For Alumni 私の哲学 シンガーソングライター 田内洵也
My Philosophy
私の哲学
「夢中の先に、自分らしさがある」
バンコクの路上でギターを弾いた夜。国も言葉も違う人たちが、一つの歌を口ずさんでいた。
“音楽で生きていきたい” その衝動を信じて、今日も街のどこかで音を鳴らしている。
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シンガーソングライター
田内 洵也
Profile
たうち・じゅんや/社会学部社会学科 2014年卒業
1989年長野県生まれ。愛知県とタイ(バンコク)で育つ。幼少期からビートルズに憧れ、中学生の頃にバンコクのストリートで弾き語りを始めた。その後、活動拠点を東京に移し、都内近郊のバーを中心に“流し”として演奏を重ね、本格的に音楽活動を展開。2018年には1stアルバム「Guitarman」をリリース。2025年には桑田佳祐プロデュースによる楽曲「深川のアッコちゃん」を発表し、九段下フォーク・フェスティバル’25(日本武道館)にも出演を果たした。ストリーミングが主流となる現代においても、“流し”というスタイルにこだわり続けている。
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\New Single Release/ 「深川のアッコちゃん」 (produced by 夏 螢介 a.k.a. KUWATA KEISUKE) |
バンコクの路上から、東京の酒場へ ― ギター一本で歩んできた道
バンコクの路上で芽生えた、〝音楽で生きたい〞という思い
僕が音楽に興味を持ち始めたのは、小学校六年生のときに姉が持っていたビートルズのCDに衝撃を受けたのがきっかけでした。中学生の頃は、父親の仕事の関係でタイのバンコクに住んでいて、家で音楽を聞いているのも退屈だったので、中学一年生のときに初めてギターを買ってもらい、路上や公園で弾き始めました。僕の初めての弾き語りでも、タイの人たちが優しく接してくれたことを覚えています。今でも思い出すのは、大晦日の日にバンコクの路上でビートルズの『A Hard Days’ Night』を弾いたときのことです。さまざまな国の人達が30人ぐらい輪になって大合唱しているのを目の当たりにしたとき、〝音楽の世界で生きていきたい〞と心から思いました。
音楽だけじゃない世界を知るために東洋大学へ
東洋大学に進学したのは、地域活性化や社会に関することを学べる学部を探していたからです。僕はシンガーソングライターになるために、音楽そのものを学びたいというより、もっと社会について知りたいと思っていました。音楽と社会は別物に見えるかもしれませんが、音楽を通して文化に触れることもできる。昔のフォークソングのように、音楽が世の中の声や時代背景と結び付いていたことにも強く惹かれていました。
そんな背景もあり、大学一年生の頃から都内のいろいろなお店に「ここで弾かせてください」とお願いして回っていました。大学を卒業する頃には、週に五日ほどライブをしていました。昼は大学へ行き、夜はバーやお店で演奏するという当時の生活はとても刺激的だったのを覚えています。
桑田佳祐さんとの出会いが、音楽観を変えた
大学卒業後も、都内のさまざまな場所で流しを続けていた中で、たまたま桑田佳祐さんに演奏を聴いていただく機会がありました。それ以来、本当にお世話になっています。ビートルズを聴いて音楽の世界に入り、その次に出会った日本の音楽が桑田佳祐さんだったので、ずっと「いつかお会いしたい」と思っていた方でした。初めてお会いしたときに、普段何をしているのか、なぜ古い音楽が好きなのかなど、いろいろ質問していただいたことは覚えているのですが、僕自身は緊張で頭が真っ白になっていました。
当時の僕は、酒場で演奏する中で、その場の空気に合わせて歌うことを大切にしていました。でも、レコーディングを一緒にさせていただいたときに、一般の方に届く音楽を作るには、ものすごく緻密な作業が必要なんだと知りました。一音を決めるために何度も悩み、妥協せずに作り込んでいく姿勢を目の当たりにして、音楽をシビアに考える大切さを桑田さんから教えていただきました。
さまざまな音楽を自分なりに混ぜ合わせながら、新しいジャンルのようなものを作るのが今の目標です。この活動スタイルは、自分自身が積み重ねてきたものでもありますし、他の人があまりやっていない表現でもあると思っています。だからこそ、「流し」という文化そのものを、もっと広めていきたいという気持ちがあります。
卒業生へのメッセージ「自分らしく生きることに迷っているあなたへ」
自分らしさを探そうとすると、わからなくなってしまうこともあると思います。僕は「努力は夢中に勝てない」という言葉が好きなんですが、まずは何でもいいから、夢中になる瞬間を見つけることが大切かなと思います。それは楽器でなくても、絵を描くことでも、ワクワクできることなら何でもいい。好きなことに夢中になっている自分を見つけることが、きっと自分らしさにつながっていくんだと思います。
Interview Movie
インタビューの様子を動画でもご覧いただけます。
