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大学DXへの挑戦

TOPIC1: 「学校法人東洋大学総合DX推進事業」の取り組み

本学では、2022年6月に「学校法人東洋大学総合DX推進事業」を策定しました。既存の制度や業務を、デジタルを前提にあり方から考え直し、局所最適化した従前のやり方を改革して全体最適化することを基本的な方針として、これからの大学運営のあり方を根本的に考え直すことに挑戦しています。

主な事業の柱として、「DX研修による人材育成(IT研修含む)」「手続きの電子化・ペーパーレス化」「学内コミュニケーションの円滑化」「ネットワークの強化」「施設設備管理のDX・省エネルギー化」「情報セキュリティ・BCP対策」「ITコスト管理の高度化」を掲げ、2022年度より推進しています。

この事業により、教育研究に直接かかわらない手間やコストを効率化し、無駄な残業や移動などをなくして働き方改革を進めるだけでなく、その分の時間や労力を、教育の本質的な部分、教育上丁寧に対応すべき案件や教育研究の充実に活かすことができるよう、取り組んでまいります。

2022年度取り組んだ主な事例。職員対象DXマインド養成研修の実施、DX人材育成コース(アジャイル開発・プログラミング)の開講、Google Workspace 研修の実施、職員による業務手続き等のアプリ開発

TOPIC2: 教育DXによる教育改革・キャンパスライフの質向上を目指す

本学では、東洋大学教育DX推進基本計画に基づき、時代の変化に対応する教育モデルを確立してまいります。また、昨今の生成系AIのめざましい技術進化のなかで、哲学を礎とし、物事の本質に迫る学びを重んじる本学としての、新しい教育モデルの確立を目指しています。

2022年4月に「東洋大学公式アプリ」の運用を開始。学生の学び、キャンパスライフの充実につなげる情報の提供に留まらず、学生自身による学習計画の立案や学びによる成長、さらにはキャリア形成につなげるための羅針盤としての機能を備えています。

総合大学の強みを活かした公開講座などリカレント教育の推進が具体化しつつあります。人生100年時代の生涯学習、大学院準備教育・資格取得講座、講師派遣生涯学習など6つのアクションプランによるリカレント教育の世界展開を計画しています。

TOPIC3: 東洋大学における生成系AIの学習への利用

本学では、生成系AIについて、「利用のしかた次第では学修上の有用性も認められており、参考・引用文献に類したものとして利用することまで否定できるものではない」と捉えています。学生には、レポート等は自ら調べ“考えて”執筆することが基本で、生成系AIの出力に安易に頼った学習にならないように周知しています。

PICK UP 情報連携学部(INIAD)における活用例

2023年4月、全学生向けにChatGPT(GPT4)を活用させる教育システムを開発・導入しました

導入の目的
  • 生成系AIを利用した自学自習を可能にして教育効果を高める
  • 生成系AIのAPIをプログラミングで利用できるようにしシステム開発のスキルを学習させる
INIADの生成系AIに対するスタンス
  • 生成系AIを活用することを制限せず、むしろ推奨
  • 生成系AIと対話を繰り返すことで学生が自分の考えを深めることができる
  • 学生が「楽ができる」ようにするのではなく、ChatGPTを使うことによる「結果の質」をより厳しく評価する

SDGs達成への貢献

SDGsの理念に賛同し、地球社会の明るい未来づくりに貢献するために、「学校法人東洋大学SDGs行動憲章」を制定。「教育」「研究」「社会・国際貢献」「環境貢献」「ダイバーシティ&インクルージョン」の5領域において行動目標を定め、SDGs達成に向け活動しています。

  • 教育
  • 研究
  • 社会・国際貢献
  • 環境貢献
  • ダイバーシティ&インクルージョン

東洋大学SDGs推進センターを設立。
記念シンポジウムをToyo SDGs Weeksに開催

SDGs推進体制を強化するため、2022年10月1日に「東洋大学SDGs推進センター」を設立しました。それを記念し、2022年10月22日に「SDGs×カーボンニュートラル-いま、わたしにできること。-」と題したシンポジウムを開催しました。シンポジウムでは、高山直樹教授(東洋大学社会貢献センター長)による、SDGs認知度調査の結果報告をはじめ、国際学部国際地域学科、東洋大学SDGsアンバサダー、東洋大学附属姫路高等学校地域活性部による取り組みが紹介されました。基調講演では、「ライフサイクル思考で実現するカーボンニュートラル社会」と題して、平尾雅彦氏(東京大学先端科学技術研究センターライフサイクル工学分野教授)による講演も行われました。

このシンポジウム開催を含め、10月10日から11月6日までの期間を「TOYO SDGs Weeks」と題し、学内のSDGsムーブメントのさらなる醸成のため、SDGsに関連した35の各種プログラムを開催し、延べ4,110名が参加しました。シンポジウムを含めたいくつかの企画は一般公開を行い、学内だけでなく、広く社会に向けて持続可能な社会の実現に資する情報発信に努めました。

SDGs認知度調査結果報告を行う東洋大学社会貢献センター長の高山直樹教授
『高校生による自然活用型社会を目指した活動』を紹介する東洋大学附属姫路高等学校地域活性部

SDGsアンバサダー学生による活動が活発化。
2023年4月には「SDGs留学生アンバサダー」が入学

SDGs活動の一層の活性化、充実および発展を図るために、学生個人または学生団体に対して「東洋大学SDGsアンバサダー」の称号を付与する制度を2021年度にスタート。2年目となる2022年度は新たに59名の学生が希望し、前年度から継続した19名と合せて、合計78名の学生を認定しました。SDGsアンバサダーの学生は、制度の目的や自身が担う役割、活動に必要な基礎知識や学内外の活動事例を学ぶスタートアップセミナーを経て、学内の関係委員会で推薦・承認され、学長から称号を付与されます。アンバサダー学生はそれぞれの関心に応じた企画を立案し、学園祭や「Toyo SDGsWeeks」などで活動しました。

また、SDGsの達成に向けて様々な形でグローバル社会に貢献する意欲と実行力を持ち、SDGsに関連した活動や学内外におけるグローバル化に繋がる活動に取り組む外国人留学生を「SDGs留学生アンバサダー」に認定し、納付金や住居等を支援する制度もスタート。2023年4月に第1期生となる3名が入学しました。

2022年度は、「子ども支援」「ジェンダー」「環境問題」「フードロス」「被災地支援、防災」「SDGsワークショップ」「SDGsカフェ」「学生出展チーム」という8つのテーマで、学生たちが自ら考えたSDGs活動を実施しました。