あなたの4年間のdotsは
なんですか?

Career Design

株式会社CAC Holdings 就職

最初の一歩を踏み出せば、
きっと何かが変わっていく。

唐司 あみAMI TONOSHI
ライフデザイン学部 生活支援学科
都立府中けやきの森学園 出身

中学3年次に出会ったボッチャが、重度障害者の彼女を競技者として生きる道に導いた。大学入学後は厳しいコロナ禍でも多くの友人と交流し、社会福祉士の資格取得と手話サークルの活動に励む。ボッチャのトレーニングも地道に続け、2022年には日本代表候補の強化選手に選出され、強化合宿や国際大会に参加した。

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「自分を変える」ために
ボッチャの競技体験会に参加。

重度の障害がある私は、ずっと人との関わりを避けてきました。人見知りが激しく、いつも親の後ろに隠れているような子どもでした。もちろんスポーツなど、自分には絶対に出来ないと思っており、観戦することも遠ざけるほど嫌いでした。
中学3年生の時、リオ・パラリンピックでボッチャの日本代表選手が銀メダルを獲得したのを偶然テレビで目にしました。選手はキラキラ輝いていて、とても楽しそうでした。その時、この競技なら私にもできるかもしれない、やってみたいと、生まれて初めて感じたのです。そして、始めるなら今しかないと思い、東京都のパラスポーツ次世代選手発掘プログラムの競技体験会に参加しました。志望理由を書く欄には、一言だけ「自分を変えたいから」と書きました。その出来事は、私の人生を確かに変えたのだと思います。
もともと大学へ進学するつもりはありませんでした。でもボッチャを始めてから色々な人と交流する中で、進学を考えるようになりました。ボッチャを始めることや大学進学は小さな選択でしたが、最初の一歩を踏み出すことで、私自身の世界と人間関係は大きく広がっていきました。

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多くの友人とSNSで繋がり、
資格取得と手話サークルに取り組む。

大学へ入学はしたものの、コロナ禍で1年次は数える程しかキャンパスに行くことはできませんでした。家でひたすら、溜まり続ける課題に向かい合うだけで精一杯でした。最初はカリキュラムの選択方法もわからず、オンライン授業で質問もできませんでしたが、入学時SNSで繋がった友人に色々教えてもらい、一緒に乗り越えられました。
授業では障害者支援系のゼミを選択し、社会福祉士の資格取得を目指しました。実習で施設を利用する障害者の方とのコミュニケーションは、視覚的に話題や単語を捉える「話題の見える化」で会話がしやすくなったことが印象に残っています。また手話サークルでは、指がほとんど動かない私でもできる手話歌の手話訳を仲間と行いました。手話訳とは、元の歌詞の意味を損なわないように内容をすべて手話で表せる単語に置き換える作業です。そんな学生生活の中でたくさんの友人に恵まれました。
また、学業と並行して、ボッチャの競技活動を続けました。コロナ禍での練習は困難でしたが、自宅で地道な基礎トレーニングに励み、2022年からは強化指定選手として活動させていただきました。海外へ遠征して国際大会に出場し、外国選手と戦うことで多くのことを学ぶことができました。

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もっと練習して、
もっとボッチャで強くなりたい。

今は週に3〜4回、平日は2時間、休日は6時間ほどボッチャの練習をしています。一人の練習ではひたすら基礎練習を繰り返します。始めた頃は3mしか投げられなかった私が、今では10mも投げられるようになりました。
2023年のポルトガルPóvoa de Varzim 2023 WorId Boccia Cupではペア戦で3位となり、国際大会で初のメダルという結果が残せました。初めてのメダル獲得は嬉しかったのと同時に、ホッとした気持ちでした。
ボッチャはカーリングと似たところがあり、対戦相手のボールの位置により臨機応変に作戦を考えなくてはなりません。臨機応変に作戦を立てながらプレーするので“頭脳戦”とも言われています。
4月からは、株式会社CAC Holdingsに就職します。仕事をしながら競技生活を続けていくつもりです。私はすごく負けず嫌いです。もっと練習して、これからもっとボッチャで強くなりたいと思います。

Message

後輩のみなさんへメッセージ

赤羽台キャンパスは、バリアフリーの環境が整っています。障害の有無に関係なく、自分の好きなことに打ち込めば、多くの経験と自分への自信を持つことができます。少しでも「やってみたい!」と思ったら、ぜひ勇気を出して最初の一歩を踏み出してください。皆さんの活躍を心から応援しています。

My dots

  • ゼミメンバーで初めての食事会

    オンライン授業が続く中、ゼミメンバーで初めて行った食事会は、とても楽しかった思い出です。

  • 手話サークルの同学年メンバーと、学祭で

    コロナ禍があけて、私たちにとって入学して初めての学祭。とてもワクワクしました。

  • 2022年、ブラジルで開催されたボッチャ世界選手権

    個人戦では予選敗退し、悔しい思いをしましたが、ペア戦で4位という結果を残せて嬉しかったです。写真提供:提供日本ボッチャ協会