齊藤 祐己さん
経済学部総合政策学科
千葉県立国分高等学校 出身
凸版印刷株式会社 就職
英語を話せるようになりたくて、1年生から毎日のようにECZ(English Community Zone;キャンパス内国際交流スペース)に通いました。動機は単純で、大好きなアメリカのプロバスケットボール選手のインタビューを聞けるようになりたかったからです。学内で気軽に会話できるECZはそれを実現するために、うってつけでした。
ECZには日本人や外国人のスタッフが数名常駐しています。留学生と日本人学生が授業の合間などにふらっと立ち寄って、気軽に会話したり、ゲームをしたり、ワイワイと過ごす「たまり場」になっています。楽しくコミュニケーションをとるうちに、他国の文化やものの見方の違いを知り、寛容に意見を受け止められるようになった気がします。
コロナ禍になってから学生が直接集まることは難しくなってしまいましたが、少しでもコミュニケーションの機会をつくろうと、母国に帰った留学生や卒業生たちとのオンラインイベントを開催しました。思い出話などを共有するなどし、つながりの場がある大切さを改めて実感しました。
考える力や行動する力は、ゼミで鍛えられました。企業活動を多面的に、また実践的に学ぶ方針のゼミでした。2年生では時事問題や先端技術などの社会事象を題材にディベート力を鍛え、3年生ではポートフォリオ(実績評価をとりまとめた資料)の作成と発表で、調査力やプレゼン力を鍛えました。
はじめは飲食やIT、保険など、個人が興味を持った企業の調査からスタートし、次からは希望者でチームを組み、業界を深掘りしていきます。
さらには、実際に経済活動の現場へ出て、体験する機会を持ちました。最先端のデジタル研究を行う企業へのヒアリング、岩手県盛岡市での地方創生の現場訪問、ドイツ研修では世界最大級の見本市の視察と、盛りだくさんの活動内容で、周りに置いていかれないように夢中で取り組みました。
IR(統合型リゾート)の研究では、大阪府IR推進局の方々と意見交換し、こちらから提案も行いました。職員の方から直接話を伺うことで、インターネットや文献で調べただけでは知り得ない貴重な情報をたくさん得ることができましたし、専門家の方々との会話からはじめて知る話や自分の考えでは至らない思考などに触れるのが楽しく、社会の動きを肌で感じることができました。
ポートフォリオの作成やディベート、プレゼンでは調査、発表、質疑応答といった流れのなかで、「調べる力」、「伝える力」、「意見を聴く力」、「質問する力」が鍛えられます。
特に、それらを実感できたのは就職活動の場面です。最終面接の際にポートフォリオを作成し、企業の統合レポートや財務分析などからビジョンを出して発表したところ、役員の方々が「ここまでする人はなかなかいない」と驚き、企業研究の頑張りを認めていただけました。
調べる力、意見をまとめる力は、日常生活でも活用することができます。情報過多で予測不可能な世の中では、何が正しいのか、何を選べばよいのか分からず、不安ばかりですが、調査を続けることで知識が深まり、視野が広がって判断するための基礎力が養われます。例えばインターネットの情報でも、出どころがどこかをたどったり、公式サイトや政府情報など、確かな発信元の情報で確認したりする癖がつきました。
また、質問する力も大切です。ゼミに入ったばかりのときは何を聞いてよいのかまったく思いつきませんでした。間違ってもいいから質問をするよう求められ、問い続けていくうちに少しずつ理解が深まり、物事の本質が見えるようになりました。
学生生活は長いようで短いです。自分自身で何か向き合えるものを見つけてください。見聞きし、感じたことを表現して、さまざまな人々と交流するなかで得るものが、実際に社会に出てからの力になると思います。