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ナウンタウン僧院学校 滞在記

 

東洋大学 国際地域学科 4年 有働 友裕

私は卒業論文を「ミャンマーにおける僧院教育の有用性」といったテーマで執筆する予定です。そこで実際に僧院学校に滞在し、自らの目で現状を把握することで理解を深めることを目的として、2017年9月に10日間ほど滞在する機会を得ました。同僧院学校の立地する地域は必ずしも観光地ではないため、僧院の関係者の方々を含め多くの方々のご支援で実現した滞在でした。

ミャンマーでは、政府系の学校を中心とする教育制度とはなっていますが、貧困などの理由ですべて子どもが通い続けることができるわけではありません。そうした子どもたちの受け皿として僧院学校は大きな役割を果たしています。

ナウンタウン僧院学校はシャン州のホーポンに位置する全寮制の政府認可の僧院学校です。2003年に50人の生徒を受け入れてから、子供の数が増えつづけ、2017年には13民族2200人にまで増加しています。2003年の段階では竹でできた建物で細々と授業をしていたとのことです。現在は幼稚園から高校卒業の11年生まで幅広い世代の子供たちが在籍しています。貧困に苦しむ子どもを優先的に受け入れるとのことでした。学校の運営に必要な資金はすべて様々な人々・団体からの寄付に頼っています。子どもたちの日用品や食事に関しても全て寄付で賄っています。食材は野菜やコメなど寄付されたものに加え、僧院の畑で野菜やトウモロコシを栽培したものが使用されています。

カリキュラムは、政府が発行している教科書を使用するなど公的な教育課程となんら違いはありません。ミャンマー語・英語・算数/数学・地理・歴史・理科の5科目は全学年共通であり、低学年の子供達には、生活・美術・道徳・音楽の授業があります。一方、高学年の子供達には、生活・道徳・職業についての授業があります。

滞在注は学校内を歩き回り、授業を見学するのはもちろん、児童生徒たちとコミュニケーションをとることを意識的に心がけていました。最初の頃は遠巻きに私のことを見ている子供たちが多かったのですが、次第に「Hello」と挨拶をしてくれるようになりました。滞在して4日目に先生や子供達を含めた50人ほどとハイキングという名の登山に行きました。2時間ほど険しい山道を登っていくと、山頂に立派なパゴダがあり僧侶の方が二人で暮らしていました。日々ミャンマーの人々の仏教に対する信仰の深さは感じていましたが、このパゴダを見た時には改めて驚きを感じました。A,Bの2枚はその時の写真です。

またCの写真はパオー民族の衣装を着させてもらった時の一枚です。一緒に写っているのは英語の先生で彼はタウンジー大学の学生でもあります。私が滞在しているときに一番面倒を見てくれました。この時は満月のホリデーで伝統行事としてお菓子をたくさん準備し、それを仏に献上し、パゴダを参拝する日だったみたいです。ちなみに3時半起きでした。同世代のミャンマーの人々の生活を身を持って感じることが出来た素晴らしい経験でした。

一方で、問題点も多々あるように感じました。寮のスペースが小さくプライベートが全くない点、暗記中心の教育内容、教員の指導力不足などです。こういった指摘は生徒にインタビューした際にも出てきました。つまり、生徒自身もこういった点に不満を感じているということです。ミャンマーではこれまで教育へのアクセスをいかに増やすかという観点を重視してきていました。僧院教育はそういった点において大きな貢献をしてきたと考えられます。しかし、就学率の向上とともに今後の課題としては、教育の質の改善が重要になると考えられます。

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