井上円了の教育理念

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- 出典:文部省『学制百年史(資料編) 』昭和47年
いう帝国大学の役割を補完する形でつくられた点に特色
専門学校(旧制) 学生数 439 1,107 7,736 9,282
があった。しかし、私立学校は民間の立場から高等教育
表 2 設置者別学校数・学生数(明治21年)
を行おうというものであり、政府がその存在を正当に評 大していった。
学校数
価していなかったにもかかわらず、その社会的役割は増
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4 5
表2は、哲学館設立の翌年、明治二十一年における高
大 学(旧制)
学生数
──
──
738
738
等教育機関の学校数と学生数を示したものである。大学
は帝国大学一校だけで、官立の専門学校は九校だが、こ
──
れに対して私立学校は三十四校にものぼっている。 また、
── 1
学校数
Ⅰ 教育理念の形成過程
1
学生数の点でも私立学校が七十七%以上を占めており、 が明らかである。
その高等教育における割合がいかに大きくなっていたか
区 分 国 立 公 立 私 立 計
これら私立学校を教育内容別にみると、実用的な学問
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を教授する学校と、キリスト教、仏教、神道などの宗教
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