井上円了の教育理念

- ページ: 114
- ⑴ このような論議を惹起した点で、自分には罪がある。 にまで被害を及ぼすべきではない。
⑵ しかし、今回の問題が主として教授上の不注意によるものであるならば、卒業生
⑶ 教師の不注意という点について、自分の学友の意見を参照して考えると、必ずし
も不注意とは断定できないのではないか。その理由は、第一に、文部省が問題にし
ている動機と行為の関係についての部分は理論的なものであって、実際的なものと
して応用するような指導はしていない。第二に、抽象的真理は全体を検討しなけれ いる。 れに従うと述べた。 た。
ばならないのに、文部省はちょっとした言葉じりをとらえて自分の意図を邪推して
そして彼は、世の学者や教育家の合理的解釈によって、自分の非が明らかになれば、そ
彼がこのような問題提起をしたことによって、マスコミにおける論戦の火ぶたが切られ
110
- ▲TOP