8月6日(火)~8日(木)にかけて、福井県にある曹洞宗大本山永平寺を訪れ、哲学ゼミ(坐禅)を実施しました。昨年よりお世話になっており、今年は初めて2泊3日にて実施しました。
この3日間は日々のすべてが修行とされ、お寺の中での移動や食事など起床から就寝まで、私たちは実際に雲水(うんすい)さんと呼ばれる修行僧の方々に近い過ごし方をしました。そのため坐禅を行うだけではなく、僧侶の皆さんからの講話を始め、自らを振り返る大切な時間を過ごすことができました。
坐禅では、当初は足の痛みやちょっとした思考などさまざまな雑念に見舞われたものの、回数を重ねるごとに集中できるようになり、最後にはわずかながらも体の力も抜け、一人ひとりが自分の呼吸を感じた自分らしい坐禅ができたように思います。ですが、実際の僧侶の皆さんと一緒に行った時には、当然ではありますが違いに圧倒されました。
また、驚いたのが食事です。実際に雲水の皆さんが使用されている応量器(おうりょうき)と呼ばれる食器を使って食事をしました。作法に乗っ取り、適切な量の適切な食事を行うことが大事とされていましたが、そこで感じたのは食べ物をいただくことの重みです。今まで当たり前のように食べ、食べられないものは当然のように残す場面がありましたが、ここではお米だけでなくごま粒一つたりとも残さない姿勢に、自分の食べ物への意識がどれだけ低かったのかを思い知らされたと皆口々に述べていました。
また、講話の中で度々出てきたのが「縁起」という言葉です。縁起が良いとも使われる言葉ですが、本来は仏教用語の一つで、物事はすべて繋がっているという意味ということです。善縁も悪縁もすべては自分次第であり、縁を活かすような生き方が大切であるということを教えていただきました。
曹洞宗の実際の修行について学んだ時には、非常に厳しい修行の様子に身が引き締まる思いでした。行いの一つひとつが、自分と向き合い、これまでの当たり前を問い直す大事な時間となりました。私たちに大切なことを教えてくださった西田副監院を始めとする僧侶の皆様、身の回りのお世話をしてくださった雲水の皆様を始め永平寺のすべての皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。