河内 麻柚子さん
食環境科学部食環境科学科
淑徳与野高等学校 出身
参天製薬株式会社 就職
東洋大学入学後、ボランティアサークルに入ったのは、次の目標に有利になるようにと考えてのことでした。所属したのは群馬県板倉町や館林市の地域活性化を図るサークルです。地元農家の作業を手伝うほか、地域イベントを企画、運営していました。
サークルには100人程度が所属し、活動やイベント実施にあたり、メンバーに案内を出し、声をかけ、集まった人たちで活動していました。ただ、その度に人集めに苦労しました。
農作業の場合は10人程度が集合して、畑作りや収穫などを手伝います。体を動かすと元気が出ますし、農家の人たちとの会話も楽しく、野菜もいただける。一度体験してもらえると、その良さを分かってもらえます。
地域や季節のイベント、大学祭への出し物では30人程度の規模になることもあります。地元のJA(農協)の人たちと定期的に会合を持って、学校の食育活動を支援したり、JC(青年会議所)主催のイベントで地域の行事を盛り上げたりしました。
大学祭の出店ブースで焼きそばを出したときは農家から野菜を提供していただき、人脈を駆使して人手や不足する食材などをかき集めました。
気づいたらいつのまにか活動の中心にいるようになり、2年生からはサークルの代表になって、さらに活動を広げることになりました。
また、サークルのつながりで勧められた「ミス館林」にも応募し、選んでいただくことができました。ミス館林の活動のなかでは、公式行事での礼儀作法や名刺交換の作法、商工会議所やメディア、観光業界と関わった大きなキャンペーンでのプレゼンなど新しい経験をし、人とのつながりを深めるコミュニケーションを学びました。
一人暮らしの生活を維持するために、連日アルバイトにも励みました。一人で衣食住の管理をすること、アルバイトで責任ある仕事を遂行し対価としてお金を稼ぐこと、いろいろな面で社会を知りました。
接客の基礎については、テーマパークとスーパーマーケットという対照的な環境に身を置くことで、体得することができました。
テーマパークでは商品販売部に配属されましたが、一つひとつの商品にストーリーがあり、夢が盛り込まれています。お客様へお渡しするときには、その夢をお持ち帰りいただくよう、丁寧で特別な心配りが必要となります。
一方、スーパーマーケットは日常生活で必要となる商品を販売する場です。いかにタイムロスを減らしコストを減らしていくかが勝負で、スピードと正確さが求められます。お客様に提供する価値が、まったく異なるなかで、いかにそれぞれに合った接客をすべきかを実感しました。
社会のなかで働くことにより、さまざまな人間関係も学びました。同じように接しているつもりでも、相手が変われば評価も態度も違ってくることを実感しました。
3年生の秋からは、インターンシップに注力。就職活動では人と関わることが性に合っているため営業職を志望し、そのなかでも医薬品業界の営業であるMR(医薬情報担当者)を目指しました。
その過程で、なりたい自分を考え、それに近づくために必要なことを考える自己分析をするようになり、自己アピールや人との積極的な関わりも、その延長で行えている気がします。
苦労や壁は乗り越えるより、自分の得意や強みを認識したら「きっぱりと辞めることは辞め、好きだと感じること、続けたいと感じることをいろいろやってみる」ことが大事だと思います。
経験は、ムダにはなりません。必ず何かに活かされるものです。「好きだから」、「やりたいから」という理由で十分です。「こんなことをやってみたよ」と誰かに話せる生活を送ってみてください。それが、なりたい自分に近づくための第一歩です。