井上円了の教育理念

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- このように東西両洋の哲学を基礎としてさらに哲学を応用するという意味で、教育家と る。
宗教家はまさに社会に適合した職業であり、これらの養成が哲学館の目的とされたのであ
学制 の改革
明治二十八年、哲学館に緝熙館(しゅうきかん)という中学科(予科)が設立された。これ
は中等教育の速成を志すもののために設けられたものであり、また哲学館の本科への入学 が教授された。
Ⅰ 教育理念の形成過程
準備をするためのものでもあった。ここでは一年間で修身、漢文、数学、心理、作文など
また、同年からは入学試験が実施された。それまでは学問を志す人にできるだけ門戸を
開放するという趣旨から試験は行われなかったが、入学希望者の増加が著しく、また教育 のである。
上の観点から一定の学力を求めることも必要だったので、試験が実施されるようになった
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入学試験の開始と同時に、学科の改革が行われた。内容は哲学館を教育学部と宗教学部
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