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先輩からのメッセージ(国谷直己 さん)

教育学専攻 博士後期課程在校生 国谷直己 さん 

※掲載されている内容は2018年7月現在のものです。

学部、博士前期課程、博士後期課程では、学びの性格が全く異なりました

国谷さん


Q.大学院に、進学しようと思った動機・経緯は?

何かを教える(伝える)「教育という営み」とは何なのか。教育学を勉強しながら私自身の被教育者体験を振り返り、私が後世に伝えたいことを体系的にまとめることはできないものか。といった気持ちが芽生えたのが約10年前です。そこで働きながらでも通える、本学文学部教育学科Ⅱ部で教育学に入門しました。そして、約三年半の間に勉強したことの集大成である卒業論文に全力で取り組みました。しかしながら、その自己評価は最低でした。もっと勉強したい、しなければならないと思ったのが、大学院へ進学したきっかけでした。博士前期課程を終えて、会社に就職したのですが、大学で教える機会も得ました。将来の教育者たちと一緒に「教育って何なんだろう?」と、様々な角度や具体的な事象を取り上げて考えました。この体験がとても楽しくて、本格的に大学教員を目指そうと思い、博士後期課程に入学しました。

Q.なぜこの大学院を選んだのか?

博士前期課程のときにお世話になった先生がまだ在職されていたからです。選んだというより戻ってきたという感覚です。その後、先生はご退職され、現在は入学時とは異なる先生にお世話になっています。その先生のご専門は、私が取り組んでいる研究テーマにぴったりと合致しております。日本全国探してもなかなか見つかるものではありません。とても幸運だと思っております。以上のように大学というよりは、指導教員で選びました。

Q.大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことはありますか?

大学、博士前期課程、博士後期課程では、学びの性格が全く異なりました。博士後期課程では、史資料に向き合う姿勢、それをどんどん活字にするといった、セミプロの研究者としての自覚が求められます。私は自分が書きたいことを、思い先行で書いてしまう悪癖があります。それを、私の指導教員は軌道修正してくれます。読み手の気持ちを念頭において、筋を通すこと。研究論文では当然のことですが、これがセミプロの私にはとても難しい。修行あるのみです。         

Q.大学院の魅力は?

東洋大学大学院文学研究科教育学専攻は、もともと夜間開講(現在は昼夜開講)だったこともあり、多くの社会人が在籍しています。様々なバックグランドをもっていらっしゃる方々との出会いは、かけがいのないものになりました。博士前期課程の同期に人生の大先輩がいました。悩んでいると、いつもアドバイスをしてくれます。修了した今でも、同期のメンバー4人は時々集まります。私にとって、とても重要な存在です。

Q.指導を受けた「教員」との「エピソード」を教えてください。

現地調査へ向けてのアドバイスは、蒐集すべき史料について的確なご指導をいただいております。あるとき、戦前の新聞報道や茨城県議会史料などを見ていいると、これまで通史で語られてこなかった事実が浮かび上がってきました。うれしさのあまり、現地から先生の携帯電話へ「出ました!!」と報告したのを覚えております。
またあるときは、「これって君の研究に役立つと思うから見てごらん」と、どの公共図書館にもない貴重な史料を貸してくださいました。そこからは、先行研究で明らかにできていない民間教育団体の創立経緯を読み取ることができました。興奮した私は、すぐさま報告しました。先生は「これは、日本教育史研究者の中でも君と私しか知らない事実かもしれないね」と喜んでくださいました。その経緯となった小学校を訪問したときも、研究者が学校に協力を求めるときの姿勢や段取り等をご指導いただき、さらには一緒に来てくださいました。手厚い研究指導に感謝の気持ちでいっぱいです。

Q.大学院生活の中でつらかったことは?

博士前期課程では、とにかく専門知識を増やしながら、文章(先行研究)を正確に読み取るトレーニングをしました。同時に修士論文も完成させなければなりません。どちらも期限の制約が厳しいので、必死に食らいついていたのを思い出します。一方、博士後期課程では、学会誌等への論文投稿期限にあわせて自ら研究計画を立てなければなりません。仕事と研究の両立は自己管理能力が問われます。時間ばかり過ぎ去ってしまいます。ここに難しさを感じます。

Q.論文の研究テーマ・授業の内容

明治維新の思想的原動力となった水戸学が、昭和戦前の皇国民錬成期に台頭した茨城県教育界において、水戸学がどのように語られ、発展していったのかを解明しています。先行研究では、水戸学が郷土教育運動との関連においてのみ論じられているので、限定的な解釈にとどまっています。私は、郷土教育運動の枠組みから距離をおくことで、その全体像を描き出すこと、また、教員社会における水戸学の解釈・実践などの様相を明らかにしています。

Q.今後目指したい姿や将来進みたい道などありましたら、教えてください。

 研究業績を積み上げ、博士論文を完成させ、お世話になっている先生方のご期待に応えることです。そして、大学の教職課程に関わる仕事を継続、(専任教員として)発展させ、教師を目指している学生と一緒に教育の未来を語りたいです。

Q.現在の1週間、または1日のスケジュールを教えてください。

 
 月曜日 仕事・研究
 火曜日 オフ
 水曜日 RA・研究指導
 木曜日 授業(東海大学)
 金曜日 RA
 土曜日 仕事・研究
 日曜日 仕事・研究

Q.今後、東洋大学大学院を目指される方たちへのメッセージを

博士前期課程では、苦しみの連続です(苦笑い)。

博士後期課程では、研究の苦しみと楽しみを満喫してください。

 


プロフィール

国谷直己 さん

東海大学非常勤講師
豊岡短期大学非常勤講師
時事通信出版局教員採用試験対策講座講師
科研(基盤B)RA(リサーチング・アシスタント)