8月17日~19日の2泊3日で、中学3年生の希望者を対象に「伊豆大島フィールドワーク」を実施しました。
初日は朝7時30分に竹芝客船ターミナルに集合し、ジェット船で伊豆大島の元町港に向かい、午後には2人のネイチャーガイドの方々に同行していただき、三原山のトレッキングを行いました。三原山のカルデラのふちから山頂まで歩きながら、パホイホイ溶岩やアア溶岩を観察したり、溶岩のすき間に生えるパイオニア植物の説明を聞きました。コース上では、噴火が起こった際に避難するための退避壕や、1986年に起こった噴火の溶岩でふさがれたままのかつての道路も見ることができ、火山のスケールの大きさや恐ろしさを体感できました。下山するときには、溶岩でおおわれた裸地が背の高い木々の集まった森林に変化するまでの様子が見て取れる「再生の一本道」を通って行きました。
1日目は山の上のホテルに宿泊しましたが、夜にはとてもよく晴れ、天の川や夏の大三角、さそり座、北極星、北斗七星、カシオペヤ座、そして流れ星(ペルセウス座流星群の一部でしょうか)をはっきり見ることができました。



2日目は、初日よりもさらに古い火山活動の痕跡を見て回りました。ホテルを出発する前に、ホテル駐車場で見られる露頭の観察を行いました。この露頭では、およそ1000年前の過去の噴火で形成されたスコリアや火山灰の地層を見ることができました。その後はバスに乗り、筆島や波浮港、トウシキのボムサッグなど、火山活動による特徴的な地形や構造を観察しました。
大島町役場の会議室をお借りして昼食をとったあと、昨年リニューアルオープンした伊豆大島ミュージアム-ジオノス-の展示を見学しました。また、今回特別に旧火山博物館所蔵の溶岩の資料をお借りすることができましたので、ジオノスラボにてルーペを使ってこれら資料の観察をしたり、剥ぎ取り標本を展示物と比較して年代を推定する実習を行いました。
2日目は港の近くのホテルに宿泊し、椿油を使った天ぷら「椿フォンデュ」をいただきました。



最終日は、早朝に希望者だけで海辺まで散歩をしました。朝の海にはイシダイなどの魚やウミガメがいました。バス乗車後、バームクーヘンの愛称で呼ばれる地層大切断面を観察しました。ここでは今から1万年以上前(カルデラが形成されるよりもずっと前)にたい積した火山灰の層も見ることができます。フィールドワーク中にいくつかの地層を観察しましたが、これらの地層の時間的なつながりは見ているだけではなかなか分かりません。さまざまな情報を整理しながら、長い時間をかけて伊豆大島の地形を形成してきた歴史をイメージすることができました。
その後は薬師堂を訪れ、初日に見た裏砂漠とは大きく異なる極相林の中を歩いていきました。極相林特有の発達した林冠によって地面に届く光が少なく、落葉が堆積した林床の様子も見られました。
そのほかにも、溶岩流から市街地などを守るために溶岩の流れを誘導する目的で建設された溶岩導流堤、弘法浜の海浜生物、溶岩によって形成された長根岬(ながねさき)、赤いスコリアの巨大な塊を観察できる赤禿(あかっぱげ)など、伊豆大島の自然や防災に関わるさまざまな場所を訪れました。



元町港でお土産を買って竹芝客船ターミナルに帰ったころには、生徒たちはもうヘトヘトです。3日間で吸収したさまざまな情報を整理し、事後学習でさらに深めてほしいと思います。