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文学研究科 先輩からのメッセージ(大島 正さん)

哲学専攻 博士前期課程2年 大島 正さん

掲載されている内容は2013年6月現在のものです。

大島 正さん
疑問が晴れ、知的好奇心が満たされたときの喜びは、何事にも代え難い。

Q. 仕事を引退されてから、大学院に入学しようと思った理由を教えてください。

私の大学卒業年は1969年です。すなわち、時代は学生運動全盛期で、本人の学問への強い意志に反し、大学は満足に勉強ができる場所ではありませんでした。
志半ばで就職し、長い間企業で勤務していましたが、「学びたい」という気持ちは、ずっと心の片隅にありました。そして、勤務先からの引退を迎えるにあたり、かつての希望を叶えるべく大学院進学を決意しました。

Q. 東洋大学大学院を選んだ理由を教えてください。

勤務先を引退する年の夏休みに、Webで情報を収集したうえで、4つの大学院の説明会に参加しました。社会人や現役引退者でも快く受け入れてくれる環境があったこと、創立者である井上円了先生の「諸学の基礎は哲学にあり」という理念に深く共感したことから、本大学院への入学を決めました。 

Q. 研究テーマについて教えてください。

「マルクスの考え方について哲学的に勉強したい」というのが若い頃からの夢で、入学当初は「マルクスの初期思想とその後の実践運動への関わり」というテーマで勉強していました。マルクス全集を買い、はじめて『資本論』を全巻精読しました。しかし、次第にマルクス主義の致命的欠陥を感じるようになり、現在はマルクス思想の基となったヘーゲルの『法哲学』を中心に、関連する書物をできるだけ系統立てて読んでいます。
修士論文のテーマを模索しているところではありますが、ここに辿り着いただけでも1年間勉強してきた甲斐があったと思います。

Q. どのような大学院生活を送っていますか?

1年目は、火・水・木の平日週3日と、隔週で土曜日に学校に通っていました。2年目の今年は、水・木の週2日通学しています。授業のない日も自宅で哲学書を読んだり、語学の勉強をしたりして過ごしています。

Q. 研究を進めるうえで大変なこと、苦労することはどんなことですか?

哲学書を原書で読むためにドイツ語を勉強しましたが、これには本当に苦労しました。そのため1年目は、大学院とは別に民間のドイツ語教室に週2回通い、ラジオ講座も受講していました。若い頃であればもう少し楽に取りかかれたと思いますが、今では気力・体力・記憶力の衰えを痛感するばかりです。

Q. 大島さんにとって、学ぶことの魅力とはどんなことですか?

自ら希望して選んだ道とはいえ、勉強するということは、ただただ楽しいというものではありません。毎日早起きして、難解な哲学書や不慣れなドイツ語と格闘することは、やはり苦しいものです。それでも、いままで疑問に思っていたことがクリアになり、自分を縛り付けていた先入観から開放されたときに感じる、「知的好奇心が満たされた喜び」は、何事にも代え難いものです。
気力・体力・記憶力が維持できる限り、今後も研究生活を続けたいと思っています。