ACADEMICS & GLOBAL 日韓3+1プログラム

日韓3+1プログラム

「日韓3+1プログラム」とは、2018 年から韓国政府が主導して準備を始めたプログラムで、同プログラムに参加する韓国人の学生は、韓国で3年、日本で1年修学し、韓国の大学を卒業後、日本で就職を目指します。


日韓3+1プログラム誕生の背景には、韓国で長く続く就職氷河期があります。韓国では4 年制大学を卒業しても平均就職率が54% と低い状況です。一方で、韓国には日本語を学び日本語力が高い学生が多いため、韓国政府は、日本の大学と連携し、これらの学生の強みを活かす仕組みづくりを行なっています。既にパイロットプログラムが始まっており、韓国人学生の日本での就職に繋げることが期待されています。

本学も2019年度よりこの取り組みに参加し、学生間の交流促進や留学生の就職支援を拡充させてきました。同プログラムでは、日本語能力試験のN2レベル以上を取得した韓国の学生を交換留学生として受け入れ、日本での就職活動を支援するため、ビジネス日本語やビジネスマナーの講座、インターンシップ等に積極的に参加してもらいます。本プログラムの対象大学は、仁荷大学、大邱大学および釜山外国語大学です。

「3+1プログラム」学生インタビュー

東洋大学は2019年から日韓3+1プログラムで韓国人学生の受入を開始しましたが、その直後にコロナ禍により受入を停止せざる得ない状況が2年間続きました。しかし、2022年度から交換留学生の受入の再始動に伴い、日韓3+1プログラムでの受入も再開し、2022年度は9名、2023年度は2名の学生を韓国の大学から受け入れました。
3+1プログラムの学生達は、1年間の交換留学中に、ビジネス日本語力を高める講座やテストを受けるとともに、インターンシップなどを通じて日本のビジネス文化への理解を深める取り組みを行います。日本人学生や日本の大学に正規学生として在籍する外国人留学生と同じ土俵で行う就職活動は大変なことが多い中、毎年、日本企業から内定を獲得できた学生を輩出しています。 本記事では、内定を獲得した学生へのインタビューをご紹介します。

クォン•ジュンヒョクさん(釜山外国語大学) 

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「自分が何をしたいのか」を早い段階で明確にすることが、何よりも大切

クォン•ジュンヒョクさん (釜山外国語大学)

2024年夏から2025年秋までの1年間、3+1プログラムの交換留学生として、本学で学びながら就職活動を行ったクォン•ジュンヒョクさん。勉強と就職活動を両立させながら、航空会社1社から内定を獲得。ジュンヒョクさんの就職活動に関するお話をお伺いしました。

留学と就職、両方に挑戦できる環境を求めて

韓国にいた頃、「いつか日本で留学をし、できれば就職活動も経験してみたい」という漠然とした夢を持っていました。きっかけは、軍服務中に日本の海上自衛隊と交流した際に、日本社会の中で実際に働きながら、もっと日本人と関わりたいと思ったからです。そんな時に、東洋大学の3+1プログラムを知りました。留学経験だけでなく、日本の就職活動に必要な支援を受けることができることに非常に魅力を感じたため、参加を決意しました。学業とキャリア設計を同時に進められる環境は、私にとって大きな価値がありました。

大切なのは、進みたい方向を明確にし、「きっとできる」と信じること

就職活動に取り組むにあたって、まず「自分は何をしたいのか」を明確にすることが最も大切だと考えました。 限られた時間の中で効率的に就職活動を進めるために、あまり興味を持てない分野は思い切って候補から外し、「やりたいこと」だけでなく、「自分にできること」や「強みを活かせること」を軸に進めました。
就職活動中は、学業との両立に不安を感じることもありましたが、そのようなときには大学の留学生就職支援室を訪れ、専門の相談員の方と話すことで気持ちを整理し、自分と向き合う時間を持ちました。次第に「きっと自分ならできる」という自信が芽生え、面接の場では「ここで働きたい」という気持ちをしっかりと言葉にして伝えることができました。その積み重ねが、今回の内定獲得に繋がったと思います。

就職活動を終えて

就職先が決まった時、これまで一生懸命準備してきた日々を思い出すと同時に、努力が一つの形になったという点で、大きな達成感を感じました。 もちろん、新しい環境への不安や緊張もありますが、今回のプログラムでの経験から、これからも自分を信じてどんな試練でも乗り越えられると確信しています。就職後も、責任を持って業務に取り組み、日本社会に少しでも貢献できる人材になれるよう努めます。

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大阪万博に行った時の写真

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奈良公園の鹿と触れ合う写真

後輩にメッセージ

日本での留学生活に加えて、就職活動を同時に行うことは、確かに簡単なことではありません。 焦りや不安を感じることもありますが、その一つひとつの経験が、自分自身を大きく成長させる貴重な時間になると信じています。
私がこの経験を通して強く感じたのは、「自分が何をしたいのか」「どの方向に進みたいのか」を早い段階で明確にすることが、就職活動において何よりも大切だということです。 自分が興味のある企業を調べ、その企業が求める人材像を理解したことが、限られた時間の中で最も効率的な準備方法だったと感じています。
そして、最も大切なのは、「自分を信じて一歩を踏み出す勇気」だと思います。 もちろん、外国人としての就職活動には、不安や戸惑いを感じる場面もあるかもしれません。しかし、そのすべての経験がやがて自身の強みとなり、未来につながるかけがえのない財産になると、私は信じています。
そして、もし就職活動がうまくいかず、迷いや不安に直面したときは、「自分はなぜこの道を選んだのか」という原点に立ち返ってみてください。 きっと、最初に抱いた強い気持ちや、本当にやりたかったことに気づくはずです。 だからこそ、自分を信じて、どうか堂々と前に進んでください。

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夢を見ていた航空業界から内定を獲得したジュンヒョクさん。日本での就職活動を終えて、より自信にあふれた様子で就職活動の体験談を語ってくださいました。4月から日本で働き始めるジュンヒョクさんが、本学での留学生活を通して得た経験を、新たなステージで存分に発揮されることを期待しています。東洋大学国際教育センターでは、今後も「3 + 1プログラム」を通じて、日本での就職を目指す韓国人学生を支援していきます。

チェ•ジンヒョクさん(釜山外国語大学) 

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迷いながらも貫いた、自分らしい就活のカタチ

チェ•ジンヒョクさん (釜山外国語大学)

2024年夏から2025年秋までの1年間、3 + 1プログラムの交換留学生として、本学で学びながら就職活動を行ったチェ•ジンヒョクさん。勉強と就職活動を両立させながら、アーキテクトディベロッパーを含む2社から内定を獲得。ジンヒョクさんの就職活動に関するお話をお伺いしました。

異国で働く楽しさと成長を求めて―日本就職という選択

就職を考えた際、「せっかく働くなら、自分の視野を広げられる環境を選びたい」と思い、異国での就職を希望するようになりました。異なる文化の中で働くことは、日々学びがあり、人生を豊かにしてくれると考えたからです。

なかでも日本は、これまで日本語を学んできた背景もあり、言語を活かしながらさらに深く文化を理解できる魅力的な場所だと感じました。

さらに、日本では就職支援室や各種プログラムのサポート体制が充実しており、留学生にも安心して挑戦できる環境が整っていることも大きな決め手となりました。

就職活動に正解はないからこそ、自分の価値観に正直でいたい

就職活動を進めるにあたり、自分が本当に望む業界についてじっくり考えたうえで、「本当に働きたい」と思える企業に絞って積極的に選考を受けました。私は「数」よりも「質」を重視し、不動産業界を中心に企業研究を行いました。

不動産業界に関心を持つようになったのは、ボランティア活動を通じて日本の地域活性化に関わった経験がきっかけです。地域の活性化には人材の確保が重要であり、そのためには人々が安心して暮らせる住まいやインフラの整備が欠かせないことに気づきました。この気づきが、不動産業界で働くことへの強い関心につながりました。

どのような戦略が正しいかは一概には言えませんが、自分の性格や価値観に合った方法で就職活動を進めることが、最も大切だと感じています。

留学生として直面した現実と、乗り越えた壁

留学してから数か月が経った頃でも、「本当に自分が就職する」という実感がわかず、就職活動の準備を始めるのが遅れてしまいました。実際に就職活動を始めたのは、来日から半年以上が経った2月からでした。

その頃は、学校の授業やテストに加え、履歴書の準備や面接も重なり、とても大変だったことを覚えています。特に、面接で不合格になったり、「交換留学生だから」という理由で企業から連絡が来なかったりしたことは、精神的にも辛い経験でした。

また、日本語での面接では、敬語や就職活動特有の表現に慣れておらず、戸惑うこともありました。しかし、インターンシップの経験を通して、少しずつ敬語に慣れていきました。特に、ラフォーレ修善寺でのインターンシップでは、丁寧な言葉遣いや接客マナーを学ぶことができ、それらを面接の場でも活かすことができました。


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赤羽キャンパス近くでの穏やかなひととき

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江ノ島で撮影した写真

日本で就職をしたい「3+1プログラム」の学生へのメッセージ

日本での就職を考えているなら、できるだけ早く「自分は何がしたいのか」「どんな準備が必要か」を現実的に考えてみてください。

交換留学の1年間は、旅行や遊びにも力を入れたくなると思いますが、就職活動のことも意識しながら過ごしてほしいです。私は、実際に準備を始めてみると、1年では足りないと感じました。

日本の就職活動には独特のスケジュールや進め方があるため、早めに流れを把握しておくことが大切です。私は、担当の先生や就職支援室の方に相談しながら進めていました。中でも、エントリーシートの添削をしていただいたことはとても役に立ちました。

また、面接では「自分の言葉で伝えること」がとても重要です。しっかり準備をしていても緊張してしまうことはありますが、自分の気持ちを整理し、本当に思っていることを素直に伝えることで、相手にもその思いが伝わると思います。

限られた留学期間の中でも、自分の将来に向けて少しずつ動き出すことが、きっと次につながるはずです。頑張ってください。


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ジンヒョクさんは、日本での就職活動を経て内定を得たものの、最終的に日本で働くか韓国で働くかについては、まだ悩んでいるとのことです。これは、日本での留学生活を通して異文化の違いを実感したからこその悩みだと感じています。日本での就職活動を乗り越えた経験を、今後のキャリアにぜひ生かしてほしいと思います。東洋大学国際教育センターでは、今後も「3 + 1プログラム」を通じて、日本での就職を目指す韓国人学生を支援していきます。

チャン・ヒョンソさん(釜山外国語大学)

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自分が何をしたいのかということを深く考え、焦らないこと

チャン・ヒョンソさん (釜山外国語大学)

2023年秋から2024年夏までの1年間、3+1プログラムの交換留学生として、本学で学びながら就職活動を行ったチャン・ヒョンソさん。勉強と就職活動を両立させながら、関西国際空港を含む5社から内定を獲得。チャンさんの就職活動に関するお話をお伺いしました。

中学生で初来日。それから毎年日本に。

中学3年生の時に、日本留学をしていた友達のお姉さんを訪ねて、友達と二人で大阪に行ったのが初来日です。来日前に旅で必須の日本語フレーズをいくつか覚えていきました。一言、二言の日本語しか話せなかったのですが、それでも日本人から「日本語上手だね」と褒められたのがとてもうれしくて、それをきっかけに日本語を勉強するようになりました。それから毎年日本に来ています。高校卒業後には1人で岐阜県に1か月滞在したこともあります。普通の旅行では見られない日本を見たいと思ったのが理由です。岐阜県の街に1か月滞在する外国人は珍しかったようで、街の人にはよく気にかけてもらえました。そうやって日本への関心を自分の中で高めている中で、東洋大学の3+1プログラムの情報を入手し、日本で働きながら住みたいと思い、応募しました。

コロナ禍で留学が延期となっていた期間に猛勉強した中国語が評価される

最初は、日本の就職の現状を深く理解できておらず、内定もすぐにもらえるものだと勝手に思っていました。しかし、就職活動を進める中で厳しい現実に直面し、挫折し、一時期は本当にどうしたらいいか迷っていました。就職相談をしたり、自分を振り返る課題をしながら、応募する企業はどこでもいいというのではなく、自分に合う仕事は何なのか、自分の強みを活かせる仕事はどんな仕事なのかということを見つめ直しました。

私は元々、海外の文化と出会える仕事に関心がありました。また、常に人とコミュニケーションをとるような仕事よりは、事務的な仕事が合っているということを自分で再確認し、そのような業界や職種に絞って就職活動をするようにしました。 また、自分自身の強みとしては、韓国語や日本語以外に英語や中国語もできるということが評価されたと感じています。小学生の時に、毎年2か月ほどフィリピンに留学したこともあり、英語もある程度分かります。更に、コロナ禍で留学が延期となっている時期に、何もできない状況が悔しくて何かをしなければと感じ、言語の勉強をしたいと思いました。そこで、1年間中国語を猛勉強しました。これらの経験の積み重ねが、日本での就職活動で評価されたのではないかと感じています。

NHKワールドJAPANを”子守歌”に寝る生活

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来日前から日本語はずっと勉強していました。当時は日本語の聞き取りがあまりできていなかったため、日本語を浴びるように聞くために、NHKワールドJAPANを寝る前に付けて、聞きながら寝ていました。そして、毎朝起きたら、夜中に付けていたNHKワールドJAPANを止めて、一日が始まりました。 中国語の勉強をしたことにより、漢字が日本語の漢字なのか繁体字なのか一時期混乱するようになってしまい、日本に来てから半年間は日本語に集中するために、中国語の勉強を一旦中断しました。今は、中国語の勉強を再開しています。東洋大学の授業を通じて受験したBJTは就活や日本語力の向上に役に立ちました。また、STEP-UP講座のビジネス日本語を受講したことがとても役に立ちました。企業にメールを送る時など、具体的なケースに対応したビジネス日本語を修得することができました。

日本留学中の思い出

富士山を背景に

日本で就職をしたい「3+1プログラム」の学生へのメッセージ

私は、日本に来る前、日本で就職活動をすることを怖く感じたり、大変だと思うこともあり、本当に参加するべきかどうか、正直もう一度考え直そうかと思ったこともありました。しかし、東洋大学では3+1プログラムの学生が参加できる様々なプログラムもあり、手厚い支援もありました。自分自身が就職活動をどう進めたらいいのか悩んでいた時に、3+1プログラムの担当である二子石先生が、「自分が何がしたいのかをしっかり考えて下さい」と話して下さったことをきっかけに、自分自身が本当に好きなもの、やりたいことなど、自分自身を深く見つめ直しました。自分が何を本当にしたいのかということが分かった後の就職活動では、会社や業界を絞ることができたことにより、企業研究やエントリーシートや面接対策もきちんとできるようになり、余裕が生まれました。

日本で就職をしたい「3+1プログラム」の学生に伝えたいことは、自分が何をしたいのかということを深く考えること、焦らないこと、そしてインターンシップに参加することを頑張ってほしいです。
私は、日本留学中にインターンシップに参加しなかったのですが、参加した学生からはとてもいい経験だったと聞いています。また、企業の面接でもインターンシップ経験についてはよく聞かれたので、インターンシップに参加すればよかったと今では思っています。


チャン・ヒョンソさんは、日本での就職活動で5社から内定をもらったものの、最終的にどの企業で働くことにするかということはまだ悩んでいるとのこと。将来のキャリアの大きな一歩になる就職先については、本人が納得し、一番力が活かせる企業を選んでほしいと感じています。東洋大学国際教育センターでは、今後も「3+1プログラム」を通じて、日本での就職を目指す韓国人学生を支援していきます。

キム・ヒョンジュンさん(釜山外国語大学)

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絶対に必要なのは「高度な日本語力」と日本で就職したいという「覚悟」

キム・ヒョンジュンさん (釜山外国語大学)

2022年秋から2023年夏までの1年間、3+1プログラムの交換留学生として、本学で学びながら就職活動を行ったキム・ヒョンジュンさん。勉強と就職活動を両立させながら、大学生協の4団体から内定を獲得。彼の就職活動における戦略と原動力は何か。お話をお伺いしました。

友達に背中を押されて3+1プログラムに応募

実は、釜山外国語大学に入学した当初は、日本に暮らすことや日本で就職するという考えは全くありませんでした。大学入学後、軍隊へ入隊し、その後の1年間の契約職の職業軍人として勤務した後、自分の適性がある将来の職業は何か、人生に少し迷っていた時期がありました。その時に、自分は日本語を専攻しており、日本が好きだったので、韓国国内で日本語を活かせる仕事への就職を考え始めていた時に東洋大学の3+1プログラムの知らせがメールで届きました。当時、それを読んでも、自分にできるわけもないと考え、申込をする予定もなかったのですが、友達が「就職がだめでも留学としてはいい経験になるから応募してみたら」と、背中を押してくれて、エントリーすることになりました。

業界を絞り、深い業界研究と熱意でPR

就職活動を始めてから、とりあえず企業にエントリーをしましたが、さんざん落ちました。運よく1次で受かっても2次で落ちてしまい、かなり落ち込んでいました。

このままでは絶対に就職できない気がしたので、もう一度、自己分析と自己内省を行い、その結論は、適当によさそうな企業に応募していたので、企業理解も不足しており、熱意が足りないことが企業に伝わっていたのではないかということでした。

そこで私は業界を大学生協に絞ることにしました。その理由は、もともと私は大学が好きで、人のために働くことも好きだったので、大学生協の説明会を聞いたときに、ここで働きたいと強く思ったということがあります。更に大学生協といっても、地区ごともしくは大学ごとに分かれていて、募集もそれぞれで行われているので、大学生協に絞ったとしても、多くのエントリーをすることができます。業界を絞ったことで、企業理解も深まり、面接の経験を次の面接にも生かすことができました。全国の大学生協に応募していたので、全国の大学生協の人事部の中でも有名人になっていたと聞きました。採用してくれた人事部からフィードバックを頂いたときも、大学生協で働きたいという熱意がとても感じられたとのことでした。一つの業界に集中しつつ、リスクを分散し、熱意を示すことができたとことが内定獲得につながったと感じています。

「3+1プログラム」だからこそ手厚い支援が受けられた

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留学生として、大学の授業と就職活動を両立させることが大変でした。通常の日本人学生は、4年次では授業を少なくなるように4年間の履修計画を立てますが、留学生の場合は、母校で卒業するために留学中に取得しなくてはいけない単位数も多いのが大変でした。ただ、母校で就職活動をしたら大勢の学生の一人になりますが、「3+1プログラム」で就職活動をしたことにより、東洋大学国際教育センターから手厚いサポートを受けることができたので、よかったです。また、留学生就職支援室等の充実した支援は就職活動で役に立ちました。

日本で就職をしたい「3+1プログラム」の学生へのメッセージ

日本語が基本であり必須

1番目としては日本語力がとても重要であるということです。高度な日本語ができるようになって、ようやく日本人学生と同じスタートラインに一緒に立てるようになります。しかし、それだけではプラスにはならない。日本人学生と同じレベルでは、日本の企業の人事部は日本人を採用するでしょう。外国人学生を採用するのはリスクがあるからです。そのリスクをとってでも欲しいという高い能力を持たないと日本人との競争に勝てないと感じました。伝えたいことが沢山あるのに日本語力のために明確に伝えられないということで苦しんでいる外国人学生を見てきました。日本での就職活動では、日本語が基本であり必須です。来日する前に日本語力を高めて、テストの点数ではなく、イントネーションやニュアンスもできるようになる実践的な勉強したほうがいいと思います。

日本で就職するという覚悟

2番目に重要なことは、日本で就職するという覚悟です。日本では、人手不足の業界では外国人留学生でも就職しやすいかもしれませんが、日本人学生も入りたいような業界を目指すのであれば、日本人学生の頑張りを「1」とするのであれば、外国人留学生は「1.5」もしくは「2」ぐらい頑張らないといけないと感じました。 「3+1プログラム」は本気の就職を目指すものであるので、留学を楽しむだけではなく、就職を念頭に活動をしなくてはいけません。覚悟を決めてこないと、「留学も楽しめなかった上に、就職もできなかった」という経験になってしまうかもしれません。もし留学を楽しみたいだけであれば、普通の留学の方がいいと思います。

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東洋大学留学中の友人とのリラックスしたひと時

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交換留学生修了式で総代挨拶をするキム・ヒョンジュンさん

2023年8月に韓国に帰国し、最後のセメスターを母校で過ごすキム・ヒョンジュンさん。
今までの留学や旅行では「お金を使う立場」として日本に暮らしていたが、今後は「お金を稼ぐ立場」として日本で働くことになる新しい未来について、期待と不安の両方の気持ちをにじませます。しかし、人生の大きな課題である就職を乗り越えたという安心感が得られ、自分自身についても自信もついたそうです。 東洋大学国際教育センターでは、今後も「3+1プログラム」を通じて、日本での就職を目指す韓国人学生を支援していきます。
ウ・ジュヨンさん(釜山外国語大学)

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日本で夢を実現! 中学生の時から目指していた航空業界で就職
 

ウ・ジュヨンさん(釜山外国語大学)

2022年秋から2023年夏までの1年間、3+1プログラムの交換留学生として、本学で学びながら就職活動を行ったウ・ジュヨンさん。勉強と就職活動を両立させながら、日系エアラインとホテル・リゾートを経営する大手企業の2社から内定を獲得。来日する前から、希望する業界は航空業界とホテル業界と話しており、ぶれずに1年間の就職活動を貫き、希望していた業界の企業から内定を獲得しました。彼女の経験をお伺いしました。

日本で留学という夢を実現するために「3+1プログラム」に応募

私はもともと大学在学中に海外留学することが夢でした。その中でも日本に留学したいと思っており、留学プログラムを探していた時に「3+1プログラム」の案内を目にしました。日本に住んで、日本で働くことは面白そうだと思い、「3+1プログラム」に応募しました。今まで、大阪や京都には旅行として行ったことがあるのですが、今回の留学で初めて東京にきました。すべてが新鮮に感じました。

面接とは、自分を知らない人に自分を知ってもらうプロセス

就職活動は日本人学生が行うことが前提となっており、留学生として日本人学生と競争しなくてはいけません。そこで、日本語の話し方やエントリーシートの書き方などに重点を置いて就活対策をしました。具体的には、自分が住んでいる国際寮に住む日本人学生や留学生の友人を相手に面接練習をしたり、エントリーシートを日本人学生にも見てもらい助言をもらったりしました。また、就職活動の面接とは、私を知らない人に私を知ってもらうプロセスだと思っています。だからこそ、私が今住んでいる国際寮にいる全く知らない留学生に対して自己紹介をして、自分をどのように説明したらわかってもらえるのかという練習や分析、知らない人と話す練習を繰り返すことで、緊張しないようにする対策をしました。

航空業界とホテル業界は中学生の時から目指していた夢

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中学生の時から客室乗務員を目指しており、航空業界やサービス業界の勉強をしていました。人のために働き、お手伝いをしてお客様に喜んで頂けるような仕事をしたいと思っており、航空業界とホテル業界に絞って就職活動をしました。中学生の時から準備していたということと、母校では英語と中国語を専攻しているため、母語である韓国語や日本語に加えて、英語と中国語ができるということが強みになったと感じています。日本で留学生活と就職活動の両立によって得られたものは、日本語の授業だけではなく、企業情報や募集要項を読んだり、エントリーシートを書いたりすることで、日本語力がとても上がったことです。ただ、交換留学生は1年間のみの滞在になるのですが、就職活動で忙しくて、他の交換留学生のように日本国内を旅行したりできなかったことが少し残念でした。昔から目指していた仕事に就くことができるということに、まだ実感を持てない感じです。
来年から日本で就職するということに対して不安な気持ちとワクワクしている気持ちがあります。

日本で就職をしたい「3+1プログラム」の学生へのメッセージ

4年生から始まる日本とは違っていて、韓国の就職活動は、大学卒業してから始まることが多いです。それがゆえに、「3+1プログラム」で来た韓国人の学生は、日本の方が韓国より就職活動が始まるタイミングが早いので、最初は何をしたらいいのか分からないという状況になってしまうかもしれません。そのような時は、まずは大学でやっているいろいろな就職支援プログラムに参加することが一番いいと思います。私は冬休みにラフォーレ修善寺でのインターンシップに参加しましたが、その経験がとても役に立ちました。もともとサービス業界に入りたかったので、ホテルでインターンシップを経験し、日本のホテルの仕事内容やどのような働き方がされているのかということを直接知ることができました。ラフォーレ修善寺では、サービス業界に必要な知識・経験だけではなく、一般的な日本のビジネスシーンで求められる態度や話し方や上司との話し方などを学ぶことができ、本当に良かったです。サービス業界を目指している学生でなくても多くの学びがあると思います。

また、業界の動向を知るために、積極的に合同企業説明会に参加したり、夏休みに行われたビジネス日本語の課外講座に参加したりすることも、大変勉強になったのでお勧めです。

 韓国の就職活動は、もともとスペックが高い人や即戦力となる人を採用する傾向があると聞いていますが、日本の企業はその人の将来の可能性を見てくれていることが感じられ、すごいなと感じました。だからこそ、面接で今までの経験やエピソードを話すことで、自分らしさを見せていくことが大切だと思います。
中学校時代から夢見ていた航空業界とホテル業界の企業から内定を獲得したウ・ジュヨンさん。日本での就職活動を終えた安堵感、希望業界での内定獲得の嬉しさ、そしてこれから日本で働く期待と不安の気持ちを正直に話してくださいました。東洋大学が提供する就職支援プログラムやラフォーレ修善寺でのインターンシップの経験が彼女の就職活動や学びに役に立ったという言葉はプログラム担当としても大変うれしく感じました。

東洋大学国際教育センターでは、今後も「3+1プログラム」を通じて、日本での就職を目指す韓国人学生を支援していきます。