2024年3月8日(金)
第8回中学校修了式を挙行しました。生徒たちは中高一貫6年間のうち前半の教育課程修了という節目を迎え、義務教育を卒業しました。これまでの3年間で身につけた「考える力」を、これからの3年間でさらに成長させ自立していくことを決意し、気持ちを新たに前へ進んでいきます。
本校はこれからも歩みを止めることなく「生徒と教職員が共に成長し続け、常に進化し続ける学校。保護者・地域のご期待に応えられる学校」を目指し、地域の教育の発展に貢献してまいります。
それでは、当日の様子を紹介します。
修了式の様子
卒業証書授与
賞状授与
他者の模範となり、品行方正で学業成績優秀な生徒に贈られる全国私学連合会会長賞、兵庫県私学連合会会長賞をそれぞれ1名に、特別功労賞を1名に、皆勤賞を7名に授与しました。
学校長式辞
第8期生72名の中学課程修了によろこびと感謝を述べました。また、東洋大学附属姫路中学校にて優れた成績を残した第8期生たちに2つのメッセージを贈りました。
育友会長お祝いのことば
下級生はなむけのことば
第8期生の思いを感じ、彼らの背中を見て成長してきた下級生は、第8期生から伝統を受け継ぎ東洋大学附属姫路中学校を引っ張っていくことを誓いました。
修了生よろこびのことば
先生方に3年間の指導へ感謝を表し、そして15年間見守り、支えてきてくれた家族にお礼を伝えました。
高校生活への期待と不安を感じる中でも、家族への感謝を忘れることなく、各々の目標に向かって積極的に学び、高校生としての誇りと責任を持ち東洋大学附属姫路高等学校を引っ張っていけるよう、努力することを誓いました。
ホームルーム
- 学校長式辞
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式 辞
書写の山々の木々は厳しい冬を乗り越え若芽を吹きだしはじめ、春の訪れを感じる今日の佳き日に、東洋大学附属姫路中学校 第8回修了式を挙行できますことは、この上ない慶びであります。新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの拡大などもあり、まだ不安なところはありますが、来賓として育友会長様をはじめ、ご列席賜りました保護者の皆様には、厚く御礼申し上げます。保護者の皆様におかれましては、中学校3か年、お子様が児童から生徒へと心身ともに一気に成長されていく時期ですので、学業のみならず、反抗期ゆえのわが子との対話や、子供の友人関係等、様々な点で心配され、気苦労も多かったことと思いますが、心身ともに少し大人になられた我が子の姿を見られ、感慨も一入かと存じます。お子様の義務教育修了を心からお祝い申し上げます。
只今、卒業証書を授与いたしました8期生72名の皆さん、本校での義務教育修了おめでとう。ほとんどの人が本校の高等学校に進みますので、皆さんは、本校中高一貫六年間の教育課程の前半を修了したということです。今日は、義務教育の修了とともに、これからの残り3年を自らの意志でもって、高校で学ぶという決意を新たにする節目の日でもあります。
ざっと学校行事をもとに、3年間を振り返ってみてください。新型コロナウイルスのパンデミックにより、参加者制限を設け、規模を縮小してではありましたが、新しい制服を着て不安と希望で迎えた入学式。楽しみにしていた本校入学後初の宿泊行事である野外活動はコロナ禍のため中止となり、マスク越しのクラスメイトとの会話で、友達作りにも苦労するなど、残念な思いと共に苛立ちもあったことと思います。皆さんの学年は、本校の入学試験において志願者が最も多く、前年の1.5倍を超え、また、合格ラインを上げたのですが、募集60名のところを72名が入学され、他学年と違い生徒数の多いクラスとなり、不便なことも多かったと思います。そのような中でも、皆さんは、それぞれクラスメイトの個性を尊重し、東洋大学の創設者井上円了先生の人類愛の精神をもって、助け合い、支え合って、今日まで来られたことに対し、私は生徒の皆さん一人一人にお礼を述べたい気持ちで一杯です。そして、勉強面でも、課外活動においても、今までのどの学年よりも秀でた成果を上げてくれています。私は同行しませんでしたが、沖縄への修学旅行で、アブチラガマや平和祈念公園、沖縄世界塾の方々とのワークショップや、豊かな自然のなかで楽しんだマリンスポーツなども、地元の方々から称賛される見事な態度であったと伺い、とても誇りに思いました。多くの困難なこともあったと思いますが、それに耐え、友達と協力し、貴重な体験を積み重ね、多くの思い出を胸に抱いて皆さんは成長されてきました。そして、この3年間、皆さんは、本校の教育理念である「諸学の基礎は哲学にあり」のもと「考える」を学び、他者のために己を磨く思いやりの精神を身につけ、文化祭や体育祭でも、中学最上級学年として、自ら率先して他者のために献身的に活動してくれていたことを覚えています。
修了式にあたり、皆さんにメッセージを2つ送りたいと思います。
一つ目は、「命を大切に」してください。皆さんはお父さん、お母さん、ご両親から命を授かりました。そのお父さんお母さんはそれぞれ二人ずつのご両親からの命を受け継いでいます。600年ほどさかのぼると、1024人の命が受け継がれて今のあなた一人の命に結集しているのです。一人として欠けていれば存在しなかったのです。また、その命を維持するため、私たちは日々多くの生物の命を食事としていただいています。今、生きていることが奇跡であり、多くの命によって生かされているのです。命って見えません。酸素や愛情など、本当に大切なものは案外見えないものです。命って何かというと、その生物が持っている時間だと言えます。一度しかない自分の時間、かけがえのない時間を精一杯悔いの無いように使って輝いた日々を送ってください。命も、健康な体もかけがえのないものです。今年の秋に予定しています、「命の授業の講演」をされる腰塚勇人さんのことを少しお話しします。腰塚さんは中学校の体育教師で、スキー検定1級をもっていて、日々常に勝つ「常勝」モード生きていて、ある日、スキー検定を受ける奥さんと長野でスキーをしているときに、スピードを出しすぎて急斜面で転倒し、首の骨を折って、下半身が全く動かない状態になり、絶望で、舌を噛んで死のうとさえされたようです。その時、看護師さんが泣きながら、「腰塚さんのつらさは本当に分かってあげられないけれど、私にできることがあれば何でもしますから、我慢しないで言ってください」と言われ、この人になら助けてって言えると素直な気持ちになり、リハビリに励むようになった時、担当医から「手足は動かなくても、決してすべては失っていない。命と未来は残っている」と言われ、一緒に頑張っていこうとの言葉で、一人で頑張らなくてもいいんだ、助けてくれる人がいるんだと感謝の気持ちがわいてきて、そこからは常に勝つ「常勝」から常に笑う「常笑」の日々を過ごすようになり、奇跡的に回復を遂げて、今、多くの人に活かされているからこそ、自分でないとできない恩返しがあると、全国で、求められたところに行き「命の授業」をしておられます。命がある限り未来があるのです。
あと一つは、「志をもち、無理といわず挑戦」してください。志を高く掲げ、挑戦する人間であってください。志とは、自分は何でもって社会に役立つ人となるかという目標です。目標を決めてもすぐに諦めたり、無理といったりする人がいますが、無理と思っているのは自分自身だけです。人生においていろんな人や出来事と出会うと思います。ユーグレナ社長の出雲充氏は、今は40代ですが、大学1年のとき初めての海外旅行に行ったバングラデシュで、大人も子供も栄養失調になっている姿にショックを受け、「栄養価の高いものをバングラデシュの人々に食べさせたい」との思いを抱いて帰国しました。帰国後、大学の授業の顕微鏡観察でミドリムシ、つまりユーグレナに出会うのです。このミドリムシは植物と動物の栄養素を両方持ち、人間が生活するのに必要な59種類の栄養素をすべて持っていることを知り、後は一心不乱、何回失敗しても、恥をかいても、成果を出すまで諦めずに研究を続け、ついに食用屋外大量培養に成功し、ミドリムシの栄養素を含んだ食品を作りました。今はマレーシアにミドリムシからバイオジェット燃料を作る工場も建設しています。ミドリムシは昔から多くの人が知っていますし、栄養価の高い食品を作りたいと多くの人が思っていますが、出雲さんだけがなぜできたのでしょうか。それは、無理と言わず、絶対にあきらめない、誰よりも強い思いがあったからに他なりません。頭が良い、記憶力が優れているとかではなく、誰もが持ち合わせている根性が誰よりも強かったのだと思います。自分の決めた目標や夢にチャレンジしてください。他人と比較したりせず、「無理」と投げ出さず、絶対にあきらめずに挑戦し続けてください。きっと、目標に到達できるでしょう。
それでは、皆さんが次の新たな高等教育の世界で自らの可能性に挑戦し、一人ひとりがオンリーワンの華を咲かす日々を送られることを祈念し、式辞といたします。
令和六年三月八日
東洋大学附属姫路中学校長 大森 茂樹
- 下級生はなむけのことば
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吹く風も穏やかになり、暖かい日差しに包まれる頃となりました。このよき日に、八期生の先輩方が、晴れて中学校を修了なさることを、下級生一同心よりお祝い申し上げます。今、三年間の中学校生活を振り返られると、溢れるほど思い出が浮かんでくるのではないでしょうか。私たち下級生も先輩方と共に過ごした時間が蘇ってきます。
今年の文化祭では、先輩方の出し物のクオリティーの高さに圧倒されました。
教室いっぱいのプラネタリウムやステンドグラスは、私達の印象に強く残りました。
また、体育祭では新型コロナウイルスも収束して制限のない体育祭を開催することができました。その中で、全力で競技に取り組む先輩方はひときわ輝いていてかっこよかったです。
生徒会活動や委員会の活動では、先輩方は率先して進行を務めてくださったり、役割を担ったりしてくださいました。そのリーダーシップを心強く感じると共に、自分たちもそうありたいと感じました。
また、部活動においては、戸惑う私たちに手順やコツなどを優しく教えてくださった先輩方の親切な心に感動しました。私たちにとって先輩方は憧れであり、これからもかけがえのない特別な存在です。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。これからは先輩方の後を引き継ぎ、私たちが東洋大学附属姫路中学校を引っ張っていきます。先輩方のように積極的に学校行事に取り組み、後輩の手本となれるように、日々精進してまいります。
先輩方は今、中学校という一課程を修了され、新しいステップへの一歩を踏み出されようとしています。新しい環境下に置かれ、楽しいことも不安になることもあるかと思いますが、きっと先輩方なら颯爽と物事をこなされることでしょう。高校生活でのさらなるご活躍を心よりお祈りいたします。そして、これからも私達をご指導いただけると嬉しいです。
私たち下級生は、先輩方が築いてこられた伝統を継承・発展させ、東洋大学附属姫路中学校を素晴らしい学び舎にすることを誓い、はなむけの言葉といたします。本日は誠におめでとうございます。
2024年3月8日 下級生代表
- 修了生よろこびのことば
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書写の山々も春の色に染まり、生命が躍動する季節になりました。
本日はこのような盛大な修了式を催していただき、ありがとうございます。
この素晴らしい日に修了式を迎えられたことを嬉しく思います。
3年前の春、私達8期生72名は東洋大学附属姫路中学校の門をくぐりました。
はじめはまとまりがなく、毎日毎日先生方に叱られ、3年間本当にうまくやっていけるだろうか、ととても不安でした。しかし、精神面や学習面だけでなく、キャリア・フロンティアや様々な行事を通して、互いに切磋琢磨し、協力し、成長してきました。
体育祭では、クラス一丸となって全力で取り組みました。
大縄は、私達にとって一番の試練でしたが、声を掛け合って最後までやりきることができました。修学旅行は初めての宿泊となり、不安もありましたが、平和について考えたり、トレッキングやシュノーケリングなど沖縄ならではの体験を通して、更に友情を深めることができました。また、先生のジョークで笑いあった授業や休み時間にふざけ合ったり勉強したりしていた日々も、今となってはかけがえのない大切な思い出です。
下級生の皆さんからは、部活動やキャリア・フロンティアを通して、沢山の刺激を受けました。特に京都研究のポスターセッションでの質問や感想は、私達に新たな発見をもたらしてくれました。その一つ一つの出来事が私達の糧になっていると思います。
そして何より、未熟だった私達がここまで成長できたのは、先生方、家族のおかげです。
私達が不安なとき、壁にぶつかったとき、なにか間違ったことをしてしまったとき、厳しくそして優しく寄り添い、支えてきてくれました。それは、私達が前に進むための大きな力になりました。
先生方、3年間ご指導くださり、ありがとうございました。
そして15年間私達を見守り、支えてきてくれた家族がいたからこそ、今の私達があります。
ありがとうございました。
まだまだ未熟な私達ですので、これからの高校生活も見守っていてください。
本日、色々な困難や不安を乗り越え、沢山の思い出を胸に、私達は東洋大学附属姫路中学校の課程を修了し、高校へ進学します。この個性豊かなメンバーだったからこそ、笑顔で3年間の節目を迎えることができました。
高校生活への期待が膨らんでいる反面、不安も少なからず感じています。その中でも、それぞれの目標に向かって、先生方、家族への感謝を忘れることなく積極的に学んでいきたいと思います。
下級生の皆さん、今まで先輩から受け継いできた中学校を更に良い学び舎にしていってください。
皆さんに心からの感謝を申し上げるとともに、高校生としての誇りと責任を持ち、東洋大学附属姫路高等学校を引っ張っていけるよう、努力することを誓い、よろこびの言葉とさせていただきます。
本当にありがとうございました。
2024年 3月8日 修了生代表