INTERVIEW #07

「経理職は私の誇り」
グループ企業の経営基盤を支える
広い基礎力と深い実務経験

自動車部品製造業/化学製品卸売業

森六ホールディングス株式会社

経理部経理課

Yukiko Yamamoto山本 有希子さん

経営学部会計ファイナンス学科
東証一部上場企業としての重責と
専門職として携わり発信する達成感

自営業の家庭に育ち、高校で簿記を学ぶなど、経理は身近な存在でした。さらに大学で会計を専門的に学び、この知識を社会のなかで実践的に活用したいと、就職先を探しました。
会計事務所でも専門的な経理事務ができますが、ひとつの企業のなかで経理の専門職に携わる仕事がしたいと考え、森六ホールディングス(HD)に入社を決めました。

弊社は東証一部上場の企業です。事業規模としても社会に対する影響力が大きく、経理処理についても厳しい精度が求められます。
四半期ごとに決算短信や有価証券報告書を発表し一般公開します。いったん表に出てしまうと後戻りできません。万一修正となれば取締役名で文書を公表するなど、社会的に大きな影響を与え、株主の方々にも迷惑をかけてしまいます。公開されるまでは緊張の連続です。無事に決算書が完成してホームページで公開されたときは、やっと手が離れていった安堵感と達成感に包まれます。

四半期の決算を円滑に進めるため、月次や子会社の決算業務では正確性はもちろん、それに加えて求められるのがスピード感です。子会社の業務管理部門で経理の職務に就いたことがあり、ここでの経験がHDでの決算処理に活きていると感じます。

経験のなかで裏打ちされる実力
入社時は簿記3級程度の知識から

HDは連結決算といって、子会社の決算を合わせてグループ全体の決算にする処理があります。学生の頃から話に聞き、思い描いていた決算とはずいぶん異なりました。子会社の決算では日々の伝票処理を正確にこなし数字を積み上げていきますが、連結決算には、月次、四半期、年次などの期ごとに経営状態を表し、見通しや戦略も含めた情報の基盤として対外的に発信する役割があります。

ホールディングスという俯瞰した観点で携わる経理では、特に月次決算においてはスピード感が求められます。四半期決算よりも少人数で業務を進めるため、幅広い知識と判断力が求められます。私が素通りしたところを課長は鋭く見抜き、指摘を受けたこともありました。日々勉強し、成長しなければと感じます。

経理というと高度な近寄りがたいイメージを持たれることがあります。確かに会計の知識が必要な業務ですが、入社時は簿記の知識が浅くても問題ありません。入社後、実務で経験を積みノウハウを吸収し、自分で必要な知識を深めていくことで成長できます。私も6年目となり、少しずつできる範囲が増えてきていることを実感しています。
さらにグローバル企業では、外国の言語や経済事情などに配慮が必要です。私の場合、中国のグループ企業へ対応するため、現地の会計基準に基づいた経理を学ぶ必要ができました。不明な点はその都度現地へ問い合わせながら進めます。現地の言葉や価値判断を理解する聞き取り力と、こちらの意図が正確に伝わるように情報共有する伝達力が必要で、とても骨の折れる仕事です。連絡方法や作業フォームを日々工夫し、勉強を重ねる毎日です。

経理の専門を究めるために必要な
語学や論述など「学ぶための基礎力」

経理職の守備範囲には、法人税や消費税など税務も入ります。税務はミスがあると追徴課税など対外的な評価に影響を与えてしまいかねません。
会計も税務も、膨大な知識と情報のアップデートが必要です。一方で現場の実務はテキスト上で得た知識がそのまま通用しない場合が多々あります。分からないことは会計士や税理士の方々や先輩たちに助けてもらっています。
就職活動のとき、気さくに話しかけてくださった方が多く、それも入社の決め手になったひとつでしたが、実際に入ってからも話しかけやすい環境で、不安なところは都度聞いて確認し、大きなミスを回避できています。

大学時代に手に入れておくとよかったものは、語学です。中国語圏や英語圏の海外グループ企業と連絡をとる場面がよくあり、痛感します。東洋大のLEAP(学内留学)の制度は友人が活用していましたが、当時は自分に関係すると実感できず、惜しいことをしました。社会人になると日々の業務があり、まとまって体験する期間はつくれません。

大学は単なる計算式を覚える場ではなく、どんな場合にどう動くべきか、判断や対応の基準や根拠、考え方を学ぶ場です。語学の他にも、論文やレポートで説得力のある記述の力を鍛えるなど、実社会で柔軟に応用できる基礎力を身につけることが大切だと実感します。

RELATIONSHIP仕事の相関図

基本的には同部署及び子会社・関係会社とのやりとりがメインです。関係会社へは予算、月次及び四半期決算時に依頼・問い合わせなど行います。経理課では基本的に2~3人で1つの仕事を進めており、都度相談したり連絡を取っています。

One Day Schedule

  • 10:00 出勤 メールチェック・業務確認
  • 10:30 残高確認・海外拠点との連絡
  • 12:00 お昼休憩
  • 12:50 経理グループミーティング
  • 18:30 翌日の業務確認とまとめ
  • 18:40 退勤

※フレックス勤務制度有

学生時代の思い出

成人式の実行委員を務めました。各学校から数名集まり、式の内容に関する話し合いや、学校ごとの動画作成などを行いました。お世話になった先生方に会いに行ったときはとても感慨深かったです。改めて周りの方々への感謝の気持ちを忘れず、頑張ろうと思ったことを今でも覚えています。
なにより人生で一度の成人式に携わることができ、とても貴重な思い出となりました。
元々小説にはあまりなじみがありませんでしたが、周りから勧められた作品を読んだことがきっかけで興味を持ちました。小説の魅力は、文章から光景をイメージして読めるところです。もし映像化するならどんな色をつけたいか、実写化するなら誰がいいかなど話すのも楽しいです。作家さんによって言葉の表現に特徴が出るので、好きだと思える作家さんや作品と出会えたときは心が躍ります。