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教育の三本の柱

 

哲学教育

建学の精神である「諸学の基礎は哲学にあり」に基づき、「より良く生きる」ことを求めて哲学的に生きる力を養います。中学では週に1時間の「哲学」の授業を設定し、生徒一人ひとりが自ら考え、また論じ合うことにより、自問自答する力「哲学的に考える力」を養います。
人類の叡智に学び、多様な価値観を理解しつつ、他者とともに生きる自己の人生観、世界観を築く人材を育てます。

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哲学教育の目的

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哲学の語源はギリシャ語のフィロソフィア、その意味は「知を愛する」ということです。これは知識の豊富さ、博学さを指す言葉ではなく、あたりまえの日常に対して驚きや関心を持ち、あらゆる物事について前提から問い直し、真理に迫ろうと「探究すること」を意味します。したがって哲学教育とは、既成の哲学・思想についての知識も動員しつつ、何事に対しても「なぜそのように言えるのか」「そもそも○○とは何か」「それ以外の考え方はありえないのか」と常に問い続ける姿勢を育むことであると私たちは考えます。

一般に「自分で考え、判断し、行動する」ことが大切であるとは言われるものの、人は誰しも生まれ育った環境や時代の影響を受け、ややもすると狭く偏った視野に囚われてしまいがちです。したがって私たち一人ひとりの経験から導かれる結論は、狭い世界に閉ざされた独断や偏見に陥るおそれがあります。こうした思考の囚われを乗り越えるために、先哲の英知と他者との対話によって自己の生き方や社会のあり方を俯瞰し、自ら価値観を陶冶する力を育むことが、東洋大学京北中学高等学校の哲学教育の目的です。

学祖井上円了の想い[思惟と実践の活動主義哲学]

学祖井上円了によって哲学館(現・東洋大学)や京北中学校(現・東洋大学京北高等学校)が創設された明治時代は、封建体制の価値観を一新する新しい社会の建設期であり、帝国大学以外にも多くの私立学校が創設されました。しかし、そうした学校の多くは法律や経済、農業、商業、工業といった実学を教授する学校であり、哲学を教育の中心に据えた学校は哲学館と京北中学校だけでした。近代へと大きく変貌する社会の中で、次代を担う若者たちへの教育に力を注いだ円了は、哲学と教育に対する自身の考えを次のように述べています。

「哲学は万物の原理を探り、その原則を定める学問で、いわば理学から工芸にいたるすべての学問世界の中央政府にして、万学を統括する学問である」
「哲学は諸学の基礎となるものであるから、社会に出て一つのことを達成しようとする人は、哲学諸科 を心得ているべきである」
「国を維持するは、決して二三英雄の力にあらず、実に一国を組織する教育あり、知識あり、品行ある人民の力によらざるべからず。これらの人民は一国の良心ともいうべき人々なり」

〔引用はすべて『井上円了の教育理念』(東洋大学)より〕 

円了は、哲学を「思想練磨の術」としてとらえ、また普通教育として万人に必要なものであると考え、専門家の養成ではなく、広く社会一般の人々に対する教育活動を展開しました。明治という時代の開化期にあって、社会の変化に即応する実用の学問ではなく、敢えて哲学という物事の本質・根源を探究する学問を通して、人々を迷信や封建時代の価値観から解放しようとしたのです。そこには、3回にもわたる世界巡行を通して見聞を広め、西洋文明に限らず世界中の文化や思想について洞察を深めた円了の幅広い教養と熱い情熱がありました。

現代社会と哲学

現代の日本社会もまた、長く続いた戦後の政治・経済構造の転換が迫られ、旧来の価値観の問い直しが求められる時代です。変化のスピードがはやく、目指すべき将来像が定まらない現代社会で、巷に流布する言説や多数派の意見を鵜呑みにしていては、本質を見失い、世間の常識に埋没し、社会の風潮に漂流することになりかねません。

また、現代社会には、未だ確たる基準や方針がなく私達自身が新たな価値観や答えを見つけていかなければならない問題が多くあります。日本社会の急激な少子高齢化やグローバル化、世界的に開発が進む遺伝子工学や生命医学、AIの発達などは、これまで人類が考えもしなかった新たな問題を私達に突きつけています。その解決の担い手となるのは、次代を担う若者たちです。円了が目指した、時流にも権力にも屈しない知的人格を形成する哲学教育は、今の時代にまさに求められていると言えます。

東洋大学京北中学高等学校の哲学教育[自己と社会の変革]

本校の哲学教育は、いわゆる哲学研究の専門家を養成するためのものではありません。二千数百年におよぶ哲学の知恵を活かして、すべての人により良く生きる可能性を拓く「生き方教育」としての学びです。その6カ年のプログラムで重視されているのは、主に以下の3つの要素です。

  1. 「無知の自覚」に基づき、日常のふとした疑問や違和感をもとに自ら問いを立てること
  2. 自己の生き方の前提となっている思考の枠組みや概念を吟味し、再構築すること

  3. 立場の異なる他者との対話を通して、より良い生き方・あり方をともに探究すること

21世紀を生きる生徒たちは、他者から指針が与えられるのを待つのではなく、不確実な未来に向けて自らの生き方を模索し、勇気を持って一歩踏み出す力を身につけなければなりません。そのための資質を養うことこそ、哲学教育の意義であると私たちは考えます。

3つの「哲学」

「哲学」の語源であるフィロソフィアというギリシャ語は、もともと「知を愛する」という意味で す。これは、理性に基づいて世界・人間・社会についての真理を探究する活動全般を指し、19世紀 までヨーロッパにおいて学問全般を指す言葉でした。しかし現代では様々な文脈で「哲学」という 言葉が使われています。それらは主に次の3つの「哲学」に分類することができます。

  1. いわゆる「先哲の思想」
    過去の偉大な思想家たちが、「人間はいかに生きるべきか」、「どのような社会がよい社会か」 といった問題について考え、構築してきた思想体系を指します。時間、存在、世界、善悪、認識、 神などを対象とし、様々な思想家たちが真理を探究してきました。個々の人生や現実社会の個別の問題よりも、より普遍的に、「世界は」「人間は」と問い考える哲学者が多く、さらに「私達はなぜそのように考えているのか」について探究する認識論そのもの、つまり「思考についての思考」を解き明かそうとする哲学者もいました。このように書くと先哲の思想は難しそうに思えますが、私たちが必ず直面する人間関係の悩み、人生の意味を考える悩みなどの解決に多くのヒントとなります。
  2. 個々人や組織・共同体が持つ信念・人生観・世界観・職業観など
    「自分の哲学をもつ」とか、「本校の哲学は・・・」といった文脈で使われます。個々人の人生経験や教養から形成された信条、企業などの組織が経てきた出来事などから形成された基本方針を表しています。経営哲学、人生哲学、職人哲学、というように、1と比べてより具体的で、 個人的・個別的な生き方・あり方を示したものです。
  3. 常識・通説・既成の世界観を問い直し、真理を探究する営み
    「絶対に正しい生き方ってあるの?」「秘密をもつのは悪いこと?」「『何もない』ってどういう状態?」など、人間の生き方や、私たちが生きる世界に対して問いを持つことからはじまり、 論理的、批判的に探究を深め、それを解決していく活動を「哲学すること」と呼びます。歴史上の偉大な哲学者たちも皆こうした問いから始まり、壮大な哲学体系をつくり上げてきました。「哲学=知を愛する」の本来の意味に最も近い用法です。

これら1〜3は相互に関連し、影響し合っています。本校では上記3を哲学教育の柱に据え、そ れをより豊かなものにするために先哲の思想(上記1)を学ぶカリキュラムを組んでいます。本校で 学んだ生徒たちが、その生涯を通して自身の価値観・世界観(上記2)を陶冶していく力を身につけることを目指しています。

哲学教育のアプローチ

本校の哲学教育のカリキュラムは、教養(考える土台となる幅広い知識を身につける)、体験(机上の空論に陥ることのないよう五感を使って学ぶ)、対話(他者との対話を通して自己の思考を相対化する)、論述(考えを論述することで自己の考えを客観視し、再検討する)、発表(他者との共有を可能にするよう内容を吟味する)の5つのプロセスをバランスよく配置しています。これらの多様なプログラムをらせん状に繰り返し経験することで新しい気づきと思索を深め、一人ひとりが自分に合ったプロセスで哲学的思考を深めていくことをねらいとしています。

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こうした諸活動の中で、日頃の生活の中で湧いてきた疑問をもとに、世の中の常識や「あたりまえ」について、その前提から問い直し、「友だちって多いほどいいの?」「頭がいいってどういうこと?」「どうして勉強しなきゃいけないの?」など、身近なことに「?」をつけて筋道立てて考え真理を求める力(向上門)と、それ還元して社会を豊かにする力(向下門)の二門を、東洋大京北中学高等学校では「哲学する力」と考えています。

「哲学的に考える」とはどういうことか?

「哲学的に考える」とはどういうことでしょうか?「今日の夕飯は何かな?」といった一般的な問いを考える、あるいは問題の解決策を考えることとはどんなふうに違うのでしょうか?ポイントは、「視野を広げるために、目の前の問題から一歩下がること」です。以下にいくつかの例を挙げて、「一般的な意味での考えること」と「哲学的に考えること」を対比させてみましょう。

<実学と哲学>

  • 生きるために必要な知識や技術(法律・語学・情報技術など)を学ぶのは実学
  • 「そもそも人間は何のために生きているのか」を問うのは哲学

<道徳と哲学>

  • 「人に優しくしましょう」など社会生活を維持するための徳目を身につけるのは道徳
  • 「そもそも『人に優しい』ってどういうこと?」という前提から問い直すのは哲学

<芸術と哲学>

  • 作品(音楽・絵画・彫刻など)の中に美しさを表現するのは芸術
  • そもそも「美しい」とは何かを考えるのは哲学

<科学と哲学>

  • 自然現象の背後にある原理・法則を解明するのは科学(ex.「人間も動物も遺伝子によって特徴が決まる」)
  • 科学的事実や価値も含めすべてを明らかにするのが哲学(ex.「人間と動物は同等の尊厳をもつか?」)

<個別の問いと哲学的問い>

  • 「どうして私はいつも素直に謝ることができないのか」は個別の悩み
  • 「どうして人間はいつも素直に謝ることができないのか」は哲学的問い

このように、①哲学はいつも問いからはじまり、②目の前の事柄から一歩下がって、③俯瞰的な視座から私達の思考の前提や問いそのものについて吟味し直す活動と言えます。また、上で紹介した実学・道徳・芸術・科学などは、もともと哲学を構成していた個別の分野で、すべての学問は哲学に通じています。「諸学の基礎は哲学にあり」という建学の理念は、ここによく現れています。

人が生きていくうえで、悩みや困難にぶつかることは避けられません。悩みや問題の解決の糸口が見えないときに、一歩下がって、悩みや問いを哲学的なレベルに昇華させ、「そもそも問題の本質は何か」と考え直すことは、行き詰まっていた思考を新しい視点から見直すきっかけになるでしょう。

国際教育

将来、国際社会で活躍できる人材の育成を目指し、特に英語力の育成に力を入れています。また単なる受験のための英語ではなく、実践的な英語力の習得はもちろん、異文化を理解し尊重する姿勢を育むことにも重点を置いています。
校内外で実施される多彩な国際交流プログラムを通じて、真の国際人として活躍できる力を養います。

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English Camp

Freshman English Camp

中学1年生を対象とした英語集中プログラム「Freshman English Camp」を実施しています。入学後の早い段階で英語を“使って学ぶ”体験を通し、英語への興味・関心を高めるとともに、多文化的な視野や協働する力を育むことを目的としています。

〔実施目的〕
本キャンプは、英語力の向上だけでなく、これから始まる中学校生活の学びに対する姿勢や、異文化への理解、仲間との協働の基礎を築くことを目指しています。

- 主体的な学びの姿勢の育成:「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」を体験的に学ぶ  
- 英語で伝える力の強化:自己紹介スピーチを通じて人前で英語を話す自信を身につける  
- 異文化理解の促進:英語圏に限らず多様な文化背景を持つ講師との交流を通して、視野を広げる  
- 集団行動の経験と仲間づくり:宿泊をともにしながら、新しい友人との親睦を深め、協力し合う姿勢を育てる

〔実施概要〕
- 日程:5月上旬 2泊3日  
- 場所:国立代々木オリンピック記念青少年総合センター(予定)
- 指導体制:  
 日本人生徒の指導経験が豊富な外国人講師が参加。1グループ(約15名)に1名の講師がつき、3日間をオールイングリッシュで過ごします。日常的なコミュニケーションやアクティビティを通じて、英語を「使うこと」に慣れることを重視したプログラムです。

Boost Up English Camp

英語力のさらなる向上と国際的な視野の育成を目指し、中学2年生を対象とした宿泊型英語研修「Boost Up English Camp」を実施します。英語の「楽しさ」「伝える喜び」に再び出会い、4技能をバランスよく活用する実践的な活動を通じて、英語学習への意欲と自信を高めることを目的としています。

 

〔実施目的〕

このキャンプは、以下の力を育てることを目指しています:

- 英語4技能(読む・書く・聞く・話す)を統合的に活用する力の養成  

- 「伝え合う英語」の楽しさを体感し、英語学習へのモチベーションを向上

- グローバルな視点での異文化理解と国際的マインドの醸成

- 中学3年時のカナダ修学旅行に向けた準備とイメージづくり

- クラスを超えた協働体験を通じた生徒同士の相互理解と連帯感の強化

 

〔実施概要〕

- 対象学年:中学2年生

- 日  程:5月上旬 2泊3日

- 研修地 :山梨県富士吉田市(予定)

-内  容:  

 英語4技能をバランスよく取り入れたグループレッスン

 異文化理解講座(講師・留学生による国際文化紹介)

 ホームステイを想定したロールプレイ活動

 最終日にはグループによる英語プレゼンテーション発表

 

※各グループ(約15名)に、外国人講師1名と留学生1名が入り、終始オールイングリッシュで活動を行います。

 

3日間の集中した英語体験を通じて、生徒たちは「伝わる英語」「考えて使う英語」の力を実感しながら、次のステップである海外研修や将来の国際的な活躍へとつながる確かな一歩を踏み出していきます。

カナダ修学旅行

中学3年間の英語学習の集大成として、11月にカナダでの修学旅行を実施します。生徒たちは、英語圏の文化と生活に直接触れながら、これまで学んできた英語を「使う言語」として実感する機会を得ます。

〔実施目的〕
- 英語による実践的コミュニケーションの体験
 ホームステイや現地校との交流、大学生とのアクティビティなどを通じて、生徒は英語で「伝える」「理解する」ことの楽しさと難しさを体験します。
- 異文化理解と国際的視野の育成
 異なる文化背景を持つ人々との出会いや生活体験を通じて、多様性への理解を深め、自身の視野を大きく広げます。
- 学びのモチベーション向上  
 現地での成功体験や、思うように伝えられなかった悔しさが、「もっと英語を学びたい」「世界で活躍したい」という前向きな学習意欲につながります。

〔実施概要〕
- 対象学年:中学3年生  
- 日  程:11月中旬 5泊7日  
- 主な訪問先:カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバー周辺  

〔主な内容〕
- ホームステイ(4泊)  
 現地家庭に滞在しながら日常英会話を実践。文化の違いや家庭の雰囲気を肌で感じる貴重な機会です。
- 現地校との交流プログラム
 カナダの同世代の生徒とともに過ごし、学校生活や文化について学び合います。
- 大学生との英語アクティビティ
 市内または大学構内での班別行動を、現地大学生と共に実施。言語だけでなく、思考や協働力も求められる実践的な活動です。
- 都市観光と異文化理解  
 Granville Island(芸術と市場の街)やバンクーバー中心部を訪問し、現地の文化・社会を学ぶ時間を持ちます。

本プログラムは、生徒にとって英語学習の“ゴール”ではなく、“新たなスタート”となる機会です。生きた英語に触れ、自分の言葉で伝える経験は、これからの学びをより深く、豊かなものにしてくれるでしょう。実際、カナダ修学旅行を経験した生徒の中から、毎年のように高校進学後に長期の海外留学を希望するものが現れます。

Let’s Chat in English!(希望制)

異文化理解と実践的な英語力の育成を目的として、東洋大学の留学生とのディスカッション型交流プログラム「Let’s Chat in English!」を実施しています。中学1〜3年生を対象に、3回にわたるセッションを行います。

〔実施目的〕
このプログラムは、以下の力の育成を目的としています:
- 英語を通じて考え、伝える力の育成
- 異なる文化への理解と興味の促進  
- 自発的なコミュニケーションへの挑戦と自信の形成

〔活動内容〕
留学生の出身国に関する話題を中心に、全3回の英語ディスカッションと発表活動を実施します。参加生徒は事前学習を経て、当日は積極的に英語を使って交流に臨みます。

第1回 自己紹介、留学生による出身国プレゼンテーション、質疑応答
第2回 メンバーを入れ替え、前回と同様の内容で別の留学生と交流
第3回 グループごとに話し合った内容をまとめ、英語でプレゼン発表

※各回の前には、事前学習会も行います

〔対象〕
- 対象:中学1〜3年生 最大60名程度が参加  
- 各回に留学生10名が参加し、少人数グループでの交流を実施

〔実施場所〕
- 中学各教室

参加した生徒たちは、英語を実際に「使う」経験を通じて、語学力だけでなく、異文化への理解や柔軟な思考力を育むことができます。また、英語での発信に挑戦することで、学習に対する自信と目的意識が芽生えたという声も多く寄せられています。

本プログラムを通じて、生徒たちは「英語が通じた」「伝えるって楽しい」といった実感を得ています。

文部科学省後援 実用英語技能検定(英検)

〔実施目的〕
以下の目的のもと、英検への積極的な取り組みを推進しています:
- 英語4技能(読む・書く・聞く・話す)をバランスよく育成する  
- 生徒一人ひとりの英語学習への意欲向上  
- 資格取得による達成感と進路への活用

〔学年別 目標級・達成率〕
中学1年 4級  84.3%
中学2年 3級  73.5%
中学3年 準2級 64.5%

※データは2024年度。S-CBTなど個人受験分については、成績提供があったもののみ集計対象としています。

〔英検を通じて得られる効果〕
- 学校全体での継続的な取り組みにより、生徒間で互いに切磋琢磨する文化が醸成されます  
- 学年ごとの目標級が明示されているため、生徒自身が具体的な学習目標を持つことができます

英検は、進学や将来のキャリアに活用できるだけでなく、自身の英語力の成長を実感できる貴重な機会です。生徒一人ひとりが目標級に向かって挑戦し、自信と達成感を得られるよう、学校全体でサポートしています。

英語レシテーションコンテスト・スピーチコンテスト(中学版)

中学校英語教育の一環として、毎年1月下旬に「英語スピーチコンテスト」を開催しています。この取り組みは、1年間の英語学習の集大成として、自分の考えや想いを英語で伝える力を養うことを目的としています。

〔実施目的〕
このスピーチコンテストは、以下のような力の育成を目指しています:
- 英語で論理的に考え、自らの言葉で表現する力
- 人前で話す自信とプレゼンテーション力の向上
- 原稿作成・発表準備を通した主体的な学びの姿勢の形成
- カナダ修学旅行での現地校プレゼンテーションへの実践的準備

〔実施概要〕
練習と準備:年間を通して「英会話」の授業内で、様々な英語コミュニケーション活動に取り組みながら、スピーチ力を育てます。スピーチの原稿は生徒自身が英語で執筆します。

クラス内選出:各クラスで選ばれた代表生徒が、全校の前で約3分間の英語スピーチを行います。

本番発表と審査:4名の外国人講師が審査員を務め、優秀者には金・銀・銅のメダルが授与されます。また、生徒による投票で「生徒賞」も選出されます。

このコンテストは、単なる発表の場ではなく、生徒が英語を使って自分の考えを発信する力を実践的に磨く貴重な機会です。また、英語での発信に挑戦する経験は、将来の国際交流や進学、さらにはグローバルな社会での活躍に向けた第一歩となります。

生徒一人ひとりが「使える英語」を身につけ、自信を持って世界に発信できるような学びの機会を大切にしています。

 国際講演会

英語教育の一環として、生徒たちが自らの将来像を思い描き、学びの目的を明確にできるよう、「国際講演会」を毎年実施しています。中学1年生から3年生を対象に、それぞれの学年に応じたテーマと講師を設定し、学びの意欲と国際的な視野を育む貴重な機会としています。

〔実施時期〕
前期(6月~7月)

〔内容〕※2024年度のもの

中学1年生には、英語教育実業家であり文部科学省中央教育審議会委員でもある松田悠介氏を講師に迎え、「英語学習と進路」をテーマに講演を行いました。英語を学ぶ意味、そしてそれがどのように将来の選択肢や可能性につながっていくのかを、豊富な事例とともに語っていただきました。英語の勉強を始めたばかりの生徒たちにとって、この講演は学びの出発点として大きな刺激となり、「英語が使えるようになりたい」という意欲が自然と生まれる時間となりました。

中学2年生では、本校の卒業生であり、現在は東洋大学の職員として活躍されている石井はふり氏をお招きし、「英語学習と留学」をテーマに講演を実施しました。中学・高校時代の英語学習の取り組みや、実際の留学体験に基づいたお話は、まさに“先輩のリアルな声”として生徒たちに届きました。「英語を学ぶとどんな世界が見えてくるのか」「留学で得られるものとは何か」といった問いに対して、自ら考えを深めるきっかけとなる時間でした。

中学3年生には、カナダ大使館参事官のスティーブン・ラポイント氏をお招きし、カナダの文化や社会について紹介する講演を行いました。本講演は、11月に実施予定のカナダ修学旅行の事前学習としても位置づけられており、生徒たちは実際に訪れる国について理解を深めながら、異文化を学ぶ準備を進めました。多様性を大切にするカナダの社会のあり方や、現地での人々との出会いの大切さについてのお話は、修学旅行をより意味ある体験へと導くものとなりました。

TOKYO GLOBAL GATEWAY校外学習

中学3年生を対象に、東京都教育委員会が提供する英語体験型施設「TOKYO GLOBAL GATEWAY(TGG)」での校外学習を実施しています。この取り組みは、中学英語学習の実践的な総まとめであるカナダ修学旅行の事前学習として位置づけられています。

〔実施目的と特色〕
午前中は、お台場周辺にて班別自由行動を行い、カナダ修学旅行中に予定されている現地での班別行動の予行練習として活用しています。生徒たちは、自ら行き先を選び、移動経路や行動計画を班ごとに立てることで、主体性・協働性・計画力を養います。

午後はTGGに移動し、英語のみで行われる実践的なプログラムに参加します。英語でのスピーチやロールプレイを通して、「使える英語」への自信と意欲を育むことを目的としています。

〔主な活動内容〕
- 午前:お台場班別自由行動
  生徒は「交通・建築」「歴史・行政」「科学・文化」の各テーマに沿って、グループごとに行き先を決定し、お台場エリアを巡ります。公共交通機関の利用、観光・学習施設の訪問を通して、実践的な行動力や判断力を育成します。

- 午後:TGG英語イマージョンプログラム
  午後はTGGにて、空港や学校を想定したロールプレイ(アトラクション・エリア)や、ディスカッション型の英語活動(アクティブ・イマージョン・エリア)に参加します。各班は2セッションに取り組み、“伝えるための英語”を体験的に学ぶ機会となります。


この校外学習は、単なる体験イベントではなく、カナダ修学旅行での実践的な英語使用・行動力を事前に育むことを目的とした教育活動です。生徒たちは、ここで得た気づきや経験を修学旅行本番に生かすことで、より深い学びと成長へとつなげています。

キャリア教育

勉強はただ訓練する・覚えるという繰り返しでは楽しくありませんが、自分の将来像に近づくための手段として必要なことだと理解できれば、それがモチベーションの一つになりえます。「勉強したこと」と「社会」が近視眼的には、それらが結びついているように見えませんが、少し遠巻きに見るとそれらが密接な関係にあることが分かります。自分自身について見つめなおし、自分の適性や傾向をつかむ一方で、社会に出ることを意識しながら学んだことがどのように結びついているのかということにも目を向けながら、人生のグランドデザインを描きます。

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進路面談

三者面談の他に、定期的に生徒と担任の先生による面談を実施しています。学習の進捗状況や将来描きたい進路について情報を共有し、課題を整理しながら今後とるべき方向性を確認します。全員と個別に面接することで、自分から相談しに行くことが難しい生徒でも、先生という他者から見える視点で自分を見つめなおす機会となります。

生徒手帳「今⇔未来手帳」

学習計画を立て、振り返る。非常に単純なことですが、それを習慣化することは小さな積み重ねを継続するしかありません。一日あるいは一週間を振り返る項目もあります。これらについて定期的に担任が点検し、進路面談などでも活用します。

社会を知る

中学1年生では近隣で地域に根差した企業の方をお招きして、職業講演会を行い働くことに対する見方や価値観を身につける土台とします。2年生では近隣の企業の方などをお招きして職業について探究します。また、働く現場を見ることで、社会と結びつく姿を具体的にイメージする機会を設けます。

学びみらいパスJr(中2)

「学びみらいパスJr」という教材では教科学力以外に、社会で必要とされるジェネリックスキル(汎用的能力)を測定します。また、これに加えて、自身の特性や職業・学問適性を問い直し、自身の関心や特性を参考にしつつ社会に出ることを意識付けます。高校1年次にも同様の教材でジェネリックスキルと進路の志向性を測定します。中学時と高校入学時とで変化を比較し実感することができます。

大学訪問

先輩方の受験校や生徒の希望が多い大学についてグループに分かれて大学を見学します。文系学部や理系学部、融合系の学部など様々な学問系統があります。実際に大学を訪れて、大学生の様子を知り、大学で学ぶ学問について関心を持つきっかけとします。東洋大学に関しては、高校生を対象に「学びライブ」が年に2回実施されているため、そちらでの参加を促します。

 

  

この他、中高一貫校を主な受験者層とする学力推移調査(ベネッセ)で学力的な立ち位置を定期的に確認しています。また、こうした実力テストの成績は「進学指導検討会」を開いて教員間で共有・分析し、学年の弱点や強みを把握し授業および指導に還元しています。