井上円了の教育理念

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- してしまった。それは、井上円了の時代からは想像もつかないような変化であった。
❷ 戦後の教育理念
教育改革
昭和二十年(一九四五年)に太平洋戦争に敗れたのち、日本の教育制度は占領軍の手によ
って民主的改革が行われた。この改革の第一点は、それまで一部のものにのみ与えられて
Ⅳ 新しい教育理念を求めて
いた高等教育を受ける機会を、広く大衆に開放することであった。高等教育機関への進学
率は、明治八年には〇・四%でその水準が長い間続き、一%に達するのはようやく明治時
十五年)にはまだ三・七%にすぎなかった。
代の末期になってからで、大学令が公布された頃からわずかずつ上昇するが、戦前(昭和
昭和二十三年に旧制度が改正され、新制度のもとで新制大学が誕生した。国立大学は一
府県に一大学の原則によって六十九校に増加し、私立大学も新たな大学が続々開設され、
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