8月19日(月)、20日(火)
8月19日~20日の2日間、一貫コース高校1年生は、本校の母体である東洋大学総合情報学部で課題研究を行いました。
生徒たちは「心理・スポーツ情報コース」と「データサイエンス(システム情報)コース」に分かれ、大学の先生方のご指導のもと、実験や実習に取り組み、大学での学びへの興味・関心を高めるとともに、課題を解決することの面白さを感じとることができました。
8月19日
姫路を出発し、12時すぎに総合情報学部のある川越キャンパスに到着しました。到着後、大学で準備いただいた昼食をとったあと、14時から全体ガイダンスで、学部長の加藤千恵子教授と総合情報学科・学科長の大塚佳臣教授からご挨拶とともに、プログラム全体の概要についての説明や、実習に取り組むにあたっての心構えをお話しいただきました。
心理・スポーツ情報コースの1日目のテーマは「心理実習と情報との関連」で、加藤千恵子教授にご指導いただきました。
カウンセリングで用いる箱庭をグループごとに作成し、箱庭から読み取れる情報をもとに、被験者の心理を探るための実習を行いました。生徒たちは、自分たちが作成した箱庭について、どのようなコンセプトで作成したのかを発表したあと、先生から箱庭を構成するパーツが持つ心理学的な意味についてお話しいただき、理解を深めていきました。最後に生徒たちが発表した感想では、箱庭を通じて心理学に多くの生徒が興味をもった様子がうかがえました。
データサイエンスコースのテーマは「地球温暖化問題をデータサイエンスで考える~再生可能エネルギーは人類を救えるか?~」で、大塚教授に2日間にわたってご指導いただきました。
1日目は、課題解決のために必要なツールであるプログラミングソフト「R」の使い方と、データ解析の方法について学びました。生徒たちは持参したChromebookを使い、まずはサンプルをもとにプログラムの入力手順を学び、次に分析に必要なプログラムをどのように組み立てていけばよいのかを考え、作成しました。大学生もサポートに入ってくださり、たいへんスムーズにプログラミング技術を習得することができました。
2日目の「心理・スポーツ」コースは、 田村善昭先生の「高速度カメラ体験」でした。高速度カメラで、卓球、ソフトテニス、サッカー、バレーボールの4種類のボールを使って撮影を行い、それをスロ-モーションで流し1回転するのに何コマ要するのかを計測し、計算式にあてはめ、1回転するのに何秒かかるのかを割り出す作業です。その後数式にあてはめ、1秒間に○○回転する、という結果を導きだしました。
ボールの種類、かかる力の強さなどによっても回転数は異なるが、1秒間にこんなに回転
2日目のデータサイエンス分野は影響度を評価する重回帰分析を行いました。まずは仮のデータとして売上額(目的変数)に対する広告費、営業人数、キャンペーン(説明変数)の偏回帰係数と標準誤差、p値を求めました。統計的に有意であるかどうかを確認し,どの変数の影響が一番大きいのかを考えました。
その後,2017年から2021年までの世界各国の二酸化炭素排出量と人口、GDP、火力発電、再生可能エネルギー発電量の関係のデータを用いて偏回帰係数、標準誤差、p値を各班で年別に求めました。偏回帰係数の年次推移をグラフ化し、二酸化炭素排出量に影響を与える要因に関する全体の分析結果を各班で考察し、発表しました。この考察に答えはありません。
大学で学ぶ内容には正解はなく、もっともらしい答えを探すのが社会である。という言葉を大塚先生から頂き、分析結果を考察することで、大学の学びと高校の学びとの違いを感じ、その楽しさ、難しさを感じているようでした。