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法学研究科私法学専攻 博士後期課程1年 李 秀文さん

掲載されている内容は2009年6月現在のものです。

日本の進んだ法律知識をこの大学院で吸収し、学びと経験を自分の国のために活かしたいんです。

Q.20歳で来日されて、今年で8年目だそうですね

李 秀文さん

はい。最初の2年間は日本語学校で日本語を学び、その後、東洋大学の法学部へ。大学院へは学内推薦で進むことができました。

Q.そもそも、なぜ日本で法律を学ぶことに?

現在、私の国・中国は、急激な経済の発展を遂げています。でも、その中では、中国に進出した外資系企業とのトラブルが頻発しているのも事実です。そういったニュースを耳にするたび、企業のトラブルを解決する法律の専門家の必要性を感じていました。ドラマなどの影響なのですが、実は私、以前から日本に憧れていて(笑)。いつか留学してみたい、日本語を学びたいという気持ちがずっとあったところに、中国の会社法は日本の会社法をお手本にしている部分が多いということを知り、日本の大学で学ぶことに決めたんです。

Q.東洋大学を選んだ理由は?

自分でもいろいろ調べたのですが、留学生に理解のある先生が多く学びやすい環境であるとか、留学生の奨学金が充実しているとか、留学生の間でも東洋大学の評判はとても良かったんです。
実際に入ってみると、本当だと思いましたね。特に最初の1年は日本語もおぼつかない状態でしたから、優しい先生方の存在は本当にありがたかったです。学問的な部分はもちろんですが、学習スタイルや生活面に至るまで親身にアドバイスをいただきました。学部の4年間でお世話になった先生方とのつながりは断ちがたく、もっと勉強するために大学院へ進もうと考えたとき、東洋大学の大学院以外の選択肢は自分の中にはありませんでした。

Q.大学と大学院との大きな違いはなんでしょう?

大学院に進み、ゼミでさまざまな判例研究をすることで、法律のもつ奥深さ、おもしろさがますますわかったような気がします。法律への理解を深めることで、自分なりの解釈や解決方法などが見えてくる。知識を増やすことで、発想がより自由になる。そういう、「掘り下げていく楽しさ」は学部にはない、大学院ならではの醍醐味だと実感しています。
今は日本と中国だけではなく、アメリカやドイツの法律とも比較研究を行っています。恵まれた環境の中で思う存分研究に没頭できています。日本語、ドイツ語、英語を駆使して文献を読み込む作業はハードですが、前に進めなくなった時に、すぐに相談できる環境であることが何より心強いです。

Q.学びを通して見えてきたものは?

そもそも私が大学院に進もうと思ったのは、学部の3年生だった2005年に、中国で会社法の大きな改正があったからなんです。この時に「株主代表訴訟制度」(会社の不祥事などで株主が不利益を被らないようにするために、株主が会社役員に対して訴訟を起こせる権利を認めた法律)が初めて中国の会社法に盛り込まれたことを知り、その比較研究をしたいと考えました。
大学院では、自ら進んで学ぼうという姿勢はもちろん大事ですが、ひとり孤独に研究を進めるわけでもないんですよ。お互いに励まし合える仲間もいるし、手厚くサポートしてくれる先生方も大勢いらっしゃいます。それに、研究会に所属することで、法学に精通した著名な先生方のお話を伺ったり、他大学の学生と議論して刺激しあうこともできる。中国の大学の先生と交流する機会もあるんですよ!そんな、たくさんの出会いや経験を通じて、私には未来の目標も明確に見えてきました。それらのすべてが、この大学院で得た収穫だと思っています。

Q.では、その未来の目標とは?

今は、日本の進んでいる知識をとにかく吸収し、いずれその専門知識を活かして中国で働きたい。できれば中国の大学の教職に就いて、身につけた知識を伝えていきたいですね。法律の専門家のニーズは、これからの中国ではますます高まっていくと確信していますから。
そのために、中国でどんなアプローチをしていくべきか、そろそろ具体的に考える段階に入ってきています。不安がないと言えばウソになりますが、将来のキャリアプランをともに作り上げるような姿勢で相談に乗ってくださる先生方とお話しするにつけ、この大学院に進んで良かったな、とますます感じている今日この頃です。