井上円了の教育理念

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- ❹ 哲学館の教育目的
専門科の設置計画
そのためにまず専門科を設ける計画を発表した。
井上円了は哲学館を改良して「日本主義の大学」へ発展させることを目指していたが、
明治二十三年(一八九〇年)九月の趣意書では、従来の修学期間三年を普通科とし、その
上に二年の専門科を設置するとした。計画段階では、専門科は国学、漢学、仏(教)学、
Ⅰ 教育理念の形成過程
洋学の四科からなり、十万円と見積もられた費用の半額に寄付金が達した時点から一科ず
つ 順 次 開 設 さ れ る 予 定 で あ っ た (最終的には洋学科は設置されなかった) 。この寄付を募集するた
めに十三条からなる「寄付金規則」を設け、 この中で、 寄付金の額によって「寄付者」 「館 ことを定めた。
友」 「館賓」 「特別館賓」などと称し、それぞれに証票や感謝状を贈ったり、恩典を与える
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