
学部長メッセージ
「理の知」と「工の知」で
持続的発展可能社会を支える基盤を切り拓く
東洋大学理工学部は、自己の本質を見失わない生き方としての「哲学」を持ち、「理の知」と「工の知」を融合する次世代ものづくり技術の担い手として、グローバル社会に貢献できる人間性豊かな「人財」(実践的エンジニア)の育成を目指しています。
理工学の「理」は、自然の摂理を探究する方向性を表します。これは、自然現象に対する知的好奇心に根ざした分析的な論理的思考によって支えられています。種々の自然現象の背後にある法則性を見いだし、体系化を目指した結果が「理の知」といえるでしょう。
理工学の「工」とは、「ものづくり」といえます。私たちの身の回りにあって私たちの安全で快適な生活を支える人工物(コンピュータ・自動車・飛行機・建物・橋梁など)やそこに使用される材料(金属・プラスチック・薬品など)、さらには社会インフラ(交通網・電力供給網・通信網・プラントなど)の構築技術は、使う目的に応じて、自然界の法則を人間社会に役立つように統合して応用する取り組みの結果であり、「工の知」の産物といえるでしょう。社会的要請に応じたものづくりのためには、課題の発見、解決能力を身に着けておく必要があります。どのような分野であっても、大規模データの取り扱い、デジタル技術の活用は避けられないでしょう。また、多くの局面で他者との協働が求められるため、コミュニケーション能力も欠かせません。
急激に発展した科学技術がもたらす環境への影響は、人類が長い歴史の中で環境に与えた影響とは比較にならないほど大きくなっています。したがって、持続的発展社会への貢献のために、個々のエンジニア、科学者が広い視野と高い倫理観を備える必要があります。総合大学である東洋大学では、「総合知」教育として専門性にとらわれない幅の広い教育を受ける機会に恵まれています。
理工学部では、「理の知」、「工の知」を共に学びます。「理の知」、「工の知」は共に、本質的にグローバルなものです。したがって、「理工学」を学ぶことはグローバル社会をよく生きるための切符を手にする一手段でもあるわけです。理系に関心があるけれど難しそうだと躊躇する方がいらっしゃるかもしれません。理工学部がある川越キャンパスでは基礎科目の学習支援室などサポート体制を充実しています。意欲がある方には道が開かれるでしょう。東洋大学理工学部では、多様な視点を持った技術者、研究者を輩出するように教育システムを今後も充実させてまいります。関心のある方は少しだけ勇気を出して理工学の扉をたたいてみてください。将来社会のため、共に学びましょう。
PROFILE プロフィール
所属:
理工学部 電気電子情報工学科 教授/工学博士
専門分野:
応用物理学・工学基礎、応用物性