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生命科学研究科 先輩からのメッセージ(守野 正人さん)

先生が見せてくれた海外への道が、続けてきた研究に新しい可能性をもたらしてくれそうです。

Q.現在研究している細菌には、大学に入学する前から興味をお持ちだったそうですね

ええ。ただ、当時の興味は今よりずっと漠然としていて、正確には「極限環境微生物」といわれる微生物全体への興味でした。実は、関心を抱くきっかけになったのは、東洋大学のパンフレットだったんですよ。志望校を決めるためにパラパラとめくっているときに、その研究をしている先輩の話が大きく載っていて「へえっ、そんな生物がいるんだ!」と、強く印象に残ったんです。
もともと、生物に対する関心は高い方でした。でもそれは、「動物」ではなく「生物」、つまり「生き物が生きているのはなぜなんだろう?」という根元的な興味です。微生物を研究しようと思ったのは、できるだけ構造がシンプルな生物を対象にした方が、その答えにたどり着くのも恐らく早いのではないかと考えたから。現在は、「好アルカリ性細菌」という、その名の通り、例えばソーダ湖やし尿処理場などpHの高いアルカリ環境に好んで生息する極限環境微生物を研究しています。

Q.微生物の研究はどのように活かされるものなのですか?

例えば、お酒や味噌、醤油のように食物が発酵することでできる食品がありますよね。その発酵作用は微生物によってもたらされるものですし、細菌がもっている酵素の特性を利用して作られた薬品も非常に多いんです。ですから、微生物の研究は医療、食品、その他産業の発展に貢献できる可能性がある分野だと言えます。
まぁ、僕の研究している「好アルカリ性細菌」は、まだまだ未知の部分が多く、どう役立てるかを考えるのは次の段階。今はひたすら基礎研究の日々という感じですけどね(笑)。

Q.昨年は短期留学も体験されたとか

「はい。ニューヨークで2カ月の短期留学を2回ほど。向こうの環境はどうやら自分に合っているようで、不思議なほど研究に没頭できたことが心に残りました。以来、修了後の進路として、海外で研究生活を送るという選択肢も本気で考え始めるようになりました。
この短期留学は、僕の研究室では恒例になっているもので、先生に声をかけてもらって毎年誰かしらが赴いています。「発表の機会は多いほど良い」というのが先生の持論で、学生にも機会をどんどん提供してくださいます。学会やセミナーなどでの発表も、「こういうのがあるんだけど出てみない?」と頻繁に誘ってくださいますし、根気よく発表練習に付き合ってくださったり指導も熱心です。やはり、研究を続けていると視野も狭くなりがちですから、こういったバックアップはうれしいです。「頑張ろう」という励みにもなりますね。

Q.研究を続ける生活は、やはり大変なものですか?

正直、楽しくはないですよ(笑)。でも、苦しいか?と聞かれたらそれもまったくないんです。
細菌の培養などの実験は常に成功するとは限りません。むしろ10やったらそのうちの9は失敗に終わる確率の方が高いです。でも、失敗して滅入る気持ちより、僕は「そのたった1つの成功を見てみたい」という好奇心が勝ってしまうんです。やはり、微生物へのつきない興味、そしてなにより研究が好きという気持ちが、この4年間を支えてきたことは間違いないと思います。今、目の前にはたった1つの成功しかなくても、大学院生活をトータルで見たら、その積み重ねが10か20ぐらいにはなるかもしれない。そんな風に成果が残るのもうれしいですしね。

Q.では、これからの夢や展望について教えてください。

僕は、学部の3年次に今の研究室に仮配属になってから、いつ学部を卒業していつ博士前期課程を修了したのかもはっきりと覚えていないくらい、好アルカリ性細菌の研究にどっぷりとはまっていました。もし、海外に拠点を移すという夢が生まれなければ、後期課程を修了後も、ずっと同じようなスタイルで研究を続けていたかもしれません。でも、研究環境を一新する以上、何らかの形で今の研究に区切りをつける必要もありますし、海外に赴くだけの成果も残して修了しなければいけないとも思っています。そういう意味での、さまざまな準備をすることが当面の目標です。
海外に行ってから何をどうするのか?それは、正直まだ僕にも漠然としかイメージできていません(笑)。でも、新しい環境に身を置いて、新しい出会いを重ねる中で、1つでも何かが見つかれば、それで十分なのではないかと思っています。恐らく「好アルカリ性細菌」と僕との付き合いは、これからもずっと続いていくと思いますしね。

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