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修了生・在校生が語る大学院の魅力(畠野 真理子さん)

教育学専攻 博士前期課程2年 畠野真理子 さん

(掲載されている内容は2017年5月現在のものです)

自分が納得できるまで探求できる環境を大切に

畠野 真理子

 

 

Q.大学院に、進学しようと思った動機・経緯は?

 教員としての将来のキャリアアップを視野に入れた際、「専修免許を持ち小学校教員になる」ことが大学入学時より目標でした。そのためには大学院進学が必須条件だったので、大学入学時より漠然と「大学院進学」というキーワードは念頭にありました。

 学部時代の往還型教育実習や講義、短期の海外インターシップ、ゼミナールにおける研究指導等を通し、研究ができる高い専門性・知識をもっていること、異文化理解、英語を用いたコミュニケーションができること、子供一人ひとりの心をつかむ・汲み取ることができる指導力をもった小学校教員が必要だと考え、目標となりました。現場に出て即戦力となる教員になるために,実践的指導力と専門性を高めたく、大学院への進学を本気で考えるようになりました。また、卒業論文執筆のために同期や先輩と一緒に取り組ませていただき、その成果を学部生ながら学会発表を経験させていただくことができました。この取り組んだことをさらに追求したいと思い大学院進学を決めました。

 

Q.なぜこの大学院を選んだのか?

    学部2年次より所属していたゼミナールの先生や先輩に、「本気で研究をする面白さ」を教えていただきました、一人では明らかにできないことを、チームとして協同で取り組み成果を出すことの面白さや厳しさを、引き続きご指導いただきたいと思ったからです。将来は小学校教員になることが目標なので、専修免許が取得できることも魅力の一つでした。
金銭目では、学費が他の国立大学大学院とほぼ変わらないこと、また内部推薦進学だと入学金も不要なこと、東洋大学独自の奨学金制度や大学院生研究発表奨励金制度等が充実していることも理由の一つです。上京し一人暮らしをしているので、なるべく両親の負担を少なくしたいという願いもありました。そして、特色の一つである昼夜開講制であることから、働きながら学ぶことができることも決め手の一つです。昼間は小学校で勤務をし実践的指導力を高めることができ、夜間は大学院で専門的な知識や研究に励むことができるので、高い専門性と実践的指導力を兼ね備えた教員に近づくことができると思いました。                      

 

Q.大学院で学んでみて気づいたこと・発見したことはありますか?

    修士論文執筆のための研究活動や講義資料の作成等、すべて「自分がどのくらい本気で取り組むのか」で、納得する成果が得られるのかどうかが決まると感じました。自分の「なぜ」、教授からの「問い・課題」を納得するまで探求する姿勢、緻密に取り組む姿勢が大学院生には求められると思います。また、働きながら学んでおり、上京し一人暮らしということもあるので、体調を崩さないためにも,時間管理や先を見通したスケジュール管理をする大切さを痛感しました.研究活動や課題提出,勤務先の授業準備をするために、平日は死に物狂いになって取り組むので、土日のどちらかでいかに体力的にも精神的にもリフレッシュできるかが重要だと思います。ストレス発散のための時間や趣味などをもつことがおすすめです。

そして、現場での実践や、大学院での講義,専門の教育工学・教師教育を学ぶ中で、改めて教員としての資質能力を育てる4年制の教員養成大学のカリキュラム・取り組みの甘さを未熟ながらも感じています。少しでも修士論文のテーマが教師教育に貢献できる成果を見出していきたいと思います。そして、研究者の端くれとして、「研究」を進める難しさ、常に自分のたてた「研究目的」と「意義」を念頭に置きながら進めること、正しい理論や知識があって初めて正しい研究方法を見出すことができることを学びました。    

              

Q.大学院の魅力は?

学部と比較し、大学院は少人数なので,ほぼすべての講義がゼミ形式で受講することができます.そのおかげで,指導力の高い教授陣と密なコミュニケーション、指導を受けることができます。また、発表内容や講義内容についてディベートをする機会が多いので、他の受講生や先生方の知見を得ることができます。時には息抜きと言って先生方と研究室でおしゃべりすることも、人生の先輩方として多くの経験談を聞くことができ,面白いです。
そして、働きながら学ぶことに理解をしていただける先生方が多くいらっしゃるので、時間割の融通が利きやすいです。

 

Q.大学院生活の中でつらかったことは?

 一人暮らしをしていることもあり、大学院に通い、課題や研究を進めること、また勤務先の小学校の授業準備、教員採用試験に向けた準備など、マルチタスクになり、時間管理・スケジュール管理、自己管理をすることが大変です。専修免許を取得するにあたり、必修の講義が多く出てきます。1つ1つの講義は、面白い分重たいです。また、隔年開講科目もあるので、2年間かけて計画的に受講することがおすすめです。また、私は教員として勤務していることもあり、すぐに「実践として自分が面白いか」を研究テーマとして考えてしまいがちですが、「学術的な視点」から研究をとらえることの難しさを痛感しています。学会発表や講義に向けた準備、学会での口頭発表を経験する中で、昼夜問わず緻密に丁寧に取り組まなければいけないので、根性と体力が必要だと感じました。

 

Q.論文の研究テーマ・授業の内容

  講義は主に、小学校専修免許取得に必要な科目や修士論文の執筆に必要な科目を履修しました。教科教育をはじめ、教育心理学、教育相談学、生徒指導・進路指導、環境教育、教育相談、比較教育史、学習心理学等を受講しました。
修士論文テーマは、学習者の心理を可視化した授業省察活動の方法論の開発と評価です。クリッカーを用いて学習者の心理を可視化したデータを用いた授業省察活動を実施することで、教員養成課程学生の省察活動にどのような効果や影響を与えるのか、教育工学的手法、質的研究手法を用いて明らかにしようと考えています。  

                

Q.指導を受けた教員とのエピソードを教えて下さい。

1)算数・数学科教育研究演習、教育学研究指導 長谷川勝久 先生

 算数・数学科教育研究演習では、日本数学教育学会の過去10年間の査読論文を輪読し、研究の傾向性がどのように変化しているかを調査しまし、そこで使われている研究手法について学びました。教育学研究指導では、主に修士論文に関する指導を受けています。「研究をする」ということは、緻密に、計画的に行うことが必要であるということ、「納得できる論文」を書くということがいかに難しいことか、ということを日々学んでいます。

 

2)教育心理学特殊講義、生徒指導・進路指導特殊講義  谷口明子 先生

 教育心理学特殊講義では、質的研究手法について実践的に学びました。往還型教育実習を経験した現職教員の語りから、往還型教育実習で得られる学びや気付きを探索的に明らかにしました。結果の一部を学会発表として報告することもできました。生徒指導・進路指導研究では、キャリア教育に関して学びなした。文献・関係資料の輪読より、得られた知見や現状の課題をもとに、小学校のキャリア教育の実践計画を立てました。これまでのキャリア教育の概念が大きく変化し、将来小学校教員として必要な知識・経験を得ることができました。

 

3)図画工作・美術科教育研究演習 北澤俊之 先生 

 図画工作・美術科教育研究演習では、「絵を上手に書かなければいけない図工・美術」の概念を、題材研究を通して大きく変えることができました.「絵画」と「遊び」、「身体活動」をキーワードに、「材料の形や大きさ・身体活動・空間や場から絵画を楽しむ題材」に関して研究し、模擬授業を行いました。教員になるとなかなかできない題材研究を、講義を通して時間をかけ、納得いくまで行うことができるのは、とても貴重な経験でした。

 

Q.大学院での学びが、今どんな形で役立っていますか?

 修了後は、小さいころから夢だった小学校教員になりたいです。目の前の子供たちの心に寄り添い、一人一人の可能性を信じ、夢や自己実現に向け一歩踏み出す勇気を与えることができる教師になりたいです。そのために、大学院で学んでいる研究に必要な知識や専門性、非常勤講師として学んでいる実践的指導力を生かしていきたいです。計画的に、先を見通し行動すること、学び続ける姿勢を忘れず、向上心を持った教員になりたいです。そして、いつか経験したことを、大学の教員養成課程へと少しでも還元できたらいいなと思っています。

 

Q.現在の1週間、または1日のスケジュールを教えてください。

月曜日 5時起床 7時30分小学校出勤 14時30分退勤 16時30分ー23時ゼミナール・研究指導
火曜日 5時起床 13時ー14時30分大学院講義 研究や教員試験対策
水曜日 5時起床 7時30分小学校出勤 14時30分退勤 研究や教員試験対策
木曜日 5時起床 9時大学出勤TA勤務 18時退勤 研究指導
金曜日 5時起床 7時30分小学校出勤 14時30分退勤 研究や教員試験対策
土曜日 研究や教員試験対策 Or Off
日曜日

研究や教員試験対策 Or Off

 

Q.今後、東洋大学大学院を目指される方たちへのメッセージを

 大学院進学を考えている方は、卒業論文執筆の際に、修士論文へどのように展開させ研究を進めていくか、念頭に入れ進めると、研究の方向性がイメージしやすくなると思います。大学院での学びは、主体性・積極性,探求心が求められます。「教育」といっても、専門はバラバラなので、自分にはない多くの知見を得ることができました。多くの先生方や学生とディベートする機会を大切に、根気強く諦めず、研究に向かうことが大事だと思います。でも、たまには思い切って「遊ぶ!」「寝る!」というメリハリも、体調管理や気分転換に大切です。

私は「教育」が、文化を超えて、人・学校・社会を変える力があると思います。そのためには、専門的な知識と実践的な指導力が必要だと考えています。働きながら学ぶことに理解がある先生たちと、自分が納得するまで探求できる環境を大切に過ごしていただけたらと思います。

 


プロフィール

畠野真理子 さん

学部2・3年次に往還型教育実習、4年次にメルボルンのコミュニティースクールに短期インターンシップ、卒論の集大成として教育工学会での学会発表を経験した。学部時代の多くの経験より、研究ができる高い専門性・知識と実践的な指導力を兼ね備えた教員になりたいと考え、東洋大学大学院文学研究科教育学専攻に入学した。

入学後は、昼間に東京都公立小学校での非常勤講師、大学内でティーチングアシスタント勤務をし、夜間は専門の教育工学、教師教育に関する研究指導、そして小学校専修免許取得のための科目を履修し、学んでいる。