ進学をしようと思った理由はなんですか?

大学入学当時から、将来環境保全や水処理分野の研究開発をしたいという目標を持っていました。大学4年生の卒業研究を発展させ、大学院でそれらの専門的な知識や技術の修得が必要だと考え、進学することを決めました。

Q. 現在の研究テーマについて教えてください。

下水などの排水に含まれる窒素成分を微生物利用で効率的に処理する研究をしています。従来の下水からの窒素処理は、硝化・脱窒法を用いた「循環変法」という方式が多く普及していますが、処理性能やコスト面などで問題点もあります。そこで、この「循環変法」と近年注目されている「アナモックス菌群」を組み合わせた「硝酸還元型アナモックスプロセス」で、従来法と比較し、窒素処理性能の向上やラーニングコストの削減を目指しています。またこのプロセスが、実際の下水処理で起こり得る様々な条件の変化に対応可能であるかも検討しており、最終的に実用化を視野に入れています。

Q. その研究に興味をもったきっかけを教えてください。

水処理分野に興味を持つきっかけは、二点あります。一つは、出身地に富栄養化の深刻な湖があり、なんとか出来ないかと思うようになったことです。二つ目は、高校時代に趣味の渓流釣りで河川上流に行った際に非常に多くの砂防堰堤が点在しており、問題意識が湧いたためです。学部生時代には、水処理分野の知識習得や理解を深めるため、水質関係第一種公害防止管理者の資格を取得しました。この学習過程で、以前より水処理分野への興味が湧いたと思います。

Q. 大学院での研究でどんなことにやりがいを感じますか?

水処理技術などの研究開発は、我々の生活に不可欠な社会インフラの向上に繋がる点で非常に重要です。現在の研究が、これら技術の向上の一翼を担える可能性を持つことに大きなやりがいを感じています。

Q. 大学院生活での学びを通して得たものはなんですか?

実際の水処理施設を開発するための知識やコストなどを考慮した考え方が身につきました。また、学会発表などを通して、自分の意見を他の方々にわかりやすく伝える力が身についたと考えています。

Q. 将来への展望を教えてください。

将来は水処理システム全体を把握し、設計や開発が出来る技術者を目指しています。大学院修了後はインフラ施設などの設計・建設から事業運営を行う会社へ就職し、大学院で身につけた知識と技術を活かしたいと考えています。

Q. 生命科学研究科への進学を考えている方へメッセージをお願いします。

大学院へ進もうと考えている皆さんは、今持っている「目標」や「気持ち」を大切にして欲しいです。大学院での研究生活は、うまくいくことや苦しいことも多々あると思います。そんな時に常に初心を忘れずにいることで、困難なことを乗り越えることができ、たくさんのことを得ることが出来ます。そして、皆さんの目的を達成し、自身の成長に繋がるのではないでしょうか。生命科学研究科には、皆さんの「目標」を達成し、成長が出来る環境が揃っていると思います。

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所属・内容は取材時のものです。