先輩からのメッセージ 山田 一輝さん

Q.進学を決意したきっかけは?

学部生で学んだ知識を、実践したいと思ったからです。学部生は理論を学ぶことがメインで、実際にモノを作ったり、実験したりすることが少ないと感じていました。学部4年次に研究室に配属され、研究を始めました。しかし、1年間では研究が完結せず、もっと研究をしたいと思い、大学院進学を決めました。加えて、国際学会で自分の研究を発表したいと思ったからです。国際学会での発表は全て英語で行うため、語学力が必要になります。私は学会発表を通して、語学力はもちろん、様々な価値観や文化を理解し、将来グローバルに活躍したいと思いました。そこで、毎年たくさんの国際学会で発表を行っている、Human Robot Interaction研究室に進学しました。

 

Q.機能システム専攻はどのような分野ですか?

機能システム専攻は、機械工学・電気工学・情報を融合させた専攻です。ロボットを例にすると、ロボットのハードウェア(構造)は機械工学、電源やマイコン、モータなどを実装(配線)するのは電気工学、ロボットを動かすためのプログラミングは情報の知識が必要です。これらの知識を学び、実践できる専攻です。

 

Q. 現在の研究テーマを教えてください。

研究テーマは「歩行促進のための腕振り誘導装置」です。腕振りを誘導する装置を開発し、歩行を促進することが目的です。歩行を促進することで、高齢者の身体能力の衰えを防ぎ、健康寿命を延ばすことにつながります。この装置はモータとリニアレールで構成され、前腕に装着します。装置の重りを任意のタイミングで前腕長手方向に移動させることで、パラメトリック励振が起こり、腕振りを増幅させます。身近な例にブランコが挙げられます。乗っている人が重心を上下に移動させることで、ブランコの振幅が大きくなります。本研究では、ブランコをヒトの腕、重心移動を装置の重りが担い、腕振りを増幅させます。そして、四肢の協調関係より、腕振りを増幅させて、歩幅も増幅させることで、歩行を促進します。

   

Q.研究の面白みはどのようなことですか?

自分が想い描くものが形になった時です。本装置は、提案~設計~製作まで全て自分で行いました。提案では、何が問題か、問題をどのような手法で解決するか、装置の機構はどうするかなど、研究の大枠を決めました。設計では、シミュレーションを行い、装置の細かな寸法を決め、モータのトルク計算を行い、部品を選定しました。また、既存の部品が無ければ、自作しました。製作では、ボール盤などを用いて、設計通りに加工しました。最後に、各部品を組み立てました。そして、要求仕様通りの動きを再現できるか確かめました。装置が初めて動いた時の嬉しさと達成感が病みつきになります。これがモノづくりの面白みだと私は思います。

Q.その研究に興味を持ったきっかけは?

社会問題の1つに少子高齢化があります。そこで、高齢者の支援ができる装置を生み出したいと考えました。高齢者が不自由になってしまう1番の原因である転倒に注目し、転倒を予防する有効な方法が歩行促進でした。現在の歩行アシスト装置は、リハビリ目的であることや、装置が大きく、装着に労力を要することが問題でした。そこで、私は日常生活で使用が可能で、簡単に装着できることに焦点をあて、本研究テーマにしました。

 

Q.研究での苦労はありますか?

過去に前例がないので、どこにも答えがなく、自分で答えを導き出すことです(苦労と同時に、自分が前例を作れるので、成果がでた時の達成感のほうが勝って、苦労なんて忘れてしまいます)。結果が出るまでは、私が考えていた仮説が正しいのか、方法は間違っていないかなど、多くの不安があります。この不安を少しでも払拭するために、先生や先輩に相談をしたり、先行研究を調べたりして、根拠を固めていきます。苦労を乗り越えるために必要なことは、失敗を恐れず、何事もチャレンジすることです。失敗しても、そこから学べることはたくさんあります。失敗した後、どれほど深く考察するかが大切です。必要なことは、根拠のある自信を持つことです。

 

国際学会での発表について:

IECON 2020 The 46th Annual Conference of the IEEE industrial Electronics Society

ICIT 2021 The 22th IEEE International Conference of Industrial Technology

 

Q.学会発表に向けた取組み(準備・活動)を教えてください。

国際学会だったので、英語での原稿執筆・発表資料作成をしました。これらの活動は指導教員と相談しながら行いました。発表は誰が聞いても理解できるように、簡単な英文で構成し、動画や写真を多く用いました。発表は新型コロナ感染症の影響で、オンライン開催でした。発表練習は研究室の学生にも協力してもらい、分かりやすい発表を目指しました。

 

Q.学会での発表はいかがでしたか。

聴衆に発表内容を理解してもらい、フィードバックをもらうことができました。しかし、オンライン開催でしたので、現地での雰囲気を味わうことができなかったのは残念でした。発表を行うことで、自分の研究を多くの人に知ってもらうことができ、かつ、英語やプレゼンテーションスキルを向上させることができました。また、発表を行うことで研究に対するモチベーションも向上し、さらに研究を頑張ろうと思いました。

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Q.今後の目標をお聞かせください。

研究活動を継続的に進めると同時に、語学力の向上や、学生時代にしかできないことへ新たにチャレンジしたいです。また、研究室で行っている「つくばチャレンジ」という自律走行ロボットを街中で走行させるプロジェクトにも注力していきたいです。今年こそは、国際学会では対面で発表したいです。

 

Q.現在の課題と将来の目標(夢)は?

将来の夢は、自分が携わった研究や製品・サービスが、世の中で人々の助けになり、それがいつしか、社会の当たり前になっていることです。そんな社会人、エンジニアになりたいです。

 

Q.大学院進学を検討している人にアドバイスをお願いします。

自分に問いかけてみてください。大卒であることに自信を持って社会人になれますか?今ある自分の知識をもっと活用したくありませんか?自分の可能性に勝手に蓋をしていませんか?もちろん、金銭的な理由で諦めている方もいるかと思います。しかし、奨学金制度も整っています。大学院卒では、初任給も学部卒と比べて大きく変わってきます。大学院2年間は、大きく成長できる2年間です。少しでも大学院を検討しているのであれば、まずは、将来像を描きだしてみてください。そして、研究室見学等を行って、大学院進学後のイメージを具体的にしてみてください。私は、大学院に進学して、とてもよかったです。

 

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