International students : タパ サキーラ (THAPA SAKHILA)さん
故郷ネパールの地方教育水準向上に貢献したい
タパ サキーラ(THAPA SAKHILA)さん
ネパール連邦民主共和国 ルパンデヒ市出身。
トリブバン大学、ルバンデヒキャンパス(ネパール)を卒業後、ネパール教育省で5年間勤務。
学校教員のコンピュータートレイナー職などを経て2013年に来日。
沖縄で日本語を2年間勉強後、東洋大学大学院 国際地域学研究科国際地域学専攻 博士前期課程入学。
2015年4月より、国際地域学専攻 博士後期課程に進学予定。
Q.母国のことを教えてください
ネパールはインド・中国のチベットに隣接している国です。
北はエベレスト山がそびえ立つヒマラヤがあり、観光産業がとても盛んです。
また仏教を創始した「仏陀」の誕生した国とも言われています。
約100民族・100言語があり共通語はNepali(ネパール語)です。国土は横長で東西では言語も食べ物も違います。
私は、母国の大学の教育学部で3年勉強した後に就職しました。
その仕事も教育に関係ある仕事で色々と学ぶことが出来ました。特に地方教育に興味があります。
Q.日本へ進学しようと思った動機は?
日本はアジアの中では先進国と言われていて、日本のテクノロジーは人気があります。
日本の教育について調べてみると、識字率は90%以上であり、研究するのによい環境だと考えたためです。
Q.数ある大学の中で東洋大学を選んだ理由は?
大学院を探していた時に、インターネットから色々な学部または研究科を調べて、
国際地域学専攻もあることから東洋大学は気になる学校でした。
2011年の進学相談会に参加し、教授と話をすることで、自分の望む研究ができると考え、東洋大学を選びました。
Q.大学院での学びを通して得たものを教えてください。
大学院の勉強は授業だけではなく、研究またはPractical Base(実用的)なので
自分の研究テーマについて、実際のケースが把握でき、色々なことを学べます。
Q.研究テーマと講義の内容を教えてください
研究テーマは「ネパール農村地域における教育開発に対するソーシャルネットワークの役割」です。
「社会ネットワーク」を活用したネパールの「ある村の農村開発」について論じ、よりよい開発に向けての提案を行っています。
ネパールの農村部では、貧困から十分な教育を受けられない住民が多く見られます。
彼らは従来からの伝統や迷信に縛られており、そのような状況が農村部の開発に多大な悪影響を及ぼしています。
教育は地域開発にとって必須であり、教育によって彼らは知識を身につけて、ひいては貧困から脱出する方法であると考えています。
村々には国内外のNGOがいくつか活動をしており、村人自身も何らかのNGOに所属しています。
私の研究では住民のNGOへの参加状況の調査、教育の実態についてインタビューを行いました。
住民はNGOも交えた「社会ネットワーク」を構成しており、それらのネットワークの状況と今後の課題を示しました。
教育についても「社会ネットワーク」を通じてより効果的に行うことができることを提案しています。
研究テーマに関連した授業については、「社会ネットワーク」または開発に関係のある講義を受けました。
タイのスラムコミュニティのほこらにて
ネパールでのヒアリング風景
Q.どんな奨学金を利用しましたか?
2014年度に東洋大学大学院奨学金に採用されました。
また、2014年の10月~2015年3月まで文部科学省の国費留学生奨学金(SGU枠)に採用されました。
Q.お金のやりくり方法を教えてください。
授業料や生活費は家族から送ってもらったり、学校が休みの日はパン屋さんでアルバイトしたりしました。
国費留学生に採用されてからは奨学金でまかなっています。
Q.修了後の予定は?
2015年4月より、国際地域学専攻 博士後期課程に進学予定です。3年後、博士後期課程修了後は
故郷ネパールに戻り、NGOなどでソーシャルワーカーとしてネパールの人々のために働きたいと思っています。
Q.東洋大学を目指す受験生に向けてメッセージをお願いします
国際地域学専攻のある東洋大学は良い学校です。
研究のために良い環境、設備の整っている学校です。
先生達も非常にやさしく、自分の望んでいた研究がしっかりとできています。