For Alumni Special interview Glory in Paris 鏡 優翔

SPECIAL INTERVIEW 
パリオリンピック レスリング 女子76kg級 代表
鏡 優翔

笑顔の力で、パリの頂へ

社会学部メディアコミュニケーション学科をこの春に卒業し、現在は本学大学院に在学している、レスリング女子76 ㎏級の鏡優翔選手。昨年セルビアで開催された、レスリング世界選手権2 0 2 3で金メダルに輝き、この夏のパリオリンピックに日本代表として出場し、世界の頂点を目指します。

鏡選手1

Profile
かがみ・ゆうか/
社会学部メディアコミュニケーション学科 2024年卒業
総合情報学研究科 総合情報学専攻 博士前期課程 1年
サントリービバレッジソリューション株式会社所属

中学3年生でJOCエリートアカデミーに入校。中学・高校時代から国内および国際大会で輝かしい戦績を残す。入学後は、全日本レスリング選手権大会女子76kg級で2連覇を果たし、2023年9月には、セルビアで行われた世界選手権において同種目で金メダルを獲得した。

幼少期から憧れた、オリンピックの舞台

小学1年生のときにレスリングを始めたそうですが、きっかけは?

父がレスリングをやっていた影響で、3歳上の兄が先にレスリングを習っていました。ある日、兄のチームメイトの家に行ったときに、メダルとトロフィーがずらりと並んでいるのを見て、「わたしもメダルが欲しい!」と思ったのがきっかけです。

レスリングに夢中になり、小中高と続けてきて、高校時代には、全国大会連覇。その後、東洋大学を選ばれた理由を教えてください。

高校生の頃に東洋大学レスリング部の練習に参加して、理想的な環境や練習の雰囲気がとても良かったのが印象的で入学を決めました。

東洋大学での4年間を振り返ってみて、いかがでしたか?

毎日が充実していて、仲間にも恵まれて、今までの人生で一番レスリングを楽しめた4年間でした。午前中に練習をして、それから授業に行って、終わったらまたマットで練習という毎日の繰り返しで、学業とレスリングを両立させていました。前田翔吾コーチとの出会いも大きかったです。前田コーチは、とても細かくレスリングを分析しています。どうしたらポイントを取れるのか、何で技がかかるのかなど、一つひとつの技の要点を教えてくれるので、それまで感覚でレスリングをしてきた私も頭で考えるようになり、レスリングがレベルアップしたと感じています。

前田コーチとの二人三脚で、さまざまな大会を乗り越えてきました。特に印象的だった試合は?

2022年の年末に、右大胸筋を怪我して手術をしました。パリオリンピックの選考(世界選手権2023)が6か月後に迫っていて、もうあとがない状況の中、前田コーチがリハビリもトレーニングも目を離さずに見守ってくれて、一日一日を無駄にせず練習することができました。マットで実践練習ができるようになったのは、試合まであと1か月の頃。そうして迎えた世界選手権の決勝で、勝つことができて本当に嬉しかったです。

夏のオリンピックに向けて猛練習の日々だと思いますが、現在はどんなトレーニングに取り組まれていますか?

世界は強い選手ばかりなので、昨年と同じ練習をしていては、自分を上回ってくる選手が必ずいます。フィジカル面をパワーアップするために、心肺機能を高めるバイクのトレーニングもしています。技術面では、得意なタックルをもっと磨いて、自分のポイント力を高めたいです。また、最重量級なので、軽量の選手に比べるとスピードが劣るため、東洋大学ではいつも軽量級や男子選手とも練習をして鍛えています。

日頃から大切にしているモットーはありますか?

笑顔を意識しています。笑うことが、負の連鎖を断ち切る方法だと思っているので、落ち込むときもありますが、なるべく笑うようにして、時には笑いが起こるように行動したりしています。いつでも〝ビッグスマイル〞を大切にしたいです。

「カワイイ」と印字されたマウスピースや、ネイルやアクセサリーなど、ファッションも注目されていますね。

マットを降りたら、ふつうの女の子なので(笑)。かわいいものや、おしゃれなものが好きで、自分のテンションをあげています。マットに上がったらトレーニングに集中して、オンオフの切り替えを心掛けています。

最後に、パリオリンピックへの意気込みを聞かせてください。

オリンピックにおいて、世界の強豪選手がたくさんいる最重量級では、日本人はまだ金メダルを取っていません。私がその第1号になれるようにしっかり準備をして、必ず成し遂げます。前田コーチと一緒に、オリンピックのマットでウイニングランをしたいです。


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本学の練習場に掲げられている、鏡選手直筆の目標が書き込まれた短冊。