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国際地域学研究科 先輩からのメッセージ(野瀬 元子さん)

国際地域学専攻 博士後期課程2年 野瀬 元子さん

掲載されている内容は2010年5月現在のものです。

写真:野瀬 元子さん

仕事と研究の両立。これを無理なく実現できる体制が、本学大学院には揃っていると感じます。

Q.国際地域学研究科では、どのような研究がされているのですか?

国際地域学研究科には、国際地域学専攻と国際観光学専攻があります。国際地域学専攻のフィールドは「世界がテーマ」ですので、非常に範囲が広い学問です。具体的には、国際地域学専攻はアジアの国々の福祉や衛生の問題、水や交通などインフラに関する問題を研究する方が多いですね。一方、国際観光学専攻は、文字通り「観光」です。各国の観光政策や交通、観光地の環境、ホテル会計など、観光に関することが研究テーマとなります。

Q.なぜ、国際地域学研究科を選んだのですか?

私は旅行のインバウンド、つまり日本に来られる外国人旅行者をエスコートする通訳案内士をしています。その関係で、外国人旅行者の、日本の観光や観光地への評価・感想がリアルにわかる立場にいます。意外にも、旅行者の評価と観光地サイドの認識のミスマッチがあることが分かり、このギャップを埋めたいと思いました。しかし、自治体の、外国人旅行者に関するデータは入り込み客数データに限られることが多く、もう少し細かなデータを蓄積し、さらに研究を進めれば、日本の国際観光が発展するのではないかと日々感じていました。そんな折、韓国から旅行に来られたお客様から、国際観光学という学問があることを伺いました。それをきっかけに「観光」を学べる大学院を探したところ、出会えたのが本学大学院の国際地域学研究科であり、国際観光学専攻でした。

Q.社会人と院生の両立は大変ですか?

仕事と両立させるには、努力は必要ですが、サポート体制は十分整備されていると思います。これは入学後に知ったのですが、東洋大学は夜間や通信教育など、社会に出てからも学問を積もうとする方に積極的に門戸を開いてきた伝統があるそうです。そうした制度があると安心して学ぶことができます。私の場合は、学問の場から長い間遠ざかっていましたので、前期課程のはじめの頃は不安がありました。しかし、研究を進める上で、先生が私の思いを丁寧に聞いてくださり、ディスカッションをしながら、手法や方向性を一緒に見いだしてくださったので、本当に感謝しています。また、研究科内では、中間発表や期末発表という形で院生それぞれが研究内容を発表する場があり、他の院生や先生方から、いろいろな意見を伺うことができます。

Q.どんな研究をなさっているのですか?

修士論文にまとめたのは、東京に滞在する外国人旅行者が郊外の日帰りツアーに出かける典型的な観光地、「日光」と「箱根」についてです。以前から感じていた外国人旅行者と観光地サイドとの間に存在するミスマッチやギャップに焦点をあてて調査・分析を行いました。観光地サイドは発展のために努力はしているのですが、具体的なアイデアは、やはり正しい評価やニーズを把握してこそ生まれると思います。そのためには外国人観光者の行動・評価特性を研究することが大きな意味を持ってくると思ったのです。

Q.現在、国際地域学専攻なのは、専攻を変更なさったのですか?

修士論文は、観光者の旅行行動・観光行動を、消費者の評価という視点から焦点を当て、観光地がどう評価されているかをまとめましたが、書き終えた後、これだけでは研究は完結しないと思いました。
ただ、進学時には国際観光学専攻の博士後期課程がなかったため(※)、先生からのアドバイスもあり、後期課程は国際地域学専攻に進学しました。その際、双方の専攻の先生が親身になって相談にのってくださったおかげで、博士前期課程からの研究テーマを引き継ぐことができました。今はさらに領域を広げ、観光政策や受け入れサイドの歴史的経緯の研究、都内における観光者の公共交通機関の利用実態についても研究しています。都内の交通バスの1日乗車券を例に挙げると、他の国際都市では安価で利便性が高いものがあるのに対し、日本では価格設定が非常に高いのです。どのようなものを導入すれば、東京の利便性がより高まり、観光に寄与できるのか。その調査と分析を行い、その実現をめざしたいと思います。
※2011年4月から、国際観光学専攻博士後期課程開設予定で現在は設置届出申請中

Q.修了後の目標や夢などはありますか?

やはり、研究者になりたいと今は考えています。博士後期課程を修了して、そのまま今の仕事に返るのは、ちょっと私の中では想定ができません。研究領域である「観光」は自分のフィールドでもあり、いろいろと刺激も受けていました。研究には終わりがないと思いますので、それを続けられる場所を得たいと思っています。それには当然、社会に貢献できるような論文を書き、自分に力をつけていかないといけません。それを心に刻みつつ、今後も努力していきたいと思っています。