井上円了の教育理念

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- 現在、進められている「バイオ・ナノエレクトロニクス」とは、東洋大学が未来にかけ
て取り組んでいる学問の名である。情報社会のより高度な展開のためには、 ナノメータ(一
千万分の一センチ)のデバイスを使う新しいエレクトロニクス、 「ナノ・エレクトロニクス」
の研究開発が必要である。原子のサイズが〇・一ナノメータぐらいであるから、原子に近
い世界である。このような極微細構造を用いて新たなエレクトロニクスの世界を開く技術
である。これに深海などの極限環境に生息する未知の微生物の発見とその利用にかかわる
極限バイオテクノロジーの研究を融合する「バイオ・ナノエレクトロニクス」とは、生命
科学とナノ・エレクトロニクスとの融合によって、二一世紀のテクノロジーを創造し、環
Ⅳ 新しい教育理念を求めて
境やエネルギーの問題解決に寄与しようとするものである。
大学の社会貢献
平成十一年は創立者井上円了の没後八十周年にあたった。すでに記したように、現在の れたという歴史的経緯がある。
東洋大学の基礎は哲学館時代にあり、その哲学館は全国各地の人々の寄付によってつくら
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